北村峰月の俳句会

   城南宮 句会便り     
   解説入り  添削句例入り

俳句は自分の心情をものや景色に託して詠むのです。

ものを見て目に入って来たものすぐ俳句にするのも良いし、一
旦心の引出にしまっておいて、またそれを必要に応じて出して
きて言葉を俳句にする。そうすると自分独自のものとして存在
するわけです。
そういうものを忠実に詠むだけで個性は出てきます。

写生は目的でなく自分の感動を正確に伝える技です。
自分がものを見た感動を伝える手段としての写生です。
俳句はその人の人生であり、感動であり、軌跡です。
その人の経験より生まれるものです。


当 ホームページ 俳句結社  城南宮 句会 事務局  
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         多読多作多捨

            共感した 十五か条

心を詠む          僕直  謙虚  生命感

季語を詠む        自然  人生  情緒

目で詠む          写生  具体  風情

足で詠む          吟行  挨拶  写実景

切って詠む        切字  調子  余情

韻を詠む          調子  踏韻  音韻

色彩を詠む         墨色  赤色 碧色 白色

音楽を詠む        古代の音 平安色 現代の音

濃淡を詠む        色の濃淡 気持の濃淡 愛情の濃淡

遠近を詠む        風景 景色 余韻 時間

大小を詠む        物事 景色 気持 愛情 感動

一つを詠む        一物一句   余韻

二つを詠む        二物一句   取り合せ

読んで詠む        歳時記  秀句 俳句誌 多読

発想を詠む        個性  独創  発見

          多読 多作 多捨




結社 城南宮 句会

   主宰 北村 峰月

         現代俳句協会
         京都俳句作家協会
         大阪俳人クラブ協会員

2005.07.01 平成17年 若狭町 「源流」
2014.10.31           終刊 解散

2006.09.03 平成18年 京鹿子同人 本部例会
2013.04.01 平成25年 京鹿子同人 雁金句会

2006.10.22 平成18年 渋柿 京都やなぎ庵

2011.07.10 平成23年 ロマネコンテ俳句同人会

2011.11.03 平成23年 義仲寺無名庵同人会



2010.11.09 平成22年 15773句
2012.02.25 平成23年 18876句
    多読多作多捨
2012.11.06 平成24年 21764句
2013.02.10 平成25年 23000句
2013.04.01 平成25年 23624句
2013.11.05 平成25年 26492句
2014.03.27 平成26年 28589句
2014.06.27 平成26年 29867句
三万句達成 2014.08.08 30281句
           2015.01.18 32272句
  2015.03.18 33033句
  2015.11.10 35609句
  2016.04.25 37134句
           2016.12.10 38774 句




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または、携帯メールhogetu2325@docomo.ne.jp まで。


鯉幟 未だへんぽんと 保育園     峰月

海芋咲く 白一本の 矜持かな      峰月

子の生るる 牛舎石灰 踏みて行く    峰月

をのこゆへ 孫の名幟に 称えけり   峰月

御弓師の 庭に誇れる 鯉幟       峰月

麦秋や 鳥放り上げ 啼かせけり     峰月

消石灰 踏みて入りたる 春牛舎     峰月

新燃の 煙立つらし 山朧         峰月

麦秋や 牛糞臭ひぬ 月野原     峰月

2013.05.21 宮崎 都城 吟行 菜穂子さんへ















木から木へゆかしき寺のむささび飛ぶ       白妙
ゆかしきが不要かと。木から木へは説明ですね。

古寺訪ふや ムササビ飛ぶを 見せる会     添削句
面白い経験ですね。

日向薬師 むささび飛び交ふ音も無し        白妙
も は並列の も で焦点を絞ります。また中八を解消して下さい。舌に転がし
てみて下さい。日向薬師の固有名詞は取り立ててゆうかどうかですが。

薬師堂 ムササビ飛べる 音の無く         添削句

秋日和 フランス製の 絹纏ふ            白妙
ちょつと フランス製が自慢げですが。 秋日和なら暖かいのだから絹を纏わず
脱ぐのではないでしょうか。 季語を 秋冷 とか 秋寒し に変えると 辻褄が
合います。
色瓶に ドライサビタを 飾る秋            白妙
このままでもいいのですが色瓶よりも 蒼き瓶 とかに変えると色の対比が良く
なるでしょう。ドライサビタは季語にはならないでしょう。 糊空木の花 なら夏の
季語になります。

親家鴨に 何故か突かれ 秋の川         白妙
感動を詠みましょう。

子を守りし 家鴨に追はる 秋の川         添削句

漢字で表記できる物は精々漢字で書いてください。感じる 漢字とも言います。



放たれて 風船旅する 秋祭り       白妙

誰が放したか秋祭りの空に風船がふわりふわり。

これは駄目句です。良い情景なのですが、違う季語が二つ入っています。

実は風船が 春 。秋祭りが 秋 です。

放たれて 風船旅路の 宮居かな        添削句

風船を 放ち泣く子や 宮の空          添削句
風船を 放ち泣く子や 青き空           添削句


草藪に 野菊揺れて 二つ三つ      白妙
通れぬ程の草藪に野菊がちらほらと咲いていました。
 野菊揺れて が気になります。中六ですね。「の」 を入れて
完成。

草藪に 野菊の紛れ 二つ三つ      添削句


神無月 葉ばかり伸びたる バケツ稲   白妙
商店街の端にバケツ稲が有り、街灯のせいか 花は咲かず葉ばかりが伸びて
います。
また 中膨れの 中八です。 「葉のみ」 としましょうか。そして
これもまた季重なりです。神無月とバケツ稲。 これはバケツに植ゑられた 余
り苗 が 成長しているのですね。バケツ稲は造語か、分からないことはことは
ないのですが。

余り苗 歩道に植ゑし 米どころ       添削句

稲の花 店の馬穴に 植ゑられて      添削句

捨て苗の 葉のみ伸びたる 馬穴かな    添削句



新米の指からこぼれる命かな        白妙

新米が届いて両手で掬っていると指から落ちてゆきます。お米の命を頂いてい
ることを改めて思います。

新米の 指を溢ぼるる 命とも        添削句
新米の 届きて里の 便りとす        添削句

溢しつつ 新米の嵩 手計りす          峰月
新米や 手溢すために 掬ひけり       峰月
選に 入った句です。


月命日 小菊買うのは 誰のため      白妙

月命日に花を買うのは父母のためと思っていましたが、何時ごろからか自分の
ために買っているようです。

評 私も父母と娘を亡くしていますのですが。お供えはつい私の好きなものにな
ってしまいます。それはそれで良いのではないかと思います。

月命日 誰が好物や おはぎ買ふ        添削句

というように「誰のため」とせずに。

月命日 小菊を買うは 誰がためや         添削句



広島句会 から 100句ずつ 8月 9月 10月分 の添削があり
ましたが 多数ですので 掲載を割愛させていただきます。



乳母車子は歩きて秋日和           白妙

公園で母子が歩いてくる。よちよち歩きでも自分の意思で歩こうとするその姿に
感動して詠みました。との事。
ほのぼのとした感じが着目点ですから。子は成長した後。

乳母車 嬰と歩きし 秋日和

乳母車は別になくても句意は変わらないかと。省略しましょうか。

秋日和 嬰の歩幅に 母歩りく

秋日和 嬰よちよちと 母見上げ
やや です。では どうでしょうか。


天高し大木一本写真の如く          白妙
写真の如くが気になるので

天高し写真のようなたいぼく有り       白妙
写真のような大木 が 他の人には分からないでは。

秋高し フレームはみ出る 木の大き

何か苦しいですね。この句は棄てられた方がいいでしょう。大きい木の名前を
入れると季語になるので入れないのか。
たいして 感動も伝わってきません。



隣人のリンゴ食む音聞く旅路         白妙

先ずリンゴは漢字に。漢字は感字ですからね。

林檎食ふ みちのく深く わたくしす     峰月

人の食べる音の俳句では悲しすぎます。自分が食べているようにしてもいいと
思います・食べたことにより 陸奥 みちのく を感じているのです。これは む
つ という林檎がありややこしくなります。


唐辛子軒に干したる登山道          白妙
見たまんまですね。感動のポイントは ? 

