京鹿子句会 便り

             聖和の直さんへ戻れます。

 京鹿子 句会


   京鹿子 句会   主宰  豊田 都峰
                    昭和六年一月十三日生まれ

平成 27 年 7月 25日 午前11時 42分死去。
突発性膵炎にて 85歳。

主宰死去に伴い 鈴鹿 呂仁 新主宰
            鈴鹿 仁 新名誉主宰
            松本 鷹根 副主宰
            塩貝 朱千 副主宰
            鈴鹿 呂仁 編集部長


 北村 峰月 平成18年9月3日入会

  平成25年2月10日 同人推挙

  平成25年2月10日
  社団法人 京鹿子社 新監事就任

  平成 25年 1月より
  本部例会 吟行  互選 主宰選 披講役

  平成 29 年 2月12日
  社団法人 京鹿子社 監事 継続 就任

   現代俳句協会員  2937名

  大阪俳人クラブ協会員 1603名

   京都俳句作家協会員


             2010.11.09 15773句
             2012.02.25 18876句
             2012.11.06  21764句
             2013.02.10 23000句
             2013.04.01  23624句
             2013.11.05 26492句
             2014.03.27 28589句
  2014.06.27 29867句
  三万句達成 2014.08.08 30281句
  2014.10.16 31292句
              2015.01.18 32272句
              2015.03.18 33033句
             2015.06.22  34177句
             2015.11.10 35609句
  2016.04.25 37134句
  2016.12.10 38774 句