軒の日に 簾に吊りし 唐辛子       としましょうか。登山道でなく
ていいと思います。また 登山は夏の季語です。登山道は季語になりませんが
誤解されては詰まりません



。病葉や一つ二つと散りにけり         白妙

わくらば だけでは景色が見えません。もう少し具体的に。そして病葉は散るも
のだから 散る は不要。

病葉の 水輪の一つ 大きかり         峰月

とすればどうでしょうか。病葉は夏の季語ですから 水 が 良いと思います。





廃屋に雨音止まず暮れの秋          白妙

良いですね。本当に22作目の俳句ですか。ただ「暮れの秋」は秋の夕暮れと 
秋の冬に近い頃のと二。つの取り方があります。これは晩秋と取ればいいので
しょうか。それなら佳句です

秋霖や 音無く廃屋 濡らしをり        峰月
同じ景色かと。

水引草小さき決意確認す            白妙
確認す は 言い過ぎでは ? 少し硬い気もします。小さきは ちいさき とは読
まず とさき と三文字で 小さき決意とします。そして 胸に秘む としましょう
か。そうすると水引草に最も合うかと思います。



すき腹に 一椀粕汁 身にしみる       清女
すき腹に 僅かながら酔いが回ってきそうですね。それを詠まれる方がいいで
すね。
粕汁の 一口ながら ほろ酔いす      添削例

秋冷や 人影もなし ストの駅         清女
残念ながら 三段切れになっています。切れが三つになると句や感動がばらば
らになります。
秋冷や 人影の無き ストの駅         添削例

落葉して 迫る暮色や 人恋し         清女
なかなかロマンチックな句ですね。いい句ですが。少し順番を換えるとさらに良く
なりませんか。
人恋し 暮色の中に 落葉せり        添削例

切干の 高く積りて 冬支度           清女
季重なりになりました。同じ季節ならその重軽により許されることがあります
が、私は二つは無いほうがいいという考えです。切干を詠いたいのか、冬支度
に重きを置くかですね。
軒高く 薪を積みて 冬支度         添削例
切干の 軒端に揺らす 風弱し        添削例

去く秋を か細く匂ふ 野菊かな        清女
これも季重なりになりました。また 去く秋 ではなく 正確に 逝く秋と。
吹く風に か細く匂ふ 野菊かな       添削例



行く秋に 名残り惜しむや しまい舟      清女

「しまい舟」が分かりません。添削が難しい句です。「しまい舟」が大切な感動な
ら行く秋が普通ぽいですね。 「逝く秋」 としましょうか。

逝く秋や 名残りを惜しむ しまひ舟     添削例

夕やみに 芒の道の 遠きかな         清女

いい句です。しかし 漢字は 「感じ」 です。
夕闇に 芒の道の 遠きかな         添削例

びわの湖 沈影うつす 竹生島         清女

びわの湖が俗っぽいですね。 なるべくなら 琵琶の湖か。 または、
竹生島 沈影映す 奥琵琶湖         添削例
竹生島 沈影映す 湖北かな         添削例

旅立ちに 花火も上る 神戸港         清女

花火も の 「も」 が弱く 感動が無い。普通に 「の」に変えて。
旅立ちや 花火の揚る 神戸港        添削例

便り書く 窓辺にそよぐ 秋桜          清女

恋しい人に書く便りでしょうか。これも「便り」「書く」は当たり前です。
コスモスの そよぐ窓辺や ペンを取る    添削例
秋桜 そよぐ窓辺や 筆を取る         添削例

カタカナを使うときと漢字を使うときは、使い分けをしましょう。


夕顔に 行きかう人の 足をとむ        清女

だらだらと説明しているようです。切れ字を使います。
添削例   夕顔や 行き交う人の 足止むる

蝉しぐれ 古城に眠る 戦人           清女

戦人が字面ともにしっくりしません。 「に」 が説明的です。
添削例  蝉時雨 もののふ眠る 城の跡

近江路や 車窓にゆれる 彼岸花       清女

もう少し身近に詠いましょう。彼岸花には、揺れるは似合いません。 添削例
  彼岸花 近江路しばし 線路沿ひ

夕顔の 一輪咲きて 胸なごむ         清女
一輪にこだわる事は無いと思います。 また、「花」「咲く」は当たり前です。
 添削例  夕顔の 大輪胸に 開き切る

たくましき 男の子に育てと 鯉上ぐる     清女

「鯉上ぐる」では、予想できる鯉幟とは認められません。
添削例  鯉幟 たくましくあれ 高々と



初めまして。喜寿近き俳号「花咲爺」です。

花咲爺さん。始めまして。 よろしくお願いします。

 添削会にお世話になります。早速投稿していいのでしょうか?
よろしくお願い致します。

@ 朝市を巡りて探す飛騨の秋       花咲爺

もう秋になっていて申し訳ございません。
 お上手ですね。もういい俳句になっています。
同じ意味でも
添削句 「飛騨の秋 真っ只中の 朝市に」 とすると 強調が
出てきます。

A 待ち遠し宴の席や月見草        花咲爺

これだけではなんの宴かわかりませんね。 また何を待ち遠し
いのか。多分月の宴で 月の出を待たれているとはおもいます
が、十五夜なら日が暮れて立待の月ですね。これだけ想像さ
せるのですから 句としては成功していますね。

でも月見と月見草は付き過ぎです。少し離れる方が良いと思
います。  待ち遠しが 言い過ぎですね。少し具体性を持たせ
て、次はどうでしょうか。

妻と待つ 月の宴や ほろ酔いに    添削句



広島から 100句 近く 添削を頼まれましたが、多数のため掲
載を割愛いたします。



室生寺 紅葉に染まる 君はるか       峨庵

室生寺や 紅葉に染まる 君思ふ  添削句 と 直接的に。

室生寺 女人高野に 紅葉かな        峨庵

室生寺 女人高野とは同じことを二回言ってます。

室生寺や 女人紅葉に 染まりたる  添削句



新緑や 一きわ映える 雨上がり        清女

一際映ゆる  の方がよかったのか。結構な句です。

久方の 孫をまじへて ひなの宵        清女

雛 と 漢字にしましょう。

残雪に 悲歴を偲ぶや 安土城         清女

悲歴は悲しい歴史の意味でしょうが、広辞苑にありません。また中八が気にな
ります。  残雪に 悲話を偲ぶや 安土城 と しましょう。

早春の 日だまりの猫の あくびかな     清女

早春と日だまりは季節感に隔たりがありそうです。
また中八がリズムを壊します。
早春の 日向の猫の あくびかな   と 添削句 しましょう

初日の出 比良の峰に 輝きて         清女

お目出度さもあり、概ね出来ています。挨拶句。作者の立つ位置関係を正確に
すれば、
   初日の出 比良の連峰を 輝かせ   添削句
 でしょうか。



大阪の 紅葉従え 城映ゆる          峨庵

ラーメンを 喰らう窓辺に 落葉かな     峨庵

みな集い 鍋囲みたる ありがたや       峨庵

嵐山 名に潜めたや 秋嵐            峨庵

嵯峨菊の 咲きたる里に 住まいおる      峨庵

嵯峨菊の なんのことなき また咲きぬ    峨庵

菊も一年毎日手入れしてやっと咲いてくれます。
ただ見る人にしたら、なんのことなくかもしれませんが。
嵯峨菊の 咲くに容易き 世ではなし    添削句

嵯峨菊や 芯の強さを 手弱女に      添削句

蔵出しの 酒に惹かれて バス送る      峨庵

さて、 バス送る が解りません。また季語が見当たりません。 新酒 のことで
しょうか。 新走り とかの季語を使いましょう。
蔵出しの 新酒に惹かれて バスに乗る  添削句