          多読多作多捨



        京鹿子 句会 風景

                       新主宰 鈴鹿呂仁氏と。


























                       新主宰 鈴鹿呂仁氏と。







現代俳句年鑑 2017年版 掲載句 2394名 11970句

暫くは 水に乗りたる 霰かな       峰月

竜宮も 月の都も われ未踏       峰月

良夜かな 嵯峨野の月に 濡れにゆく   峰月

原爆忌 影踏み遊び せぬ習ひ    峰月

草笛を吹き 水平の 風にゐる     峰月


現代俳句年鑑 2016年版 掲載句 2534名 12670句

石蹴りの 丸描いてゆく 暖かし       峰月

丸太椅子 丸くならべて あたたかし    峰月

水槽は 水の断面 水中花        峰月

舟屋みな 舟を満たして 年迎ふ    峰月

待ち針の 一本足りぬ 夜長かな     峰月



現代俳句年鑑 2015年版 掲載句 2642名 13210句

折鶴を 解けば真四角 原爆忌      峰月

 ドロツプの 音のひつつく 残暑かな    峰月

晩秋や 土の匂ひの 宅配便       峰月

糶果ての 焚火育てる 一斗缶       峰月

冬帽子 妻の帽子に 被せ置く       峰月



現代俳句年鑑 2014年版掲載句 2702名 13280句

番ひ鳰 互ひに潜る 孤独かな      峰月

良夜かな 少し離れて 妻のゐて     峰月

ぼうたんや こはれ易きは 漢なる     峰月

コスモスを 黙って妻に 突き出せり    峰月

花疲れして なほ花を 振り返へり     峰月





現代俳句年鑑 2013年版 掲載句2937名 14685句

折鶴の はじめ三角 原爆忌        峰月

鳴き切りて 風に転べり すがれ蝉    峰月

名月や 立つもの等しく 影与ふ      峰月

紙漉の 等しく水を 重ねけり        峰月


メモという命令書もて 年の市       峰月


現代俳句年鑑 2012年版 掲載句 2480名 12400句

時雨るるや 木曾の蕎麦屋の 飾り蓑  峰月

若冲の 画の裔なると 羽抜鳥       峰月

針刺せば 春満月の 鼓動消ゆ      峰月

先駆けの 紅梅妻に 盗みけり        峰月

鯉揚げや 焚火に薪を 抱え来し       峰月



現代俳句年鑑 2011年版 掲載句 2823名 14115句

白鍵に 沈む指先 水芭蕉         峰月

ヒロシマの 川は五筋 原爆忌      峰月

露踏みて 太極拳の 脚捌き       峰月

秋風鈴 いま言ひしこと みんな嘘    峰月

せせらぎの 光敷きたる 床涼み     峰月








  京鹿子 句会












酒を酌む 漢三人 桃の弓                     峰月

古寺と 同じ色して 枯蟷螂                   峰月

垂直に あけぼの杉の 芽吹くかな              峰月

葦の芽の 水平線に 垂直す                   峰月

2017.03.01 京鹿子 3 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



測量の 足元に敷く 犬ふぐり                  峰月

                         鈴鹿 呂仁 佳作 1 票

忘れ物 したる如くに 春時雨                   峰月

                 菊池 和子 伊崎 智之 佳作 2 票

莚旗 立ちし原城 犬ふぐり                   峰月

                        樋口 やよい 佳作 1 票

蕪村佇つ 毛馬の堤や 犬ふぐり               峰月

                        小塙 真理 佳作 1 票

2017.02.05 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



葦枯るる おとせの浜は 堂隣り                  峰月

焼き芋屋 声の調子で 販ぎけり                峰月

長殤の 子の墓叶ふ 帰り花                   峰月

冬ざるる 鯔待ち櫓 涛の中                   峰月

2017.02.01 京鹿子 2 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



日向ぼこ 我が身ひとつを 省略す              峰月

          土井 とし子 選 佳作 塩貝 朱千 選 佳作
          岸本 明子 選 特選

日を溜めて 冬の花芽の ふくみ笑ひ            峰月

中田 範子 選 特選 塩貝 朱千 選 佳作 野村 朝子 特選

古希とても 未踏の齢 着脹れて               峰月

2017.01.26 京鹿子 北桑田支部 牡丹鍋句会 俳句大会



すべからく 着脹れ診療の 椅子の列             峰月

             村田 あを衣 選  佳作 1 票

寒椿 身じろぐものを 宿らせて                 峰月

    松井太一 選 坂下 徹 選
          伊崎 智之 選  北川 孝子 選  佳作 4 票

2017.01.22 京鹿子 府立文化芸術会館 付近 鈴鹿 呂仁 選 
                                  互選



弥栄や 元朝の日矢 数多なる                 峰月

                         杉山はつ江 佳作 1 票

小銭にて 大願念ず 初詣                     峰月

                 荻野千枝 吉村紀代子 佳作 2 票

七福神詣 京に七口 七野あり                峰月

鈴鹿呂仁 杉山はつ江 鷺山 珀眉 樋口 やよい 佳作 4 票

2017.01.08 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


清冽を 流し秋風 梓川                       峰月

新米に 朴葉味噌載せ 奥飛騨路               峰月

雨だれの 音に続きて 木の実落つ              峰月

秋霖や 竹の節々 濡れ落ちぬ                 峰月

2016.12.29 京鹿子 1 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



冬の陽を 溜むる身ひとつ 御影堂              峰月

  北田 せい子 佳作

黒谷の 日向啄む 寒雀                     峰月

           小川 桂子 北田 せい子 伊崎 智之 佳作

銀杏枯る もう道化師の をらぬなり              峰月

        鈴鹿 仁 加藤 翔英 村田あを衣 吉村紀代子
        鈴鹿 呂仁 佳作

2016.12.25 京鹿子 歳晩吟行句会 主宰 鈴鹿呂仁 選


崩へ易き 水輪いびつな 空に鳰               峰月

                            鈴鹿 呂仁 佳作

2016.12.04 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



緋床几の 紅葉手掃きに 湯葉うどん             峰月

澤近 栄子 選 佳作  特別選者 金子 野生 選 入選 特
別選者 松本 鷹根 選 入選

216.11.24 吟行地 醍醐寺 随心院 勧修寺  京鹿子 後日祭



乗り合はす 誰かの荷物 桃匂ふ               峰月

田中 兼浄  選 佳作 福島 正一 選 佳作 磯部 時枝 選
 佳作 木戸 渥子 選 佳作  畑 佳与 選 佳作 村田 あ
を衣 選 佳作 6 点


月乗せて 手より踊れり 風の盆               峰月

 藤井 節女 選 佳作 塩見 かず子  選 佳作 小谷 ます
み 選 佳作 清原 洋子 選 佳作 大塚 文枝 選 佳作  
宇田 篤子 選 佳作  6 点


秋深し 体重計の 軽き嘘                   峰月

小畑 翠光 選 佳作 桑田 黎司 選 佳作  新井田 人道
 選 佳作 木戸 渥子 選 佳作   12票 で 14 位


2016.11.23 第62回 京鹿子  全国 俳句 大会   1666句より



方円に 暫し従ふ 初氷                       峰月

               村田 あを衣 松尾 心月 佳作 2 票

毛糸編む 翼出す穴 準備せず                 峰月

                         辻本 俊子 佳作 1 票

雨よりも 晴るるが寂し 毛糸編む               峰月

                 豊田 澪  小塙 真理 佳作 2 票

2016.11.06 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



宇治橋の 擬宝珠の尖り 風寒し                  峰月

百舌の贄 盗る鳥嘴を拭ふ                    峰月

寺寒むや 膝送りせし 落語会                  峰月

越後なる 根雪の下や 火炎土器               峰月

2016.11.01 京鹿子 11 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



仁丹の 看板の先 芒原                      峰月

           菊池 和子 佳作 村田 あを衣 佳作 2 票

流れ藻を 除けて障子を 洗ひけり               峰月

   杉山 はつ江 佳作 鈴鹿 呂仁 佳作 2 票

2016.10.02 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



機影無き その八月の 愚直なる                 峰月

河骨の 灯り二つに 龍の棲む                 峰月

米櫃を 炎昼に据え 穀象虫                   峰月

何もかも 越えて勿来や 木下闇                 峰月

2016.10.01 京鹿子 10 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



新蕎麦や 新たな紙に 墨新た                  峰月

               鈴鹿呂仁 選  佳作 1 票
評 「新」 の字を三つ重ねて 蕎麦の旨みを引き出している。

新蕎麦と 知りて小半 昼の酒                  峰月

  鈴鹿 仁 選 井上 菜摘子 選  佳作 2 票
評 新蕎麦の喜びに少量の酒も入り悦に入っている姿が微笑ましい。

初紅葉 水分神の 在す処                   峰月

            杉山はつ江 選 神崎 ひでこ 佳作 2 票

2016.09.04 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


色褪せる ものに句帳の 栞紅葉                 峰月

ここいらが 限界と 団栗手放せり               峰月

公園の 主役に ジャングルジムの月            峰月

虫売りの 虫泣かせつつ 帰りけり               峰月

2016.09.01 京鹿子 9 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



鮎自慢 川の自慢は 里自慢                 峰月

鈴鹿 仁 選 佳作 塩貝 朱千 選 佳作 

落鮎の 貌端正に 焼き上がる                峰月

鈴鹿 呂仁 選 佳作

鮎掛けの 等間隔の 遠さかな                峰月


2016.08.29 京鹿子 北桑田支部 鮎句会 俳句大会


秋めくや 禰宜の沓音 整へり                  峰月

                  鈴鹿 仁 佳作 鈴鹿呂仁 特選
評 神域に入ると厳粛な気持ちになるが、禰宜の沓音に秋を感じるのは下語の
「整へり」 が充分に言い表している。

落鮎の 帰依を急かせる 流れかな               峰月
評 落鮎とは産卵をするために急流を下がってくる。作者はその急流を下る鮎
に神仏にすがる想いで無事を願っている。
                              鈴鹿 仁 特選

秋めくや 落款を彫る音 小さき音               峰月

                           吉村紀代子 佳作

2016.08.07 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



大花火 消えて真闇の 新しき                   峰月

真青なる 竹差し積みて 鉾巡行                峰月

飛ぶ虫の 藤の帳の 中にゐて                  峰月

もう直ぐ空く 鉢に茄子苗 植ゑやうか             峰月

2016.08.01 京鹿子 8 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



癌告知 目前黙の 大夏野                     峰月

                         大谷 茂樹 佳作 1 票

釣鐘草 釈迦半眼の 内にゐる                峰月

   鈴鹿呂仁 佳作 1 票

2016.07.03 京鹿子 本部例会 主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



日曜は 新しき土 花の種                      峰月

菜の花の 背に酒蔵 鬼平過ぐ                 峰月

靴鞄 気持新たに 入学す                     峰月

一年生 友達百人 出来るかな                  峰月

2016.07.01 京鹿子 7 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



下駄箱の 深さある闇 黴雨かな                 峰月

                         吉田 星子 佳作 1 票

手渡しの 郵便束の 梅雨湿り                  峰月

     小旗 みさき  井上 菜摘子  鈴鹿 仁 佳作 3 票

小満や 嬰は光を 握りたる                  峰月

 山中志津子 小旗みさき 榊原 あけぼの  鈴鹿呂仁 佳作
松井 太一 特選 5 票

2016.06.05 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



金溜めて いづれは我が家 なめくぢり              峰月

宥めつつ 使ふ手足や 茄子の花               峰月

駄菓子屋の 奥処西日に 晒しけり              峰月

細綱に シャツ三枚の 夏の庭                  峰月

2016.06.01 京鹿子 6 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



烏賊売り女 輪島訛の 追い縋る               峰月

           安田 呉遊 選 佳作 佐藤 千恵 選 佳作

2016.05.09 京鹿子 能登半島 吟行 ホテル 海望 にて
                      白米千枚田  輪島 朝市



茶屋街を 鉤に曲がりて 鉢の藤               峰月

                          石井 一石 選 佳作

荒縄の 呪縛を忘じ 松の芯                  峰月

児玉 有希 選 佳作 石井 一石 選 佳作 大谷 茂樹 選

 佳作 亀井 福恵 選 佳作 神田 美智留 選 佳作

           佐藤 千恵 選 佳作 鈴鹿 呂仁 選 特選

曲水を 柔らかく堰き 杜若                   峰月

高堀 煌子 選 佳作 上野 紫水 選 佳作 伊藤 希眸 選
 佳作

杉玉に 頭を垂れて 新酒試飲                峰月

                         高堀 煌子 選 佳作

主様と 呼ばれ茶屋街 夕若葉                峰月

           鈴鹿 呂仁 選 佳作 佐藤 千恵 選 佳作

2016.05.08 京鹿子 能登半島 吟行 兼六園 東茶屋街にて



食べこぼす 事多過ぎて 烏賊さうめん              峰月

妻留守の 黒蜜派なる ところてん               峰月

高原の 夏鶯や 霧鐘塔                      峰月

香水の 仄かに残る 身のをのこ                峰月

2016.05.01 京鹿子 5 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選




夏めくや 陶の庭椅子 濡れてをり                峰月

                辻本 俊子 和田 照海  佳作 2 票

乳母車 足出す嬰や 夏めけり                 峰月

 樫山 陽子 森本 虹泉 小塙 真理  鈴鹿呂仁 鈴鹿 仁
 佳作 5 票

2016.05.01 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選 互選



身の程の 広葉に座せり 雨蛙                  峰月

  北田 せい子  橋本道代  蔵田 愛子  加藤 翅英
   本郷 公子 佳作  5 票

滴りの 洞に石仏 鹿ケ谷                    峰月

  池田 十満里 選 鈴鹿 呂仁 選 佳作 2 票

昨夜の雨 宿して若葉楓かな                  峰月

            鈴鹿 呂仁 選 佳作 鈴鹿 仁 選 佳作
         田中公子 佳作 北田 せい子 選 佳作 4  票

2016.04.24 南禅寺 永観堂 吟行 主宰 鈴鹿呂仁 選 互選



蛍烏賊 目玉家訓に 残しけり                  峰月

                         大谷 茂樹 佳作 1 票

花の冷え 帰郷の近き 能登杜氏                峰月

                          大谷 茂樹 佳作 1 票

膝枕して 半畳で足る 花見かな               峰月

                         荻野千枝 佳作 1 票

2016.04.03 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選



遺影向く 方へ娘の 雛飾る                     峰月

なだらかな 雑木山より 木の芽吹く              峰月

臥す孫に 蝌蚪を見舞ひと 携へる               峰月

雛飾り 出でし諸々の 段の下                  峰月

2016.04.01 京鹿子 4 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選



立つものの 影尖らせて 寒満月               峰月

鈴鹿 呂仁 主宰 塩貝 朱千 副主宰 柿迫清子 磯部 時
枝 江村 静乃 井上 奈津子 四辻 進 平井 操 高橋 美
恵子 特選

小島 須磨子 片山 照子 鷺山 珀眉 村田 あを衣 大東 
道子 牧 冨美子 磯部 恵美子 本郷 公子 荒田 義枝
田中 兼浄 佳作 合計 28 点  最高点 副賞授受