久しぶりの峨庵さん、有難う御座います。


外人に 俳句教わる 柿の庵       江月

自らの研鑽とおっしゃりますが、一人でするより他人が入って
の切磋琢磨の方がやはり上達は早いと思います。

教わるは 表記は 教はる になります。柿の庵(いお) は 落
柿舎のことでしょうか。なにか具体的に何を教わったのかをい
うほうがいいでしょう。でないと外人に俳句教わったと説明して
いるだけになります。

柿の庵 季語かたことに 異国人     添削句

瓢箪の すずなり嬉し 祖父の酒     江月

瓢箪が鈴なりになった。嬉しい。でも祖父の酒が分かりませ
ん。お祖父さんと瓢箪でお酒を呑まれた思い出がおありでしょ
うか。分かりません。説明になっては駄目ですが、自分だけが
分かる俳句は独りよがりの俳句と言われます。江月さんがお
祖父さんと呑むのは思い出なら分かりますが。
嬉しいといってしまうとそれまでの句になります。
ここは
瓢箪の 鈴なり楽し 祖父の酒器    添削例

とかにして瓢箪を収穫して加工するのを楽しみにしていると見
ている状態で。

落款を 押して句作の 秋となり      江月

落款は押すというより 置く が俳句的に面白いとおもいます。
同じ意味の面白い言葉を探すのはいいと思います。

何回も 作った俳句を口に出して読んでみるといいでしょう。

秋の句に 落款置きて 佳句と見せ   添削句

と いうと 落款が 役に立ったと 嬉しいですね。

出句の分をお見せ頂くとお互いの勉強になると思います。



白ゴーヤ りんと胸張り 誇らしげ      ADACHI

グリーンフェンスの日よけに立派なゴーヤが実ったようです
が、胸張りが少しいい過ぎですね。もう少し詳しく詠むほうがよ
さそうです。

白ゴーヤ いぼいぼにある 誇らしさ   添削句例
 
明日こそと ゴーヤの収穫 待ちどうし    ADACHI

すべて 言ってしまっています。 また待ちどうしは
待ちどほし と表記します。

ゴーヤ穫る 最大限を 迷ひけり     添削句例

ゴーヤ穫る 極限をまた 迷ひけり    添削句例


朝日映え ミツバチゴーヤに 橋渡し     ADACHI

朝日の中、ミツバチがゴーヤの受粉をしていてくれるところで
すが。  残念ながらミツバチは春の季語、ゴーヤの夏と二つ
の季語はだめです。蜂も春。
ここはゴーヤにピントを合わせて、
朝日映ゆ ゴーヤの花に 無駄なけれ   添削例

朝の雨 ゴーヤの花の 咲き継げり     添削例



鵜飼宿 嫁に稚鮎を 呑み込まれ    斜里
分かる人だけ微笑み とありますが、掲載すべきかどうか。川柳でしょうか。こ
の人は初投句ですので敬意?を表して。


青竹や 皮脱ぎ捨てて夢の空 雄山

竹の皮脱ぐが季語になります。青竹やと切ると季語になりませ
ん。ですからこの句には季語がない事になります。または竹の
皮散るも季語です。歳時記を見てください。

竹の皮脱ぎ青鮮しく空を指す      添削句

夢の空は甘すぎます。もっと具体的に。


一滴の雫重たき青芭蕉          雄山

一滴の雫が重たきはいいすぎです。また青芭蕉のような大き
いものとは合いません。そして重たいとは思わないでしょう。 
 楚々としたものが合います。

水引の雫連ねて咲きにけり       添削句
粒粗き雨に芭蕉の濡れどほし      添削句

やわらかき光の中を立葵         雄山

これも やわらかなひかりと 立葵が合いません。

やわらかき光の中を霞草   添削句

なら どうでしょう。  向日葵や立葵には強い光を当ててくださ
い。

立葵 あくなき晴れを喜べり       添削句

立葵真昼の光に咲き登る        添削句


新たな句ができましたら、どんどんとお手紙やメールで送ってく
ださい。



年重ね 病みたり知れば 骨折や      佐代

評 これにも 季語がありません。言いたいことが 沢山ありそうですね。

病みたり とは云へ茄子の 苗買ひぬ  添削句
坪庭に 茄子植ゑゐて 齢重ね      添削句
なだめつつ 使ふ手足や 茄子の苗   添削句
迎へ火や 夫の手欲しき 骨折に     添削句

嫁ぎ来て 六十路の坂や 越ゆるかな    佐代

評 や かな の切れ字が二つ入っています。しかし 季語がありません。

嫁ぎ来て 越えし幾坂 濃紫陽花     添削句
六十路坂 たおやかに越え 夏落葉   添削句

梅雨晴れも つづけば猛暑 夏の空     佐代

評 生まれて始めての俳句なのです。季語が三つ入っています。
ということは俳句が三つできるという事です。

梅雨晴れの 籠に溢るる 汚れもの    添削句
梅雨籠り 夫の残せし 古新聞       添削句
猛暑てふ 文字に空を 仰ぎけり      添削句
梅雨晴や 紙風船を 衝きもして      添削句
夏の空 拳突き上げ 生きし事        添削句


素晴らしい 友は現役 年賀状        峨庵

評 現役は 何がでしょうか。 お仕事はお互いに現役ですが。


もういいか 思った友の 年賀状       峨庵

評 出すまひと 思ひし人より 年賀状   添削句


年賀状 今年も失礼 お詫び状        峨庵

評 酔いが深まってきたのでしょうか。これも判りません。


年賀状 一年毎に はっとして         峨庵

評 何を言おうとしているのか判りません。 多分本人も酔っていて覚えていな
いのでしょう。 一枚毎に の 打ち間違いでしょうか。 
年賀状 一年毎に 皆老いぬ   添削句例
年賀状 一枚毎に はつとして   添削句例 と はっの っ は 大文字の つ
 と 表記します。