枯木山 空也口より 仏吐く                   峰月

    井上 とし子 選 特選 村田あを衣 選 佳作  3 点

初歌舞伎 跳ねて六方 踏みてみむ             峰月

               鈴鹿 仁 名誉主宰 選 佳作  1 点

2015.12. 25 京鹿子 北桑田支部 牡丹鍋 俳句大会


たまきはる いのちの祀り 恋の猫               峰月

                        樋口 やよい 佳作 1 票

春雪に 己の座標 調える                     峰月

               神崎 ひでこ 村田 あを衣  佳作 2 票

危ふきを 作る積木や 春の雪                 峰月

                      鈴鹿 仁 名誉主宰 佳作

2016.03.06 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


苜蓿 編みて名を変ふ 花冠                    峰月

座禅草 羅漢姿勢を 正しけり                  峰月

蜷の道 模糊とさせたき 過去のあり              峰月

古書店の 筋のひかりに 春の塵                峰月

2016.03.02 京鹿子 3 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選


露座仏の 螺髪に懸る 枯葉かな                 峰月

銀杏散る 喝采を受く 鳴り止まず               峰月

宮守に 風の境内 枯葉掃く                   峰月

針の降る 落葉松林 針降れり                 峰月

2016.02.01 京鹿子 2 月号 巻頭句 主宰 鈴鹿 呂仁 選


眼前に 脱ぐ若き肌 今年竹                  峰月

大枯野 行き戻りして 山頭火                 峰月

羊雲 羊果てより 地に降りぬ                 峰月

   京鹿子 募集大作 山頭火   北村峰月 作


踏青や 小高きところ 西寺跡                  峰月

  田中公子 佳作 1 票

白梅に 逢うて忘れし 合言葉                  峰月

  本郷 公子 坂下 徹  江連 彰子  井尻妙子 佳作  4 票

羅城門 座標軸とし 京の春                   峰月

  武藤 ともお 佳作 1 票

春浅し 石碑ひとつの 羅城門                 峰月

              鈴鹿 呂仁  鈴鹿 仁 選 佳作 2 票

2016.02.28  京鹿子 京都テルサ 吟行  鈴鹿 呂仁 選 互選


堂寒し ひとの御経に 唱和せり                峰月

  北川 孝子 橋本道代  佳作 2 票

悴める 手を門前の きしめん屋                峰月

                  松井太乙  井尻妙子 佳作 2 票

紙懐炉 二つ貼り足し 堂にゐる                峰月

  松井太乙 佳作 1 票

思い出の 悴める手に あはむとぞ             峰月

   武藤 ともお 選  1 票

経浄土 障子明りに 阿弥陀仏                峰月

                       北田 せい子 選  1 票

2016.01.24   京鹿子  誓願寺 吟行  鈴鹿 呂仁 選  互選


乗り合はす 紫紺の袴 弓始め                 峰月

                西村 滋子 杉山はつ江  佳作 2 票

初日かな 白砂の影は あざむかず              峰月

   藤田 弘華 村田 あを衣 鷺山 珀眉 山中 志津子 選

      鈴鹿 呂仁 新主宰 選 特選 5 票
            評 新春の光が白砂に輝いている。 あざむかず がいい。

2016.01.10 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選 


羊雲 覆ひ足らざる 阿蘇五岳                   峰月

曳き売りの 束に揺るるや 加茂の萩             峰月

佐保川渡り 竜田の秋の 御寺かな              峰月

軒深き 湖族の母屋 秋燕                    峰月

2015.12.29 京鹿子 1 月号 巻頭句 新主宰 鈴鹿 呂仁 選


毘沙門に 娑婆訶唱ふ 冬の堂                峰月

                       村田 あを衣 佳作 1 票

冬ざるる 墓地に一基の 新しき                 峰月

      鈴鹿 仁 選 大谷 茂樹  村田 あを衣 佳作 3 票

歌碑までの ははそ落葉の 音と行く             峰月

  吉田 星子 選 鈴鹿 仁 選  鈴鹿 呂仁 選 特選 2 票
                       

2015.12.27 京鹿子 歳晩吟行 野風呂会館 鈴鹿 呂仁 選  
                                    互選


福耳の 仲人として マスクかな                峰月

                     佳作 小塙 真理 選 1 票

燈台の 沖掃く光芒 雪催                    峰月

      佳作 鈴鹿 呂仁 選 佳作 小塙 真理 選 2 票

2015.12.06 京鹿子 本部 例会  鈴鹿 呂仁 選  互選


鬼薊 蹴るも刈るにも 痛きもの                  峰月

酒持ちて 小舟の人や 良夜なり                峰月

追ひ抜かす 事などなけれ 走馬燈              峰月

お岩木は 神の山なり 初林檎                 峰月

2015.12.01 京鹿子 12 月号 巻頭句 新主宰 鈴鹿 呂仁 選


減らず口 叩き鮟鱇 吊られけり                峰月

          西村 滋子 選 入選 荒尾 かのこ 選 入選
  京鹿子祭 当日句

脱ぎっぱなし 干しっぱなしの 蛇の衣            峰月

  藤本 純子 選 佳作 東 珠生 選 佳作 2点

竜宮も 月の都も われ未踏                  峰月

  東 珠生 選 特選 藤純子 本 選 佳作 4点

良夜かな 嵯峨野の月に 濡れにゆく            峰月

太田 克己 選 佳作 岡本 探魚 選 佳作 桑田 黎司 選
 佳作 荒尾 かのこ 選 佳作  磯部 時枝 選 佳作  鈴
鹿 仁 選 佳作 小川 悠月 選 佳作  大塚 文枝 選 
  荻野 千枝 選 佳作  直江 裕子 選 佳作  丹生 
をだまき 選 作佳 山中 志津子 選 佳作 12 票 14票で
12位

ほんたうは 水手繰り寄せ 水馬               峰月

奥田 筆子 選 佳作 伊崎 智之 選 佳作 清原 洋子 選
佳作 3票

稲光 黙の妻げに 恐ろしき                  峰月

       鳥羽 夕摩 選 佳作 奥田 筆子 選 佳作 2 票

2015.11.23 第61回 京鹿子  全国 俳句 大会


黒塀の 途切れに覗く 酔芙蓉                   峰月

手応への たうすき頭 髪洗う                   峰月

大歩危に 見上げて白し 雲の峰               峰月

真清水を 飲めば自ずと 感嘆符                峰月

2015.11.01 京鹿子 11 月号 巻頭句 新主宰 鈴鹿 呂仁 選


枯葉舟 水面に疾し 十三湖                  峰月

         吉村 紀代子  佳作 神崎 ひでこ 選 2 票

2015.11.01 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


句帳から 紅葉の散りぬ 赫きまま               峰月

              佳作  田中公子 高木晶子 選 2 票

2015.10.25 京鹿子 系露忌 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


無花果に 続く野菜や 数へ唄                 峰月

                    佳作 神崎 ひでこ 選 1 票

2015.10.04 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


遠花火 殊さら洗ふ 耳の裏                    峰月

藁座敷く 大きな尻の 西瓜かな                 峰月

夏炉焚く 火種絶えざる 合掌家                峰月

ひら仮名で 濁音で啼く 牛蛙                  峰月

2015.10.01 京鹿子 10 月号 巻頭句 新主宰 鈴鹿 呂仁 選


穴惑ひ 穴太積みなる 坊構へ                 峰月

                        鷺山 珀眉  佳作 1 票

穴惑ひ 神木巡りて のちの事                  峰月

                       伊崎 智之 他 佳作 2 票

指先に 胡弓息づく 風の盆                   峰月

               鈴鹿 呂仁 新主宰 選 特選 1 票
                        評 指先に息づくと感じたのが宜しい。

2015.09.06 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


懇ろに 宇陀の深山の 初音かな             峰月

淵蒼き 魚止の滝 苔地蔵                峰月

釣り人に 若鮎飛ぶや ひかり瀬に          峰月

鮎矢飛ぶ 堰はすだれに 水落とす          峰月

2015.09.01  京鹿子  9 月号  巻頭句  豊田 都峰 選


竹の春 揺れて息づく 嵯峨回廊           峰月

                     江連 彰子 選 佳作 1 票

斎宮の 黒木鳥居や 萩の揺れ            峰月
                     吉岡 悦女 選 佳作 1 票

処暑嵯峨野 羅漢の我慢 弛び顔           峰月
                     蔵野 愛子 選 佳作 1 票

手向けたる 遊女の墓に 処暑の水          峰月
             新主宰 鈴鹿 呂仁 選 選 佳作 1 票

曼珠沙華 先触れとなる 野煙かな           峰月
             新主宰 鈴鹿 呂仁 選 選 佳作 1 票

2015.08.23 京鹿子吟行 早暁句会 互選
                       新主宰 鈴鹿 呂仁 選選



神鼓鳴る それと故なく 一葉落つ              峰月

           神崎ひでこ  佳作 1 票

桐一葉 神在すがり 祠の火                峰月

                        神崎ひでこ  佳作 1 票

立秋や 薄荷の残る ドロップ罐              峰月

               鈴鹿 仁 名誉主宰 選  佳作 1 票

立秋や 四足四白の 競走馬                峰月

              吉田 星子  佳作 1 票

2015.08.02 京鹿子 本部例会 新主宰 鈴鹿 呂仁 選  互選


法堂の 龍の蠢く 春の闇                峰月

花に逢う 約束反故の 友のゐて           峰月

春燈の 雛の顔や 夜の奥               峰月

脱ぐ水に 声挙げさせて 鳥帰る           峰月

2015.08.01  京鹿子  8 月号  巻頭句  豊田 都峰 選


三門の 高きをつなぐ 雲の峰             峰月

鈴鹿 仁  副主宰 佳作  坂下 徹 佳作 駒沢 知子 佳作 
 武藤 賢市 佳作 吉田 星子 佳作 鈴鹿 呂仁 次期主宰
特選 7 票 

ゆくりなき 訃報や晩夏の 南禅寺           峰月
                      小川 桂子   選 佳作 1 票

訃報受け 途方にくるる 晩夏かな           峰月
      駒沢 知子 佳作 池田 十満里   選 佳作 2 票

和顔施の 師にひよいと逢ふ 緑樹陰         峰月
                      北田 せい子 佳作 1 票
 
2015.07.26  京鹿子 京都市国際交流会館 吟行  互選


月見草 羽化と思へる はじめかな              峰月

          西村 滋子 佳作 豊田 都峰 選 特選  2 票

口寄せの 考の声似て 凉しかり                峰月

吉村 紀代子 大谷 茂樹  佳作 豊田  都峰  選 佳作 3 票

堂凉し 救ひに痩せし 弥勒仏                 峰月

       豊田  都峰  選 佳作  藤田 弘華  選 佳作 2 票

凉しさや 水輪に水輪 足す水面                峰月

  吉田 星子  佳作 西村 滋子 佳作 2 票

2015.07.05  京鹿子  本部例会  豊田 都峰 選  互選



正信偈 誦すれば本山 芽の柳              峰月

春灯や 仏彫る人 みな仏師               峰月

鈴の鳴る 人の置竿 揚雲雀               峰月

春灯下 卓に映るも また春灯              峰月

2015.07.01  京鹿子  7 月号  巻頭句  豊田 都峰 選


降る照ると 梅雨曼荼羅の 元離宮        峰月
                     田嶋 幸華 選 佳作 1 票

桜井の 別れいまごろ 青葉風           峰月
          武藤 ともお 選 小川 桂子 選 佳作 2 票

車座に 宮守茅の輪を 組めるかな        峰月
                     伊崎 智之 選 佳作 1 票
2015.06.28 京鹿子吟行 大山崎元離宮 互選 豊田 都峰 選