酔えば言う わが友は皆 宇宙人       峨庵

評 酔えば成る 友は素敵な 宇宙人 の方がいいのですが、季語がありませ
ん。川柳として見ましょうか。


いつまでも 夢ぶつけ合い 年賀状      峨庵

評 夢が甘いですね。 いつまでも夢を語れる峨庵さんですね。せめて、いつま
でも 夢ぶつけ合ひ 年賀状  と 添削句例。


夢に出る 彼女はいつも ワンピース     峨庵

評 季語がありません。 川柳でも無さそうなので。
添削句例    夢に見る 女に似合ひぬ 紺浴衣


寂しさは 南天の実 鮮やかさ         峨庵

評 寂しさは 南天の実の 鮮やかさ  で 添削句例   になります。 佳作
です。


今年こそ 振られた彼女 初詣         峨庵

評 文脈が不明です。 予想すると 今年こそ 振られた彼女と頼を戻して初詣
の意味でしょうか。 添削句例    今年こそ 振られし女と 初詣


しんどさを 飛ばす厚化粧 年賀状      峨庵

評 厚化粧が判りません。年賀状によってしんどさから救われるとしてみます
か。 しんどさを 吹き飛ばすかな 年賀状   添削句例  としましょうか。


孫くれる 缶ビール飲み 初歌い        峨庵

評 孫呉るる 缶ビール飲み 初歌ひ 添削句例    と文語体にしましょう。


頑張ろう 応援歌に涙 年賀状         峨庵

評 中ぶくれ。  頑張るの 応援歌とし 年賀状    添削句例


負けるかと 気持ちに火をつけ 年賀状    峨庵

評 負けるかと 気持ち昂ぶる 年賀状 はどうですか 添削句例。中ぶくれ
でした。


いつまでも 元気で交わす 年賀状      峨庵

評 旧仮名遣いを使いましょう。 文語体に替えます。
       いつまでも 元気で交はす 年賀状   添削句例


年賀状 貰って生き方 考えり         峨庵

評 中ぶくれです。何回か読み下してみましょう。そしてすんなりと入る言葉が
一番です。
       年賀状 貰ひ生き方 考へる    添削句例


年賀状 凄いやつばかり 我が友よ      峨庵

評 これも中ぶくれ。リズム感が乏しい。
       年賀状 肩書き凄き 我が友よ   添削句例


年賀状 また今年も 励まされ         峨庵

評 中句が字足らず リズム感がない。
       年賀状 追伸書きに 励まされ   添削句例


年賀状 昨年と同じ それでよし        峨庵

評 それでよし とは言いがたい。中ぶくれです。去年にすれば解決です。
       年賀状 去年と同じ それでよし    添削句例


まだまだと 言い聞かせつつ カイロはる   峨庵

評 概ね出来ている句です。 カイロはるは 懐炉貼る がいいでしょう。


雪化粧 春待ちつ 今朝の小倉山       峨庵

評 季重なりですね。 どちらに感動があったかです。中ぶくれです。
      小倉山 薄化粧して 今朝の雪     添削句例
  小倉山 今朝の雪もて 薄化粧     添削句例


なんやかや 思案にふけり 寒もすぎ     峨庵

評 なんやかや が普段使うが俳句界では新しい。ふける すぎは 漢字に。寒
もの もは 余り佳いと言う人が少ない。
      なんやかや 思案に耽り 寒に入り     添削句例


まだまだと 今年も逃す 紅葉狩      峨庵

評 紅葉の名所に住まれていて、いつの間にか身頃を逃してしまう。


紅葉の 貼りつく床の バスの旅      峨庵

評  なかなかいいですね。面白い句です。床のより 床や と切りましょう。
紅葉の 貼りつく床や バスの旅      添削句例



元日の 昇る満月 繭色に          峰月

初夢や 蓬莱山の 三角点          峰月

陰暦に 晦日の月は あらねども       哲

初詣で 命に合掌 身延山        甲斐の宮

初春や 合わす両手に 願込め     甲斐の宮

 新年投句  あけましておめでとう御座います。


開山の 遠忌涼しき 御堂かな       恵子

綺麗に俳句の形になっています。 が 何を云おうとしているのか、何に感動し
たのか、読み手に何を伝えようとしているのか。不明です。開山のお寺を具体
的に読むか、御堂の中か自体が涼しかったのか。また開山堂を詠まれたか。
開山の 遠忌涼しき 御影堂     添削例句例
本願寺 御影堂の大き 涼しかり   添削例句例


逍遥す 高原 蜻蛉 音も無し        恵子

よく三句切れとして、バラバラと云われますが、これは四つに切れがあります。
逍遥するのは貴女でしょうか。蜻蛉でしょうか。高原の蜻蛉を 高原蜻蛉 とい
う種類があるのならいいのですが。
とんぼうの 羽音無きかな 逍遥す    添削句例   蜻蛉 夏
逍遥の 高原に群る 秋あかね    添削句例     秋あかね 赤蜻蛉 秋


尖る日や 化粧直しに 合歓の花      添削句例

ギザギザの 心に欲しき 合歓の花     添削句例

尖った日 欲しやひと刷毛 合歓の花    恵子

いらいらした 心の尖っている日に柔らかい合歓の花の化粧刷毛のひと刷毛が
効きそうです。


蝸牛 気長くグレーの 空を待ち       恵子

蝸牛 首長くグレーの 空を見て      添削句例
蝸牛 首長ごふして 西の雲        添削句例


青田風 山肌にそっと 水分社(みくまりしゃ)  恵子

だいぶ高い所にある青田ですね。分水の近くにあるのでしょう。山肌にそっとが
分かりにくいでしょう。高さを考えれば青葉風のほうがすっきりするでしょう。

青葉風 山肌にそつと 水分社   添削句例


寂しくて またあおぎみる 桜かな    峨庵

寂しくて は云い過ぎですが、そんな事もあるでしょう。 気持ちを入れ替えて
嬉しくて 又仰ぎ見る 桜かな     添削句     に なりますように。
漢字ならいいのですが、あおぎみるは あほぎみる にしましょう。


世の中の さじ加減知らず 散る桜    峨庵

世の中に 匙加減あり 散る桜     添削句例
中八はやめます。


世の中は 夢幻か 紅桜          峨庵

ゆめまぼろしなら 言い切りましょう。これなら紅桜が夢を見るように咲いてい
る。     世の中は 夢まぼろしに 紅桜     添削句例


伯母偲ぶ 桜くれない 夢さめし      峨庵

伯母はお母さんかお父さんの妹さんです。句の方は桜に伯母さんを偲ぶのなら
夢さめし は判らない。 また、三句切れを防ぎましょう。
 伯母偲ぶ 花くれないヰに 夢の中     添削句
これも 花くれないは ひらかななら 花くれなヰ になります。


世渡りに つまずき桜に 父をみる    峨庵

世渡りに 躓き花に 考のこと       添削句例
亡くなったお父様は 考 とも書きます。またつまずきは ひらかなのままなら、
つまづきと書きます。ここでは、躓きと漢字にするほうが、辛さがでます。
そして 桜は花にしても判ります。 中八に膨れるのは嫌われます。


里山の 野生児のごと 薮椿        恵子

                  野生児の 如く落けり 藪椿     添削句例
別の角度から見るのなら   私生児の 如く落けり 藪椿     添削句例
別に里山に限る事ではないと思います。 野生児 を用意できた事が手柄で
す。やぶは 旧字のほうがいいでしょう。   私と野だけですいぶん変わります
ね。


父と来て ねだった飴菓子 節分会     峨庵

中孕みです。飴菓子も具体的に。
      父と来て 鼈甲飴や 節分会  添削句例

壬生寺も 不況払いの 節分会       峨庵

壬生寺も の も がどうかな。 本来は厄払いですからね。払いは払ひです
ね。


秋夕べ 母の寝所の ほの暗き       恵子

秋の夕べに ほの暗いのは取り上げるものの感動が不明です。母の寝所の 
ほの明し こちらなら秋の夜長に何をされているのかなと   秋の夕べから変
えるほうがいいと思う。
秋夕べ 母の寝所の はや暗き    添削句例
秋夜長 母の寝所の ほの明し    添削句例