賜りぬ 麦藁帽子に 畑のもの             峰月

       豊田  都峰   佳作 大谷 茂樹 選 佳作 2 票

太陽を 載せて歩くや 夏帽子             峰月

                   門馬 章子    佳作 1票

2015.06.07  京鹿子  本部例会句会  豊田 都峰 選  互選


揚雲雀 右翼守りて 見上げり              峰月

水舟の 濡れて溢るる 春の水             峰月

皇子の墓 平群の里の 初雲雀            峰月

雲雀野の 真中を曲る 筑後川             峰月

2015.06.01  京鹿子  6 月号  巻頭句  豊田 都峰 選



草笛の 鳴らねば草に 戻しけり            峰月

井上菜摘子 佳作 藤田 弘華 佳作  杉山はつ江 佳作
辻 未央  佳作 鷺山 珀眉  佳作  井尻妙子 佳作
西村 滋子 佳作 豊田   都峰  選 佳作 8 票 最高 得票

草笛の 青き匂ひや 千曲川               峰月
      伊崎 智之 佳作 豊田   都峰  選 佳作 2 票

老舗なる 和薬屋の軒 長命縷             峰月
                鈴鹿 呂仁   選 佳作 1 票

草笛を 遠き目をして 長く吹く              峰月
小山 和男 佳作 伊崎 智之 佳作 鈴鹿 呂仁  佳作
  3 票

2015.05.03  京鹿子  本部例会  豊田 都峰 選  互選


翁堂 時雨るる魚鼓の 打ちくぼみ          峰月

霜柱踏む 数多なる 鍵の鈴             峰月

那須野来て 殺生石の 時雨かな          峰月

股覗き 松の雪落つ 逆しまに             峰月

2015.05.01  京鹿子  5 月号  巻頭句  豊田 都峰 選



若草や 恭仁京礎石 ばかりなる           峰月

豊田  都峰   特選 大谷 茂樹 選 吉田星子 選佳作 3 票


若草を 跳び若草の 彼岸かな             峰月

                   豊田   都峰   佳作 1票

若草や ダックスフンドの 腹擦りぬ           峰月

         倉野 愛子 選  榊原あけぼの   選 佳作 2 票

2015.04.05  京鹿子  本部例会句会  豊田 都峰 選  互選


元旦に 宝籤をば 当てる計             峰月

凍雲の 下に黒松 動かざる            峰月

竜の玉 摘みて空に 弾きけり           峰月

梅酒瓶に 梅の溺れる 十二月           峰月

2015.04.01  京鹿子  4 月号  巻頭句  豊田 都峰 選


芽柳の 扇びらきに 辰巳橋               峰月
                   豊田 都峰  特選 1 票

         成瀬 勝之 松本 鷹根 選 佳作 3 票

一銭洋食の いま六百円 あたたかし         峰月

  北川 孝子 吉村 紀代子  選 佳作 2 票

木楽忌や 祇園のことを 問うてみむ          峰月

駒沢 知子  鈴鹿 仁  武藤 ともを  選 佳作 3 票

充電は 胸に満たせる 春の風             峰月

       吉岡 知香 杉井 真由美  選 佳作  2 票

2015.03.22 東山 いきいき市民活動センター 吟行
                         豊田 都峰 選 互選


初蝶や 嬰の口元 乳溢ふる         峰月
         小塙 真理  西村 滋子 選 佳作 2 票

磯遊 母の笑顔を 股覗き           峰月
      小塙 真理  豊田   都峰  選 佳作 2 票

初蝶を 鏡の奥に 捕まへる          峰月
               山中 志津子   選 佳作 1 票

初蝶の 羅漢の背丈 親しめり         峰月
               森本 虹泉   選 佳作 1 票

2015.03.01  京鹿子  本部例会  豊田 都峰 選  互選


寄席余韻 長屋に帰る 懐手           峰月

冬更衣 去年の服を 着る安堵         峰月

焚火して 畑の日暮れを 永らへる       峰月

寒入りの さざなみの湖 浮御堂         峰月

2015.03.01 京鹿子 3 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


春遅々と 山折り谷折り 違へけり          峰月
                佐々木 通子 選 佳作 1票

料峭や 石は座として 濡れてをり          峰月
松井 太乙 北村 梢 井尻 妙子 鷺山 珀眉          
                          選 佳作 4 票

冴返る 羅漢に鼓動 彼方此方に           峰月
江連 彰子 岡 温子  永田 明亭  武藤 ともを        
                  選 佳作 4 票

冴返る 羅漢それぞれ そっぽ向く          峰月
           林 達男  伊崎 智之 選 佳作  2 票

2015.02.22 嵯峨野コミニティー吟行
                   豊田 都峰 選 互選


風花を こぼせし天の 穴探す         峰月

            特選 二名 佳作 二名 6点

2014.08.30 北桑田支部 鮎句会 美山 沈川楼


測量の 三脚尖る 犬ふぐり           峰月
     松井太乙 杉山はつ江 選 佳作 2 票

鍬の背に 土をほぐすや 浅き春        峰月
     吉村 紀代子  選 佳作 1 票

2015.02.01 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


鵙高音 絹引き裂きて 布草履          峰月

山際に 増ゆる捨て畑 鵙日和         峰月
                       太文字 秀作
鵙の晴 抱えるほどの 奥の宮         峰月

鵙猛る 山峡の奥 滝不動            峰月

2015.02.01 京鹿子 2 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


七味屋に 冬日集めて 堂暗し         峰月
                 辻本 俊子  選 佳作

2015.01.25 清水寺きよみず花京吟行
                   豊田 都峰 選 互選


土器の 秋風に乗る 竹生島           峰月

城山に 登れば秋風 欲しいまま        峰月

佐渡島に 大佐度小佐渡 秋の風       峰月

秋風や さびしらにある 一夜城         峰月

2015.01.01 京鹿子 1 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


御影堂の 百畳隈無く 冷えにけり       峰月
  吉村 紀代子 選 佳作  1 票

悴むや 薄日化粧の 阿弥陀仏        峰月
          高木 道代 加藤 翅英 選 佳作  2 票

御影堂に 座礼一斉 白障子          峰月
          松本 鷹根 豊田 都峰 選 佳作  2 票

2014.12.28 歳晩吟行 野風呂会館 豊田 都峰 選


着水の白鳥 風を抱へけり            峰月

  森本 虹泉 井上菜摘子 
  豊田 都峰 選 佳作 3 票

2014.11.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


井月の 漂泊まねて 秋の蝶           峰月

新走り 座薬と共に 冷やされて         峰月

いもうとの 鉛筆噛む癖 木の実独楽     峰月

鹿啼くや 茶粥の値段 見直せり        峰月

2014.12.02 京鹿子 12月号 巻頭句 豊田 都峰 選



冬灯の 幾つ重なる 弥勒影          峰月
                北田 せい子 選 佳作 1 票

咳込めば 弥勒の一つ 咳をする       峰月
     横山 由紀子 神田 美千留 北川 孝子
     高堀 洋子 内海 時唯 選 5票 佳作

2014.11.24 第59回 京鹿子祭俳句大会 後日祭


待針の 一本足りぬ 夜長かな         峰月
鈴鹿 仁 西岡 残照 吉田 星子 東 珠生  井上 代志子
 片山 熙子 門馬 貴美子 柴田 朱美 竹内 久子 藤田 
弘華 渡辺 朱鴦 佳作 11 票 金子 野生 入選 1票 合計 13
点 惜しい。