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甲斐の宮さん 投句有難う御座います。 また、待ってます。

待ちわびし 紅葉だより 里に下り    甲斐の宮

待ちわびると直接感情は言い過ぎないほうがいいのかな。紅葉だよりは漢字で
 紅葉便りのほうがいい。 
         山頂の 紅葉便り 里に下り    添削句例


うしろから 金木犀の 香りかな      甲斐の宮

背後より の方がいいかな。でも実際は四方八方からですね。
          塊りの 金木犀に 入りにけり    添削句例


飛行雲 高き青空 幾何もよう       甲斐の宮

季語が見つかりません。また高い青空と当たり前のことを言うと文字の損にな
ります。      飛行雲 秋空に描く 幾何模様    添削句例


陽が落ちて 半月白く 十三夜      甲斐の宮

すごくいい感じです。でも十三夜は満月の二日前、十五夜を心待ちにする気持
ちを詠むようです。しかし、半月とは違いますね。日が落ちても何々も説明的で
す。何に感動したかが焦点になります。     
  甲斐の富士 影絵に浮かぶ 十三夜      添削句例


里の秋 田で焼く藁の 高煙り      甲斐の宮

いい感じですが、高煙りがどうかな。秋の気温に低く棚引きそうですが。
          里の秋 藁焚く煙の 棚引けり     添削句例


夕日落ち 稲架の木組の 長き影    甲斐の宮

もう稲を降ろしたところでしょうね。収穫の喜びと安堵感も見えそうです。GOO
D!


色づきし 柿の実数え 配る先      甲斐の宮

柿の実は単に柿でいいでしょうね。   
        色づきし 柿数えつつ 配る先   添削句例


障子貼る 卒寿に近し 老婆の手    甲斐の宮

女の方なら卒寿は立派な老婆でしょう。言葉はなるたけ重ならないようにしまし
ょう。
     障子貼る 卒寿に近き 母の手や     添削句例
お母様ではないかも知れませんが。


入相の 鐘にかたぶく 彼岸花       恵子

新入生の方です。巧く作りすぎですね。私より。 もう一度彼岸花をよく見詰めて
見ましょう。頭の中で作らないようにして そして、感情移入して見ましょう。
私の句で   曼珠沙華 風にはさほど 靡かざり    峰月
俳句界 二月号 二人の共選 佳作  写生句を第一としましょう。


身延町下部の信玄隠し湯へホタル鑑賞の甲斐の宮さんより。

懷かしや 蛍の臭い 手に残る      甲斐の宮

懷かしやと言ってしまうと そやなあと 話が終わります。また、匂い 香り 薫
り はいい匂い。悪いものは 臭い です。

      手に残る ほうたるの香の 昭和かな    添削句例

牡丹 ぼうたん 蛍 ほうたる と字数を合わせる為の読み方があります。


指間より 包みし蛍 漏れ光る      甲斐の宮

指間と包みしが重なっています。ひとつ省略します。

ほうたるの 漏るるひかりの 照らしけり    添削句例


わたしの今年の蛍の句です。

指籠の 蛍十指を よぼくるる         峰月
手に囲ふ 蛍火照らす 指の闇        峰月
軒の灯を 消してもてなす 蛍宿         峰月
指籠の 蛍火に照る 妻の顔 峰月
指籠に 蛍遊ばせ 透く明り            峰月


川風に 身を任せたり 群れ蛍      甲斐の宮

かわかぜに 身をゆだねたり 群る蛍      添削句例
ちょつとやわらかく 表現しました。沢山の蛍を見たいですね。


見え隠れ 夜空またたき 蛍の灯    甲斐の宮

夜空またたく はどうでしょう。夜空にまたたくと正確に。また見え隠れと同じ事
のくりかえしのようです。夜空がまたたくようなすごい数の蛍だったのでしょう
か。
  ほうたるの またたきつなぐ 幽明や      添削句例
幽明とは あの世とこの世のこと。


舞ホタル 思い出したる 幼な頃     甲斐の宮

舞ホタルは頂けません。幼顔 幼子はありますが 幼な頃 は無いでしょう。辞
書や広辞苑などで確認する事も必要です。
舞ふ蛍 堅くつなげる 妣の手や       添削句例    妣は亡くなった母


恨めしき梅雨空を眺めながら、家の周りの樹木の様子を観
て。

梅雨空を 気に掛け松の 緑摘む    甲斐の宮

松手入れは 秋。松の芯 松の蕊は 春。松の緑も 春の季語です。季重ね 
違う季節 は避けましょう。この季節は松の手入れはしない方がいいのかな。
松の容を作るには、10月ごろに松の新葉が生長してから古葉を整理して姿を
整える。そして風通しを良くするようです。


虫食いし 梅雨の合間の 薬撒き    甲斐の宮

これは宮さんの行動の報告に始終します。何に感動を?
虫が何を食ったか の方がいいのか。


毛虫焼く 享年当歳 戒名は無く        峰月
蠢ける 毛虫にそぞ髪 立ちにけり       峰月
毛虫ども 腫れし腕を 掻きながら       峰月
毛虫焼く かいな掻きつつ 腫らせつつ    峰月


田植え後の 水面輪を描く 降し粒    甲斐の宮

やはり、身の回りの自然を良く見ておられますね。大切な事です。降し粒が分
かりにくいですね。雨か農薬か。水面と輪を一度に言える言葉があります。
金魚田の 水輪に満てり 雨になほ       峰月
金魚のぱくぱくの水輪もあります。
田植え田の 余白に水輪 描きけり       添削句例
水輪描く 植田の余白 雨の粒          添削句例


夏ツバキ 高く伸びたり 狭庭かな    甲斐の宮

沙羅の木があるのですか。夏つばきといわれていますが 風景は見えますがさ
てどうされたのでしょうか。伸びすぎたので切ろうかとお考えでしょうか。句意が
伝わりません。ツバキは漢字でまたは 考えがあって つばき と表記しましょ
う。カタカナは 英語 外来語 ならいいのですが。
  夏つばき 狭庭の空を 統べにけり        添削句例
  沙羅の花 目瞑りてより 白かりき         峰月
苔の青さの上に落ちた白を。
  婚告げに 子の訪ひ来たり 沙羅咲きぬ     峰月
ウェデングのイメージを入れました。九月二十日に軽井沢で
結婚式をしますが、元妻の所に置いてきた子ですので私の出席はありません
が。


瓶に差し 日陰の薔薇の 晴れ舞台   甲斐の宮

素直な句でいいですね。晴れの舞台は言い過ぎかもしれませんが、日陰に辛
抱して頑張って咲いたのですからね。
瓶に活け 日陰の薔薇の 日の辺り        添削句例


青嵐 祭の列を 鎮めけり            哲

昔は 祭といえば 葵祭。と決まっていました。季語は夏。
青嵐と季重ねになりました。青嵐は行列を鎮めると言うふうには思えません。 
  青嵐 牛車を暫し 立ち止むる  添削句例
   青嵐 行列暫し 留めけり     添削句例


木洩れ日の 差したる春の 小川かな     千恵女

初めて妻が俳句を作ってくれました。一寸感激。 素直に見たように作りまし
た。木洩れ日は差すのが普通。   平安神宮の小川です。
     木洩れ日を 浮かべて春の小川かな     添削句例。


空の旅 独り暮らしの 身の軽さ        福島はる枝

京都新聞 高岡ひろみ 選 佳作 冠句 なのですが小学校の
先生なのです。私の俳句の佳作と同じ紙面に載っていました。


しんしんと 重なる雪や 友と呑む       峨庵

重なるはどうかな。 積みゆく雪や でなかなかの句です。ずばずば 好きなよう
に手を入れて 偉そうにいえるのも 時間の問題ですね。明日は師匠ですね。
私も精進致します。


残り雪 愛宕に白き 鳥居置き         峨庵

鳥居置くか 鳥居かなの方が 白き置き より さらりかな。
ちなみに季語の 残り雪は 春です。


寒き夜 友は伊勢路か 旅の人        峨庵

オッケーです。さらりと読めています。ちょつと演歌調になりましたが。


山茶花や 白き帽子が 重たげに    甲斐の宮

慣用句を使う事は損です。いまは初雪の続きで句を読んでいるので分かります
が、この句を見ただけでは何のことか分かりません。白いのは雪か山茶花の花
か。
      山茶花の 雪の雫りを 愉しめり    添削句例


雪嶺の ロッキーに似たり 八ヶ岳    甲斐の宮

     八ヶ岳 雪嶺にして 新たなり     添削句例

     雪嶺の 名前知らずに 見てゐたり   峰月
感動は 山の名前ではなく山の姿であったりして ちょっと良いでしょう。ロッキ
ーは山脈だから違うかな。


倒置法も 山茶花の 句や 手に力の 句でお使いです。あとは言い古された言
葉は使わず新鮮味のある言葉を。これには新しい句を沢山読むことです。  
多読 多作 多捨  が肝心。
流行歌 演歌 古歌に有るような言葉 使いまわしは殊更避けましょう。わたし
の句に   降る雪を 救くはむやふに 手に受ける     峰月
      降る雪を 救くはむとして たなごころ      峰月


初雪に 見慣れ里山 水墨画       甲斐の宮

初めて雪が降り見慣れた里山はまるで一幅の水墨画のようです。これは普通
に陥り易いお手本のような説明句の作り方です。これは悪いのではなくこれか
らが句作りに入る訳です。
先ずこの形から推敲を重ねます。先ず感動を何に絞るかです。         
里山の 雪に描かれ 水墨画   添削句例
里山の 雪にさながら 水墨画  添削句例


包まれし 紅き南天 雪衣         甲斐の宮

南天の 重さに纏う 雪ごろも      添削句例
雪衣は少し柔らかいほうがいいかも少し水っぽい雪になりました。南天は季語
ではなく 南天の花 実南天 で季語に為ります。紅き南天は季語と見られると
雪衣と重季になります。


手に力 ハンドル握る 雪道を      甲斐の宮

これも同様 面白みはほしいが下手な川柳にしたくない。


雪空に 慌て交換 スタッドレス      甲斐の宮

間接照明のようにもう少し俳句らしくのんびり感を求めましょう。
雪催い 車に戸惑い ありにけり    添削句例


甲斐の宮さんです。

初雪に俳句のチャンスと興奮気味の投句です。


立春の 巡りきたりて 梅緩む         峨庵

どちらに感動を覚えたのでしょうか。梅緩むを言いたければ重季の立春を変え
ましょう。
  梅緩む 一心不乱に 日を集め     添削句例


ロウバイの ほのかにかおりて 福禄壽   峨庵

  蝋梅の かほりの仄か 福禄壽    添削句例
漢字の使い方。 そして なかぶくれといって 中句が八文字になるのをひどく
嫌う選者もいます。


雲低く 雪の節分 人の波          峨庵

雪の降る時は雲の低いのは当たり前です。


楽しくて 雪にまかせて 交わす酒     峨庵

句の方は少し意味が伝わりにくいですね。雪に託けかなかこつけ。
添削句例   楽しさや 雪に託け 交わす酒    


大寒の 息吹き伝えて 今朝の雪      峨庵

大寒と今朝の雪が季がさなりですね。春の息吹とはいいますが大寒のはね。
大きく句を作って、    地球の 息吹伝える 今朝の雪     添削句
はどうでしょうか。また、 
      雪明り 見返る山に 残る月   添削句例
漢字の使い方。送り仮名。に注意しましょう。


今夜も酔った峨庵さん

今更に なんで気になる 異動かな     峨庵

木枯らしを 避けて提灯の ひはあかく   峨庵

異動 転勤 も季語には為りえないようです。木枯らしの句は
木枯らしを 避けて明るき 提灯へ     添削句例


雪降って 一番困るは 私かな        清女

雪合戦 喜々としている 街の子等     清女

清女さん 有難う御座います。
しかし、清女さんとは思われない句で戸惑っています。
雪が降って困るのはその通りなのですが。 もう少し喜ぶと 嬉々として も
いいですね。


今回はなかなかの句ばかりですね。つい より良くと思うので
添削してしまいますが。 やはり頭の中だけで作っていない俳
句ですね。目の前の自然を詠うということですね。

うたた寝を するまに冬の日は暮れぬ    峨庵

転寝の 汽車に冬日の 暮にけり     添削句例
これは素直でいいですね。新ジャンルです。しかし旅の帰りですから 汽車を入
れるほうがいいかな。


ゆきずりの 人に尋ねて 旅の雪     峨庵
行きずりの 人に尋ねて 雪の旅     添削句例

いいですね。旅の雪か 雪の旅か 今日の旅ですね。


しんしんと 降る雪眺め 丹波路      峨庵

丹波路では 字足らず。 眺めるより外に出て作りましょう。
しんしんと 降る雪とゆく 奥丹波    添削句例


上夜久野 往きもかえりも 雪のなか   峨庵

いいですね。ちょっと ちょっとなら 漢字転換を怠らないように。
上夜久野 行きも帰りも 雪の中    添削句例


雪やんで さしいづる陽 春告げる    峨庵

雪止みて 木洩れ日やさし 音やさし    添削句例
やはり やんで さしいづる と口語 文語が混じらないように。
そして、雪と春告げるは重季です。


降る雪や 見果てぬ夢を 城崎に     峨庵

見果てぬ夢は頂けません。具体性がほしいです。

峨庵さん 雪の城崎へ吟行でしょうか。


母居らず 南天茂る 母屋かな       峨庵

これでも 一見よさそうなのですが、やはりそこは主宰ということで直さねばなら
ないところは添削しましょう。
  主の居らぬ 母屋に茂る 実南天     添削句例
南天だけでは季語が希薄でした。実の付いた時は冬なのです。南天とか つわ
ぶき 蓮 松 とかはそこが難点で この洒落 何点 ? 一年中あるものは 葉 
花 実 と時期を限定して使わなければなりません。梅 桜は花のことを普通い
いますから その他の季節に使う時に 葉 実などを入れます。


もう一句は川柳と採った方がいいのでしょうか。

娘ども 嫁にゆきて 犬二匹        ガァアーン

中句字足らずですね。原句を尊重して。 匹と頭で犬の大きさがでますね。

娘ども 嫁して残せし 犬二頭    添削句例


長月の 宵には合わぬ くやみざけ    峨庵

漢字を使いましょう。時には感字を。
九月の月のある宵でしょうね。なにか悔やむ事があるのでしょうが。
感じはわかりますが、名月の 宵には合はぬ 悔やみ酒  と言い切
りましょう。