良夜かな 初孫孕む ひととゐる        峰月
 太田 克己 大谷 茂樹 岡本 探魚 佳作 3 票

穂芒の 御出でおいでに 深入りす      峰月
  小川 悠月 塩見 かず子 佳作 2 票

有る命 車座に置き 門火焚く         峰月
        小畑 翠光  清原 洋子 佳作 2 票

文楽の よよと嘘泣き 初時雨         峰月
         木戸 渥子 岡本 一路 佳作 2 票

夜爪切る 身の吉凶 垂り雪          峰月
  安田 優歌 佳作 1 票

晴れ渡り 越後上布の 雪晒          峰月
伊崎 智之 大谷 茂樹 岡本 探魚 吉田 星子
  中尾 朱帆 佳作 5 票

鮭打ちの 腕は鮭打つ 棒となり        峰月
禰寝 瓶史 荒尾 かのこ  直江 裕子 佳作 3 票

2014.11.23 第59回 京鹿子祭 全国俳句大会


水面みな 弥陀の西日や 利根川原      峰月

風車村 風の死したる 十三時          峰月

湯巡りの 同じ浴衣を 親しめり        峰月

驟雨過ぐ 夏に仏縁 浅からず         峰月

2014.11.02 京鹿子 11月号 巻頭句 豊田 都峰 選



花柊 詣づ御寺に 髭題目            峰月
          吉田 星子 選 佳作 1 票

時雨るるや 十善戒の 罪いくつ        峰月
             鈴鹿 仁 選 佳作 1 票

魚鼓打てば 音の濡れたる 軒時雨      峰月

     吉村 紀代子 鈴鹿 呂仁  山中 志津子
    鈴鹿 仁  選 佳作 4 票

2014.11.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


山国の 勤皇いまだ 時代祭          峰月
           豊田 都峰 選 佳作 1 票

白桃や 失恋にある 方程式           峰月
  永田 明亭 山中 志津子 選 佳作 2 票

桃吹くや 棉の不思議を 目の当たり      峰月
              樫山 洋子   選 佳作 1 票

2014.10.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選

貝風鈴 濁音多き 風を寄す           峰月

銘のなき 破墨山水 夏座敷           峰月

箱庭に 釣り師の考と 絹糸草         峰月

 梅雨濁る 山紫水明 山陽庵         峰月

2014.10.01 京鹿子 10月号 巻頭句 豊田 都峰 選


銘のなき 破墨山水 白露かな         峰月

    門馬 章子 吉岡 知香 山中 志津子 選
  佳作 3 票

2014.09.07 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


エッセイ 掲載  「父の事」  その 3  北村峰月

2014.08.30 京鹿子 9 月号

父は植物博士だったかと思うことがある。それは貧しきゆえに
博学であったのか。
少年は食べられるものなら何でも食べた。虎杖や酸葉、野苺、
木苺、郁子、通草、山ぶどう、桑の実などは誰でも食べた事が
あると思う。青臭いだけのものであるが、茅花の若芽も食べ
た。ぶどうの若蔓、犬槙の実、野ばらの新芽、すべりひゆ、麦
のガム、ピンクの花のかたばみの花枝、岩梨の実、ぐみ、「さ
つきの耳だれ」は蜂の一種が葉に卵を産み葉が変質したもの
も食べられた。少し酸っぱくてコリコリとして、たいして美味でも
なかった。
笹の若芽もすぽっと抜いて柔らかなところを食べた。パンダは
あの硬い竹茎まで食べるとはすごい。同年代の仲間の子供に
特異な事をして見せて得意がっていただけかもしれぬ。特別お
腹が減っていた訳ではない。飢えていた訳でもなかった。多
分、誰の目から見ても私は変な子だったのだろう。「伊三さん
の直ちゃんは何でも食べる・・・・。」と噂されていただろう。父は
伊三郎、私は直三が本名である。京都に転校してからも春、
夏、冬休みになればすぐに父の田舎に行き、休みの最終日に
京都に戻ってきた。同世代の従兄弟が十人ほどいた。今から
思えば、これこそ実は口減らしではなかったのだろうか。当然
料理をしてもらったのだろうけど、山芋のむかご、のびる、百合
根、春はつくし、たらの芽、ぜんまい、こごみ、わらび、まがり
竹、破竹、たけのこは自然の恵みであった。

春は這ひ 芽吹くを食す 昭和かな      峰月

夏は縞西瓜、虎真桑、黄真桑、菊真桑、トマト、胡瓜はなぜか
畦に生えていた。近くに愛知川、遠くは琵琶湖の乙女浜、新海
の水泳場へ泳ぎに行った。トマトは手でこすり、スボンの尻で
拭い、清潔にしてから食べた。

炎暑かな 屈めば盗れる 畑のもの      峰月

乾いた喉と空いた腹を満たしたのは手近かなものであった。愛
知川に近い「だいじょうご」と「ちりんさん」「新池」と言う湧き池
には行くことが許されなかった。河童が住んで、深くて、冷たく
て・・・・・。愛知川には「うろり」と言うゴリの小さな魚が上流をめ
ざして黒い筋になり上がって行った。鮎は立っているだけで足
の指に入ってきたり、蛇籠の洞に手を入れると何匹でも捕まえ
られた。秋は柴栗や柿がたわわに生って待っていた。胡桃は
地に落ち,椎の実はポケットに満ち、どんぐりは「どもり」になる
からと食べ忌みした。サツマイモは畦から顔を出し、ナンバは
生で食べた甘さは忘れられない。郁子、通草は梢に近く実って
いて子供には遠い獲物であった。
背伸びしても 取れぬ実りの 秋の山     峰月

田舎に着くと手頃な棒切れを持ち撓らせて道の両側に生えて
いる菜の花の頭、青草を切り拓くといういたずら坊主だった。タ
バコの葉を切ったときはすごく叱られた。一本に何枚の葉が出
ているかを既に数えてあると言うほど貴重な専売品だった。京
都からの疎開の間に借家で私と妹が生まれた。その大家さん
の庭に十数メートルの高さとふた抱えほどの肉桂の大樹があ
った。少しずつ根を掘り起こして食べていたらなぜかその木が
枯れてしまった。
切り倒されて、割り木にされても肉桂のいい匂いがしていた。
元来丈夫な樹でもなかったのか。肉桂は駄菓子屋でも五、六
本を束にして売っていた。なぜお金を払はなくてはいけなかっ
たのかな。思い出した。醤油屋の裏の小川で大きな鯉を見つ
け、小さな網と手掴みでやっと捕まえた鯉を隣村の身体の大き
な子に横取りされた事があった。身体の弱い病気のお母さん
に鯉の身や生き血を飲ませなければいけなかった事はなかっ
たと思うけど、私は泣きながら帰った。
秋は落ち鮎という錆色の鮎を子供でも網で捕まえられた。父は
毛鉤を手作りにして鮎を釣った。「どぶ釣り」は深場で鈎針を一
杯付け、何度も何度も竿を上げたり、降ろしたりして。「ころがし
釣り」は長い竿で針をたくさんつけ錘で瀬の底辺りを引きづり
鮎を引っ掛ける。モロコは一匹ずつ釣るよりも「阿保待ち」とい
う技法。川藻の切れ目辺りの流れで、透き通った長い網で待ち
うけ、「トン」とモロコが入ってくるのを待ち掬うのである。これも
父に教えて貰った。
枯葦に 釣りの座考と 分けゐたり       峰月

私は前妻に実の息子、娘を置いてきてしまったので、もうこれ
らの秘術をわが二世に伝える事はできないのかもしれない。
父母と早世した娘のいる墓は私が入った後、結局絶えてしまう
のだろう。

季吟まで 辿る家系図 吾亦紅         峰月



マリア像白し 棘ある薔薇の咲く         峰月
                       太文字 秀作
葛切りや 床几の余白に 腰掛くる       峰月

青嵐 径は羊腸 鞍馬山             峰月

風の問ふ 木香薔薇の  門構へ        峰月

2014.08.30 京鹿子 9 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


かりそめの こゑにせぬこひ ゆうかなかな 峰月

湯浅 文子 選 佳作 片山照子 選 佳作
中野 恵 選 佳作 牧 富美子 選 佳作
              宮本 幸子 選 特選 6点

2014.08.30 京鹿子北桑田支部 鮎句会 当日投句

神域の 夜空を借りし 大花火         峰月

吉田 星子 選 佳作 中島 好江 選 佳作
湯浅 文子 選 佳作 村田 あを衣 選 佳作
              宮本 幸子 選 特選 6点

2014.08.30 北桑田支部 鮎句会 美山 沈川楼


流燈の 速さや何を 急がせる         峰月
           西村 滋子 選 佳作 1 票

子の流燈 目に追いつつも 見失ふ      峰月
              辻本 俊子 選 佳作 1票

小流れを 堰きて西瓜を 待たせけり      峰月
     伊崎 智之 吉村 紀代子  選 佳作 2 票

2014.08.03 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


花楓 雌蕊をしべの 整ひて           峰月

鳥帰る 誘導路とする えりひとつ        峰月

春の月 鯨尺にて 指し直す          峰月

カラメルの 中に春光 閉ぢ込める       峰月

2014.08.01 京鹿子 8 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


夏旺ん 宇治は京都の ふくらはぎ      峰月
              松本 鷹根 選 佳作  1 票

夏景色 宇治十帖を ひらひ読み        峰月
  橋本 峯治 選 佳作 1 票

2014.07.27 京鹿子  宇治 ゆめりあ 吟行
                   豊田 都峰 選 互選


夏座敷 寝転べば見る 遺影三つ       峰月
           荻野千枝 選 佳作 1 票

前略も かしこもなくて 落し文         峰月

森本 虹泉 選 門馬 章子 選 辻 未央 選
 松井太乙 選 都峰 選 佳作 5 票 二位高得点

落し文 バーディパットの ライン上       峰月
        林 達男  選 佳作 1 票

2014.07.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

空と天 境確かめ 雲雀どち           峰月

菜の花を 二輌列車の 分けゆけり       峰月

絶叫に 始む番組 春炬燵           峰月

乾坤の 蠢きはじむ 春の草          峰月

2014.07.01 京鹿子 7 月号 巻頭句 豊田 都峰 選







            読売新聞社賞










行幸の 木戸邸訪ふや 夏椿          峰月
    吉岡 知香 選 佳作  都峰 選 佳作 2 票

夏草や 大文字の撥ね 不明瞭         峰月
  吉田 星子 選 佳作 1 票

2014.06.22 京鹿子 木戸孝允邸 吟行
                   豊田 都峰 選 互選



エッセイ 掲載  「父の事」  そのU  北村峰月

肩車の ベレーでありぬ 冬帽子        峰月

あの日は確か象を見ていた。大人が塞ぐ壁の後ろから見えな
い象を見ていたのだ。 ふいに父の姿が見えなくなったのかと
思うと、鼻を振り上げる象が視野にあった。つまり父の肩車の
私は世界で何番目かの背高人でいた。 その頭には冬帽子。
こげ茶色のベレー帽を被っていた。そう手塚治虫の被ってい
た、あたかも芸術家のような、お坊ちゃまのような。そうです、
「ぼんよ」「ぼんよ」と育てられました。あの貧乏ながらのお坊ち
ゃまのような。「笑えよ ! 」。姉二人妹一人の男子一人の長男
に生まれ大事に育てられました。父とはよく魚釣りに行き、そ
の道すがらの草の名、花の名、木の名、魚の名を教えられ、そ
れが今に俳句の土台になっているのやも。父は九人兄弟の次
男として尋常小学校を出ると直ぐに京都烏丸仏光寺の塚喜さ
んへ方向に上がり、二十五年勤めて別家として独立。京都で
所帯を持ち姉二人は京都仏光寺新町で生まれ、昭和十九年
戦争の影が濃く近寄って来て郷里の能登川町神郷に一家で
疎開。能登川には日清紡があり、機銃掃射があったそうだ。京
都は昭和二十年馬町、西陣、御所、右京区春日、太秦などに
空襲があり、死者三百二人、重軽傷者五百六十一人に及ぶ空
襲が二十回あった。そして京都は原爆投下予定地ながら投下
予定当日が悪天候により中止させられたそうだ。偶然に助かっ
たようで、広島、長崎にならなかったと言う次第なのだ。そして
父も私の生まれる前に亡くならずに済んだという訳なのだ。考
えると恐ろしいことだ。京都は原爆投下の第一候補であったの
で空襲が無駄になるという事で少なかった背景が。良く言われ
る京都は文化財が多いので空襲もなかったことは間違ってい
るようです。

折鶴の すべて鋭角 原爆忌          峰月

父は肥桶を担いで行ける近さに畑を借り、食べるだけの野菜
を作り、京都に店を持ち、通いで京染呉服悉皆業をしていた。

春耕や 喰うだけの畑 考の影         峰月

私は父の悉皆業を継ぐつもりでいたのだが、儲からないから
止めろと言われた。父はそんな儲からない商売を死ぬまで続
けていた。

八重葎 考に勲章 与えたし          峰月

私の中学三年の時友人五人で琵琶湖一周のサイクリングに
行く事になった。サイクリング車なんてなかった。普通の実用
車で行くつもりだった。今回はグローブの時とは違い、ねだった
のではなく、急に父とサイクリング車を買いに行くことになっ
た。シルバー基調のブルートーンのピカピカであった。ダブル
フロントライト、三段切り替え。父は無理をしたのだろうな。友
達が乗っている自転車を見ていたので、我が子が哀れに思え
たのか、生活は小学校の時代よりは少しの楽になっていたの
だろうが・・・・。湖西側から友達の故郷の今津と私の伯父の能
登川に一泊ずつしての琵琶湖一周。この時のメンバーが最近
再会して話をすると、石田川で鮎つかみをした事。発熱のため
もう一泊余分にした。一周してからの帰路、逢坂山の下り、走
井餅の近くの陸橋の出っ張りで事故発生。それもその事故は
三人がともに自分自身が起こしたというののも不思議といえば
不思議な思い出。記憶というものの危うさを顧みさせられまし
た。

会社に入って三年目、市民検診で肺浸潤と判明。一年半の入
院生活のその間ほとんど毎日来てくれたのは父であった。卵と
肉と果物と当時は贅沢品を届けてくれた。そしてもう一人毎日
来てくれたのは今の妻です。しかし彼女の両親の反対、肺病
病みとはつき合わさないという当時の風潮や私自身の社会復
帰の不安もあり一旦別れさせられた人です。私が五十二歳の
折、長女を十八歳半という若さで肝臓癌で亡くした事情があ
り、前の妻と離婚した。その後半年ほどしてからあの別れた彼
女が会社に娘さんの浴衣を買いに来てくれて再会した。あれ
から三十年の風雪を経ていた。先方も旦那さんを交通事故で
亡くして一周忌を終えていて、それからのお付き合いで結婚、
今に至っている。父は平成元年六月二十二日に亡くなってい
る。私の娘の病気も死も離婚も運命の彼女との結婚も知らず
に。

畑端に 考刈り残す すみれ花         峰月

優しい父であった。





花ミモザ 曖昧模糊の 小暗がり        峰月

可惜しき 逢魔時なる 花ミモザ         峰月

春の池 朱の反り橋の 朱を渡る       峰月

五位鷺の 春雪耐ふる しづごころ      峰月

2014.06.01 京鹿子 6 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


河骨の ぬつと突き出て 仏座す       峰月
           大谷 茂樹 選 佳作 1 票

河骨や 仏燈ほどの 水明り          峰月
吉田星子 選 鈴鹿呂仁 選  西村 滋子 選         
          都峰 選 佳作 4 票

郭公の 谺を統べり 峡一村           峰月
  辻本 俊子  選 佳作 1 票

2014.06.01 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


天守閣 湖に浮きたる 蜃気楼         峰月
    坂下 徹 選  吉岡 友香  選 2 票

春の鳰 正と負のある 水平線          峰月
            小稲 サブロー  選 1 票


鉤の手の 鬼門に販ぐ 蓬餅          峰月
   松本鷹根 選  杉山はつ江  選 2 票

春の鳰 潜るを鼓動に 数へけり         峰月
            神崎 ひでこ  選 1 票

2014.04.27 膳所城生涯吟行 豊田 都峰 選 互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

温めて 若水をもて 顔洗ふ           峰月

年暮るる 品勘定の 呉服商           峰月

神仏を 交互に参る 初詣            峰月

初詣 お伊勢百里の 遥拝所          峰月

2014.04.27 京鹿子 5 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


二輪草 逢はずに慣るる 恋であり      峰月
     和男 選 あけぼの 選 佳作 2 票

風裏に さぶしからめと 二輪草        峰月
          都峰 選 佳作 1 票

神妙に 指切りをして 鳥交る          峰月
  孝子 選 佳作 1 票

2014.04.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選




エッセイ 掲載   「父の事」       北村峰月

父がふいに弘法さんへ行こうかと言う。終い弘法でもなく、初
弘法でも無い。何回か ねだった グローブを見に行く為であ
る。境内の商いの列を何列も廻った。手に取ったグローブは新
品同様であった。値もそれなりであったろう。父は次の店に行
きかけていた。あわてて父にはぐれないように付いて行く。何
度かそれを繰り返したのか。肩を落とした父の背中が夕日の
中にあった。それから私は決してグローブを欲しいとは言わな
くなった。
ただ欲しくはなくなったのだ。

秋夕焼  グローブ無い子  球拾ひ      峰月

  ある夜五百円札を握り締め、冷たい一升瓶を抱くようにか
かえて近くの酒屋へ量り売りのいつものお酒を買いに行く。路
地の家から出て六条繁栄会へのたった半町ほどのところであ
る。今はよく知っている「風花が舞う夜のこと」である。店先の
床机の上に一升瓶を立て置いて、おっちゃんに「いつもの奴、
半分だけ」 と言う言葉を飲み込んだ。握っていたはずの五百
円札が無い。二回三回いま来た道を繰り返し歩いた。今は無
いチンチン電車が三度四度寒い窓から透明の光を引きずって
通って行った。帰れない一升瓶は酒屋に置いたまま。目を凝ら
し路面を撫でる。紙片の散るのを見ると風より早く追いつい
た。群青色の岩倉具視に会えたらどんなにか嬉しかったと思
う。父が道端にうずくまる私の手を取ってかかえ起こしてくれ
た。何も言わず何も問わなかった。家には青いインクの判のつ
いた肉のこま切れが入ったコロッケが丸い卓袱台の上で待っ
ていた。六人の頭を一つの傘電球の下に集めて誰も何も言わ
ずに食べた。

風花の 転べる路面 硬たかりし        峰月

  向島の一口の方へ父と魚釣りに行くとよく釣れた。友達と自
転車で竹田街道を下がって行ったときは何も釣れなかった。草
津の下物村の枯葦の中に父と釣座を作り、風の留守の間に寒
鮒を釣ろうとしていた。小春日の中を何時間かして比良の嶺に
日が近ずくと急に寒くなる、その前に近江バスで時々ビタビタ
とする魚籠を中紐吊りに帰った。父はバスの客に魚籠を傾げ
るように見せた。また鮒はビタビタと跳ねた。一昨年に父の二
十三回忌を修した。
枯葦の 釣座を訪ふは 風ばかり       峰月