十五夜の 団子を買えと いいし母    峨庵

これも同じく 何が何してになっています。
認知症のお母さんの介護も大変ですね。
十五夜や 団子を買えと いいし母 で 切れ も出来ました。


名月を まちかまえたる 嵐山       峨庵

調子はいいのですが 何が 何して 何とやら になっています。 形を変えて 
嵐山 待ち構えたる 望の月  ではどうでしょう。 まちかまえたる は
 漢字の方がいいでしょう


峨庵さんより投句有難う。
娘さんのご結婚式が終わったのですね。

式終えて 紫陽花の 色輝けり       峨庵

喜びで すべてのものが輝いて見えます。しかしここで、気になるのは句の切り方です。5.5.7に
なります。何気なく切ってしまうのはどうでしょうか。   


夢かける 緑山野に 朧月          峨庵

ここは、夢かける が 分かりにくいです。 また、緑と朧月が 夏と春の二つの季語がありま
す。 かけるは、 欠ける 掛ける 描ける 駆ける 賭ける 架ける 翔ける などとあります。
どれなのでしょうね。 推敲を続けて下さい。


甲斐の宮さん 投句 ありがとうございます。
尾瀬に 久しぶりに 行かれたのですね。

蒼い空 再び来たよ 声をかけ      甲斐の宮

季語がないのが。 蒼い は くすんだ青 なのです。
なにかもっと 綺麗な青空ではなかったのですか。
再びの 尾瀬に声掛け 風青し      添削句例


残雪の 水もに浮かぶ 至仏山      甲斐の宮

残雪の 水面に浮かぶ 至仏山     添削句例
水も は 変換ミスかもしれませんが、俳句では一字が
万事 大違いなのです。
至仏山 水面に移し 手に触れて    添削句例
至仏山 水面に移し 手に掬ふ      添削句例


尾瀬に咲く 白い妖精 水芭蕉      甲斐の宮

白い妖精 水芭蕉は 言い古されています。
また、水芭蕉は 尾瀬でなくてもいいのです。
泥水に しろがねに咲く 水芭蕉     添削句例
泥沼に しろがねと咲く 水芭蕉      添削句例


口ずさむ 夏の思い出 尾瀬ヶ原     甲斐の宮

口遊ぶ といういい字があります。選ぶということも大切です。
口遊ぶ 尾瀬の思ひ出 綿菅に     添削句例
尾瀬の思い出という平凡な感動には、少しだけポピューラで
耳慣れないものもいいですね。


一休み 鶯歌うも 心地よさ        甲斐の宮

中八字です。同じ感覚でも、違った言葉使いで。
老鶯に 身を委ねては 尾根に寝て    添削句例


リョウキンカ 木道に顔出す 愛らしさ  甲斐の宮

専門的な名前 誰もあまり知らない地名は損です。
また、花は 綺麗 美しい 可愛い 愛らしいのが普通です。
それらは、いわずもがなです。 想像させるか 余韻で 考えさせましょう。
木道の 朽ちしところに 草茂る   添削句例
木道の 朽ちしところや ものの花 添削句例


萌える木々 暫く見入る 燧岳      甲斐の宮

萌える木に 背中を預け 燧岳   添削句例
萌える木を 手に抱きつつ 燧岳  添削句例
萌える木を もろ手に抱きて 燧岳   更に添削
いだき と詠みます。 見ている状態 姿勢 足場 も 想像させたいです。
俳句は 読み手に 委ねる 文学です。

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三角点の写真を有難う御座いました。
連休に 富士山を望む 釈迦ヶ岳に登山されて一句。

富士仰ぎ 稜線抜ける 初夏の風    甲斐の宮

このままでいいですね。素直に爽やかさが感じられます。
富士仰ぐ 稜線に受く 初夏の風        添削句例
これなら 私が すずしいですね。


汗ひいて 若葉目にしむ 釈迦ヶ岳   甲斐の宮

これは 残念ながら 汗も 若葉 も夏の季語です。正確にはね。
五月六日から 夏ですが。 どちらがより感動があったかによって句が
変わります。    汗ぬぐふ ハンカチ青き 甲子園   は ちがいますね。
汗ぬぐふ 風も真青な 釈迦ヶ岳         添削句例
青き風 若葉目に染む 釈迦ヶ岳          添削句例
なんだか 青い空の そこまで その空の真っ只中にいます。


残雪の 富士を屏風の 地蔵さん    甲斐の宮

旨いですね。 富士を屏風に がいいですね。でも 地蔵さんは
どうかな。もう少し敬って 地蔵尊 ですね。 俳句は文語体がいいです。
残雪の 富士借景に 地蔵尊          添削句例   
すこし 地蔵尊の場所をいうと山での俳句になります。
残雪の 富士借景に 峰地蔵          添削句例


見渡せば 目より身体が 一回り    甲斐の宮
    川柳の部類でしょうか。
ですね。 俳句は 季語が欲しいですね。

私は  有季  定型  文語体 です。

ぐうるりと 見渡す山々 目に若葉       添削句例
またの 山行きを楽しみにしています。
甲府の町並みもいいでしょうね。


久しぶりの峨庵さん
満開の 桜を叩く 夜の雨          峨庵

でいいのですが、これでは読み手の余情を引き出せません。
句が語りすぎています。読んだらすべてが分かってしまいます。
あまおとに 不憫の募る 夜の桜      添削句例
満開に 雨音繁げき 枕元          添削句例
これなら多少 明日も見たい満開の桜を寝ながら心配をしています。
ゆっくりと 愛でる間もなく 桜雨      添削句例


桜雨 無慈悲なるかな 観世音   峰月 はどうですか。

なよなよと 枝垂れ桜に 春の風     峨庵

そのままに 見たままにでは読み手は感動しません。
なよなよーーしだれ  はいいすぎで当たり前。
木洩れ日を 幾多にしだれ桜かな     添削句例


桜吹雪 懐かし昔の 艶姿         峨庵

これは ちょっと ちょっとですね。主人公が見えません。
また 昔 ー 懐かしい は言い過ぎ。今回は少し辛過ぎましたね。 しかし苦
労したぶんすごく勉強になりました。


舞い落ちて 花紅に もゆる路       峨庵

花紅に は少し 詠い過ぎですね。 くれないもゆる 丘の花があり、あまり陳腐
な 昔からの手垢がついた言葉はやめましょう。
舞い落ちて 花はさくらに かなう無く     添削句例
散り敷きて 参道色に なりにけり       添削句例


遍路旅 今日は何処の 春訪ね      峨庵

遍路旅には 順番がほぼあるしね。いずこはどうかな。 今日はどこまでか。
また、遍路旅と春訪ねは重季になります。
二人旅 今日は何処まで 遍路宿       添削句例
遍路旅 今日は何処まで 御大師と      添削句例


甲斐の国 の住人  宮さんより 投句

春告げる 紫紺法衣の 座禅草      甲斐の宮

寒山で 幸せ祈る 座禅僧         甲斐の宮

ちょっと ウィツトの含んだ句ですが、春告げる 寒山 座禅草 が
季重なりになります。経験の少ない方や 状況に一生懸命になると
陥り易くなります。ついついなのです。
泥を穿き 紫紺法衣の 座禅草       添削句例
日矢に居る 紫紺法衣の 座禅草      添削句例
寒行の 座禅僧のごと 苞紫紺       添削句例
木洩れ日を 後光に浴びて 座禅草    添削句例