小春日の 考の居場所は 竿ありて      峰月



冬至湯の 蓋取るまでも 匂ひけり       峰月

絶壁の 裾白々と 濤の華            峰月

余部の 鉄橋高く 雪曇り            峰月

朮火の カップルの仲 裂きてゆく       峰月

2014.04.02 京鹿子 4 月号 巻頭句 豊田 都峰 選
             


           がらんどう

軒風鈴 外して作る がらんどう        峰月
鶏頭に 途中下車する 峠駅          峰月
鶏頭の モヒカンにして 内気癖        峰月

      募集大作  井上菜摘子 抄 選


縄電車 特急停まる 花ミモザ         峰月
都峰 選 佳作 妙子 選 達男 選 知香 選 俊子 選 5 




初東風や 鳥翳ひとつ 縛らるる        峰月
    和男 選 菜摘子 選 都峰 選 佳作 3 票

梅東風や 徒波立つる にほの湖       峰月
          都峰 選 佳作 1 票

丘の辺に 碧眼の子や 花ミモザ       峰月
            菜摘子 選  紀代子 選 2 票



2014.03.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


懐手 うかうかの間に 平成に         峰月

冬耕や 暫しの入日 見て帰る          峰月



 足元に 迅し黄葉の暮の街           峰月

花八つ手 暮れ残る間の 一煮立ち     峰月

2014.03.01 京鹿子 3 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


春寒や つなぐ掌ほしき 五位の鷺       峰月
              伊崎 智之  選    1 票

2014.02.23 二条城付近吟行 豊田 都峰 選 互選


大根引く 南部伊達藩 分かつ畑       峰月

家族は 明日も二人や 新松子         峰月

秋の蚊の 血を吸う前に 打たれけり      峰月

毛皮着て 人の祖先と なりにけり      峰月

2014.02.02 京鹿子 2 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


春寒し 墓石で築く 城囲い           峰月
                      星子 選  1票

春寒し 羅漢に積める 裸銭          峰月
都峰 選 佳作 仁 選 菜摘子 選 はつ江 選
弘華 選 紀代子 選 太乙 選 俊子 選 8 票



春寒し 山に凭るる 羅漢どち         峰月
         都峰 選 佳作  志津子 選 2 票



堅香子や 妣ささやくに 風の似る       峰月
                      達男 選 1 票

堅香子や 日おもてにゐて 日陰風      峰月
                      未央 選 1 票

2014.02.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


軽いから 仮の魂かも 雪ばんば       峰月
  特選 2 票

大根引く 雪に泥土を すすぎけり       峰月
       特選 1票 佳作 1 票  都峰 入選

葉牡丹の 息づく処 日を置けり        峰月
                 特選 1票 佳作 6票

2014.01.29 牡丹鍋句会 京鹿子 北桑田支部句会


写真家の 寄る紅梅の 先駆ける        峰月
               田中 公子 選    1 票

2014.01.26  護国神社吟行  豊田 都峰 選 互選


孫去にて 膝元空きし 四日かな        峰月
                都峰 選  佳作   1票

お目出度き 絵表紙捨てし 初暦        峰月
 智之 選   茂樹 選   都峰 選  佳作 3 票

2014.01.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

泥水は 泥を残して 野分晴          峰月

おとがいを 指さす仏 秋の風          峰月

秋風鈴 片すは俳味 浅き妻           峰月

柳散る 廓格子を 残す街            峰月

2013.12.26 京鹿子 1 月号 巻頭句 豊田 都峰 選


続々と サンタ出でゆく ピザの店        峰月
               田中 公子 選    1 票
白山茶花 墓の朱文字の 色褪せぬ      峰月
                  はつ江 選    1 票
陽の差せば 色とりもどす 冬紅葉       峰月
                  千枝  選     1票
眩暈して 銀杏落葉の 降るを見る      峰月
                     仁 選     1票

2013.12.22 京鹿子 歳晩吟行 豊田 都峰 選 互選


臼売れて どいたどいたと 年の市    峰月
          妙子 選  滋子 選 2票

濁声の お手を拝借 年の市        峰月
          志津子 選  星子 選 2票

冬木立 考の一生 実直で         峰月
          紀代子 選  虹泉 選 2票

福引を 引くに買ひ足す 年の市     峰月
                    章子 選 1票

電飾の 灯れば消ゆる 冬木立      峰月
                    知香 選 1票

2013.12.01 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


茄子の馬 袴の痛さを 取りにけり     峰月

流燈の 顔を照らして 別れゆく       峰月

走馬灯 廻し娘の乗る 回転木馬      峰月

埋立の 沖の大景 鰯雲           峰月

2013.12.01 京鹿子 12月号 巻頭句 豊田 都峰 選




風休む日の 芒なんぞ 嫌ひです       峰月

              荒川 美邦 選 佳作 1票

折鶴を 解けば真四角 原爆忌         峰月

新井 哲石 選 佳作 岡本 一路 選 佳作
小畑 翠光 選 佳作 禰寝 瓶史  佳作
東 珠生   選 佳作 片山 熙子 選 佳作
門馬 貴美子 選 佳作 木戸 渥子 選 佳作
清原 洋子 選 佳作 倉橋 あつ子 選 佳作
小島 須磨子 選 佳作 塩見 かず子 選 佳作
丹生 をだまき 選 入選 西村 滋子 選 佳作
西村 摩耶子 選 入選 藤本 純子 選 佳作
渡辺 朱鴦 選 入選 17票 20点
                      読売新聞社賞
 


月浴びる ここに本籍 移すかも        峰月

小谷 ますみ 選 佳作 鳥羽 多摩 選 佳作         
   中尾 朱帆 選 入選 3票 4点

風の盆 手足揃ひて 免罪符          峰月

              小畑 翠光 選 佳作 1票

冬の蝶 指のかたちの 道しるべ        峰月
 
大谷 茂樹 選 佳作 東 珠生 選 佳作
           松井 鶴子 選 佳作 3票 3点

ねこじゃらし 鋳型より出る 尾の始末     峰月

  宇田 篤子 選 佳作 奥田 筆子 佳作 2票

2013.11.23 京鹿子祭 双滴賞 選句


綿虫の 恭仁京跡の 碑のあたり    峰月 2票

大綿の 想ひの襞に 消えにけり     峰月
                         佳作 2票

大綿の 砂利掃く音に 失せにけり    峰月
                         佳作 1票

2013.11.03 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


御食国 伊勢に若狭の 夏料理      峰月

白日傘 廻して過去を 振り払ふ     峰月

注連切りて 鉾結界に 入りにけり    峰月

見計らひ 氷の器 夏料理         峰月

2013.11.03 京鹿子 11月号 巻頭句 豊田 都峰 選


稲架の足 高く組みけり 余呉深田    峰月

稲架襖 裏から見える 待ち合せ     峰月
                          順子 選

余したる 竹に物干す 稲架日和     峰月
               都峰 佳作    虹泉 選

曲りたる 棚田に稲架の 一直線     峰月
                     呂仁 あき子 選

運動会 周回遅れに 張るテープ     峰月
                        ひで子 選

2013.01.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 欠席


吾が祖なる 六孫王や 濃紫陽花     峰月

明易の 宮水貰ふ 列にゐる        峰月

かはほりの 居間ひと廻りして 妻の声  峰月

青林檎 置きて文鎮 探さずに       峰月

2013.10.02 京鹿子 10月号 巻頭句 豊田 都峰 選


箱庭の 苔を吾が妻 剥がし呉れ    峰月

若葉色の シャツ脱ぎ 白日に出づ   峰月

若葉光 老体只今 充電中        峰月

燕来る 廃業近き 古本屋        峰月

2013.09.01 京鹿子 9月号 巻頭句 豊田 都峰 選


縄電車 臨時停車に 鮎の川          峰月
              特選 1票 佳作 3票 5点

立秋の 今朝と昨日に 仮の線         峰月
              特選 1票 2点

夏草の アリスと行ける 丈となり        峰月
                     特選 2票 4点

2013.08.30 京鹿子  鮎句会  美山 沈川楼


比良かけて 鬼神の疾し 野分雲    峰月 1票

2013.08.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


朝の虫 聴耳立てぬ 丹の仁王    峰月 3票

2013.08.25 京鹿子 吟行 豊田 都峰 選  互選


ヒロシマに 緋色のカンナ 咲き継げり    峰月
                        佳作 2票

燈台の 届かぬ先や 星月夜     峰月 1票

2013.08.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選

妻の待つ 家春灯と 言ふべかり    峰月

さるぼぼの かたちの解けて 山ぼうし 峰月

桃の花 母恬淡と 老いにけり      峰月

春の水 集め川の名 変りけり      峰月

2013.08.02 京鹿子 8月号 豊田 都峰 選


虹の根の 死者幾千の 宮古沖    峰月 3票



糸車 虹は脚より 巻きていく      峰月 3票
  心の虹を頂いた 都峰 評            特選

もう減らぬ 香水の壜 置くままに   峰月 1票

2013.07.07 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選

   北村峰月 聖和の直さんへジャンプします




吊橋に 万緑こぞりて 伸びざかり    峰月

九重の 山に抱かれ 麻地酒       峰月

青年の 吾に似し像 遠青嶺       峰月


                岡城址 瀧 廉太郎 像
老鶯の 阿蘇の寝釈迦へ 法法華経  峰月

京鹿子 25年度 吟旅 句会    「麻地酒」


柝を入れて 暗転春の 踊りかな     峰月

卒業式 孔雀自ら 羽根拡ぐ       峰月

養花天 今し始まる 羽化を見む    峰月

催花雨の 偲ふ人ゐて しめやかに   峰月

2013.06.30 京鹿子 7月号 豊田 都峰 選


宇治川や 鵜に繋がれし 舟ひとつ  峰月
                         互選 1票
脇魚道 鮎水を脱ぎ 水を着る     峰月
                都峰 佳作  互選 2票
紫陽花の はじめの色は 雨の色   峰月
                都峰 特選  互選 3票