鯖街道 横目に見てをり 座禅草      峰月
里谷に 無言の行や 座禅草           峰月


次回の投句をお待ちいたしております。

新たに ブログ句会 城南宮 を 立ち上げました。
アクセスは日に五十件もありますが。  
        現在は 停止 しております。


大津市の清女さん 有難う御座います。

大橋の たもとにほのと 梅かほる      清女

琵琶湖大橋なのですが、別にふつうに橋としても。
日の当る 橋のたもとや 梅かほる      添削句例


比良の山 寒咲花なの 日に映えて     清女

比良の山 寒咲き花菜に 日の当り     添削句例

どしどし作れる人ですね。思いついたものが俳句と言う感じ。


初詣 心意気にて すましけり     峨庵

心意気が分かりませんね。潔い気立のことですが、
初詣 あちらこちらに 願かけり    添削句例


初詣 嫁は介護で 途中下車      峨庵

初詣 離れ離れに 戻りけり      添削句例


わが嫁と 出会いは大和 初霞     峨庵

なれ初めは 大和の国の 初霞    添削句例


宇治橋は 初夢だらけの 人の波   峨庵

それぞれの 初夢持ちて 橋渡り  添削句例


初詣 夢の数だけ 人の波       峨庵

初夢 夢 と具体的でない言葉では感動は伝えられません。
初詣 人の数だけ 願ありて    添削句例
感動を ピンポイントで 具体的に描きましょう。


お爺ちゃんになった峨庵さんから早速の 孫 まごこ 子 俳句
を戴きました。

初孫に 教えられにし 初笑い   峨庵

にし という使い方があるのでしょうか。 教えられたる でいいでしょう。いま自
分がいかに苦虫をつぶしたような顔をしていたのでしょうね。


初孫に 夢を語りし 松飾り     峨庵

後悔せんようにしっかり勉強しなあかんで。俺の二の舞にならんようにと語って
いたり。もう少し 夢を具体的に掴むほうが良いでしょう。


初孫や ただ眺めおり 初時雨   峨庵

眺めおり は をり と表記する。初尽くしに意図的に創られているので文句は
ありません。初時雨は十二月初めか。今回の時期の?


初雪の 夢にそむるな 初太郎   峨庵

夢にそむるな が 分からない。
初雪の 真白に生まるる 初太郎      添削句例
可愛い可愛いは分かりますが、またよく鑑賞いやよく見ているから出来るので
すね。そして感動もあり、焦点があるから出来るのです。しかし古来より腐るほ
ど作られています。ですから目新しいものが出来るかどうかです。


福相の 巫女に御籤を 享けにけり      峰月
福白髪 福皺ふへし 初鏡           峰月

弓勢に 初日安土を 射られけり        峰月
二人きり 杯を重ねて 屠蘇祝ひ        峰月
ふたりきり 祝辞短く 屠蘇祝ふ        峰月
福笹の 小判拾ひぬ 下祇園         峰月
初詣 天に至れり 磴あまた           峰月
磴 とう と読み、石の階段の事。 あまた は数多で 数が多いの意。
新年の 筧新たや 青かりき         峰月

御慶とは ごけい また ぎょけい と読み、よろこび いわいの敬語である。 
転じて新年の季語となれる。 
また、安土とは 土へんに乃木を縦に書く字を使い弓の的の盛り土の事。


出産と 重なり合へし 御慶かな      峰月

産声が 満ち溢れたり 春日和       峨庵

峨庵さんから 早々に


父さんと 抱き付いた娘が 母になる    峨庵

の川柳を戴いた。 お正月と重ねて おめでとう御座います。


夕焼けに 松浮かぶなり 嵐山        峨庵

お正月の年賀状から 一言言いたいなあ。 
年賀でしょう。お目出度く行きましょう。
せめて、朝焼けに か 初日の出とか 家から西のほうの山だからと 位置関
係に忠実にするかどうかですが。いいのじゃありませんか。  お正月です。
ちなみに、夕焼け 夕焼け雲 は夏の季語です。 年賀状でなく 夏に頂いたら
 やや 涼しげでよかったのかな。

初日の出 影絵に松の 嵐山    添削句例
初日の出 透かせて松の 嵐山


寒天の 夕映え突いて わたる月     峨庵
あれこれと 思い惑わし 暮れの道    峨庵

突いて が分かりません。
寒天の 夕映えのまま 月わたる    添削句例
思い惑わしは どうか 巡らすではどうでしょう。
そして肝心の季語です。
あれこれと 思い巡らす 冬の道     添削句例


投稿者      峨庵
干し柿の 暖簾に浮かぶ 夜半の月   峨庵

重季ですね。もう少し季語に軽重があると可ですが、なるべく一つにしましょう。
柿暖簾といういい季語があります。柿簾もいいですね。文語体に整えます。
柿簾 透かす真向かふ 白き月    添削句例


コスモスの 花輝ける 結納儀      峨庵

コスモスは花 省略を利かせるべきだが、ここの結納儀とは省略のやりすぎ。
コスモスの 空輝ける 結納の儀    添削句例


往く紅葉 夜半の月愛で 小倉山    峨庵

往く紅葉 は分からない。逝く紅葉か散る紅葉かな。夜半の月も秋です。
これも重季になり、また秋の月のころは紅葉の季節。
小倉山 影絵に愛でり 白き月     添削句例


初雪をまたいで虹掛く 橋立の海    峨庵

なるべく 漢字を使い、虹は夏の季語になるがここではいいかな。
本来なら冬の虹。掛く は架かりか 架くる に。
海は不要になる。 または天の橋立を虹に見立てたか。
初雪や 橋立跨ぎて 虹架かり    添削句例
与謝の海 雪の橋立 跨ぎたる   


年の瀬や 新年の夢 かさばりて    峨庵

季語がかさばっています。また 嵩張りて かな。
年の瀬や 夢見る夢の 多かりき    添削句例


冷酒や 旨さ知りそめ あては月    峨庵

この歳で初めて酒の旨さが分かったというわけではないでしょうが。
しかし、酒が旨いということは結構ですね。
季語は冷酒 冷やし酒ともに 夏 なのです。また ちなみに甘酒も夏。
冬は 熱燗 お燗した燗酒。 新酒 新走り は秋です。
季なしの 生酒はどうですか。 名月や の 切れ字で 充分に あて に
なったでしょう。
名月や 生酒の旨さ 知りそめし    添削句例


立ち飲みで 息吹き返し 冬の雨    峨庵

これはおもしろいですね。すこし さわらせてもらうなら。
立ち飲みに 息吹き返す 冬の雨     添削句例


暮れなずむ 雨に追われて 縄のれん   峨庵

一見このままで 良さそうですが 季語がありません。
暮れなずむ は日の暮れになってきた事で 暮れ早し 暮れ易し は冬。
暮れの冬は もう春に近い冬の事。 ちなみに 暮れ遅しは 春です。
暮れなずむ 氷雨を逃げて 縄のれん    添削句例
暮れ早し 雨に追はれて 縄のれん     添削句例
思うことは それはそれは 深いと思いますが、人生 酒に逃げたらあかん。
重季は 感動の少ないほうを ほかの言葉に直し、使い古された言葉は捨てま
しょう。 なるべく 漢字を使い、文語体にして、歳時記を活用しましょう。
耳新しい 新鮮味のある言葉を。
そして 意味の 情緒のある 味のある 言葉を です。


またの 投稿句を お待ちしております。

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   俳句は 多読 多作 多捨 です。



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