2013.06.09 京鹿子大阪支部 俳句大会 IN 高槻


短夜や 仏壇の闇 薄ら剥ぐ         1票

短夜や 本の耳折り そのまんま   峰月
                       佳作 2票

2013.06.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選     
  互選


梅の花 梅見る人の 日向好き      峰月

長良川 春の日ありぬ 天守映ゆ    峰月

追儺会や 出店なぞへに 吉田山   峰月

霾や 夕日汚れを 洗ふ海        峰月

2013.06.01 京鹿子 6月号 豊田 都峰 選




新緑に ずんぐり在す 磨崖仏    峰月   2票        
                滋子 佳作

羅を 裾からげして 磨崖径     峰月   2票

さざれ石 踏むも一歩や 青葉闇  峰月             
            1票 都峰 佳作
  _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _


竹秋や 竹のクルスの 隠れ耶蘇 峰月   1票

城垣を 傾れ咲きたる 花空木   峰月   1票

夏霞 神見晴かす 阿蘇五岳    峰月             
            2票  都峰 佳作

遠青嶺 祖母傾ゆ 阿蘇五岳    峰月  1票

2013.05.12~13 京鹿子 大分 竹田方面 吟旅


夏落葉 文を焼ぶれば 濃き煙     峰月
    2票
あるじなき 破れ屋を灯す 夏蜜柑   峰月
  2票
夏落葉 石を宥めて 野面積      峰月
                             4票
椎落葉 とほりすがりの 赤い靴    峰月
                             3票
夏蜜柑 ぶつきらぼうに 放り呉れ   峰月
                         佳作 3票
2013.05.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選      互選


常に持つ 重き鞄や 四月尽    峰月   2票

若楓 ひかげるところ 人形塚  峰月 3票 佳作

吹く風に 片寄る堀の 夏落葉   峰月   1票

不審庵 出入りの辞宜や 松の芯 峰月   1票

2013.04.28 京鹿子 吟行 豊田 都峰 選  互選


当らねば 終の住処や 根引き松     峰月

しみじみと 海鼠見てをり 寂びしめり   峰月

しののめの 空細分に 冬欅         峰月

拍手に神 手叩くに寒の鯉          峰月

2013.04.28 京鹿子 5月号 豊田 都峰 選


梯子して 薬貰ひや 着膨れて    峰月

数へ日や 電池替へよか 充電か  峰月

白菜の 単位に半分 四半分     峰月

冬めくや 入浴剤の 泡発つ間    峰月

2013.03.30 京鹿子 4月号 豊田 都峰 選


磐座の 神気に涵る 春の宮     峰月    2票
いわくら       ひた
登拝の 背に神鼓受く 春の山   峰月 4票

遥拝の 磐座やおら 霞立つ    峰月 特選1票

2013..03.24 京鹿子 松尾大社 吟行句会 豊田 都峰 選 互選




朱鳥居を 大口にして 山笑ふ     峰月   佳作  5票

豊田 都峰 添削句 一の鳥居を 大口にして 山笑ふ   峰月

山笑ふ ポンポン山の 名の謂れ    峰月 2票

猫用の 出口入り口 山笑ふ      峰月 1票

切り貼りは 花と決まりぬ 春障子   峰月佳作4票

2013.03.03 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選      互選


冠雪の 神在す比良 遥拝す       峰月

雪催ひ さらさら迎へごころ無く      峰月

比叡の背を 低く押さへて 雪催     峰月

雪降れり 深眠りして 余呉の湖     峰月

2013.03.01 京鹿子 3月号 豊田 都峰 選


菊蕾の 茎を撓めて 整へり         峰月

遠目にも ひとり仕事の 野良仕舞ひ   峰月

丹の橋と 競ひて さくら紅葉かな     峰月

推敲の 思惟に似たりて 秋の庭      峰月

2013.02.01 京鹿子 2月号 豊田 都峰 選


元旦の 無垢なる朝日 昇りけり    峰月 2票

紙漉の 高窓にある 日脚かな     峰月 6票 都峰 特選
            仁 佳作  各同人互選高得点

霜降りて 憑かるる色を 使ひ切る   峰月3票 仁 特選

故郷の 冬木に合はす 初期設定   峰月3票 都峰 佳作

2013.01.20 京鹿子 北桑田支部  牡丹鍋俳句会 豊田 都峰


初富士を 摘める遠さに 拝みけり  峰月   特選   4票

2013.01.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選      互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

みせばやの 花見せに来て 疎まれし 峰月

灯の消えし 流燈波に 揺れどほし   峰月

指定席 真中にをけり 大花野      峰月

月の夜の 影踏む遊び あにいもと    峰月

2013.01.01 京鹿子 1月号 豊田 都峰 選


古絵馬を 外すも宮の 年用意     峰月 佳作  3票

冬障子 仏うなづく 堂明かり      峰月 1票

寂しさの つのるかたちに 落手袋   峰月 3票

煤逃げの 帰りはメモの 小買物    峰月 1票

2012.12.23 京鹿子 吟行 野風呂会館 豊田 都峰 選 互選


初雪の 積木の下は まだ濡れず   峰月 1票

雪積みて 昭和もろとも 覆ひけり   峰月 2票

2012.12.03 京鹿子 12月 本部例会 豊田 都峰 選  互選


ひと廻り ふた廻りして 帰燕かな     峰月

新涼や 水底高き 高瀬川         峰月

貨物船 秋風に置く 燧灘         峰月

白雲の流れ 花野の動かざる       峰月

2012.12.01 京鹿子 12月号 豊田 都峰 選



平成24年度募集大作賞 こぼれ萩  佳作  貴美子 選 1点

応募総数 140編  佳作 24編 秀逸賞 10編 優秀賞 3篇
  大作賞 一編 


2022   良夜かな 少し離れて 妻のゐて      峰月

田中兼浄 佳作 鈴鹿仁 佳作 太田克己 入選 岡本探魚 入選 松本淳 
佳作 小川悠月 佳作 塩見かず子 入選 高木晶子 佳作 高田好子 佳作
 丹生をだまき 佳作 森茉明 特選   合計 十六点  京鹿子祭賞

   壇上で賞状と盾と京鹿子社からの賞を頂きました。

   

     

2021   一枚の 鰯雲の下 歩きけり          峰月
豊田都峰 佳作 一点

2020   こぼれ萩 音なき刻を 砂時計        峰月
原宇川 佳作 小島須磨子 入選 渡辺 朱鴦 佳作 合計 四点

2019   曳き売りの 声の動かぬ 秋暑かな     峰月
井上代志子 佳作 清原洋子 佳作 杉山はつ江 佳作 山田和 佳作 村田
あを衣 佳作 合計 五点

2012.11.23   京鹿子祭 双滴賞  出席  シルクホールにて


目を盗み 砂糖一匙 葛湯溶く     峰月 1票

奥嵯峨の 野仏濡れゐて 冬めけり  峰月 1票

一刷毛の 雨に余呉湖の 冬めけり  峰月佳作  3票

妻留守の 自由不自由 冬めけり    峰月佳作  2票

2012.11.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選  互選


定宿の 海辺路 鶯ばかり啼く     峰月

まだ増ゆる 被爆者名簿 原爆忌   峰月

目の合ふて 罰悪さうに 青蛙     峰月

楠若葉 千何回の 目覚めかな    峰月

2012.11.01 京鹿子 11月号  豊田 都峰 選


お不動の 尊顔に鬚 苔の花      峰月

年金を 降ろして梅酒に 貯へり     峰月

紫陽花の 向こふ三軒 色競ふ     峰月

虫干しの 正座にしかり 官のもの   峰月

2012.09. 29 京鹿子 10月号  豊田 都峰 選


ラベンダーは 風の源流 丘の上    峰月

山吹や 小流れむかし 水車あり    峰月

葵家の 焼餅を食ふ 賀茂祭       峰月

缶ビール 一気に飲みて 余しけり   峰月

2012.09.02 京鹿子 9月号 豊田 都峰 選


竹生島 しるべに鳥の 渡りけり      峰月       1票

鳥渡る ミシン目に縫う 能登の空    峰月       1票

屋根屋根に 発電パネル 鳥渡る     峰月 2票

渡り鳥 大河の注ぐ 日本海         峰月       1票

夜学舎の グランドの灯や 鳥渡る    峰月       1票

2012.09.02 京鹿子 9月本部例会  豊田 都峰 選  互選


空の色 塗り替へてより 大花火     峰月       3票

絵日記を 花火の音で 書きにけり    峰月       3票

病窓を 顔で埋めて 見る花火      峰月  佳作  3票

繋ぐ手を 見られてしまふ 花火かな   峰月 2票

花火果て 足元ばかり 見て帰る     峰月       1票

2012.08.05 京鹿子 8月本部例会 豊田 都峰 選  互選


母の日の 墓に着物は 掛けられず    峰月

雨恋ひて 傘を頂き 牡丹咲く        峰月

樹下余韻 まくなぎ立てる こころ馳せ   峰月

いやさかの 目出度さのあり 松の芯   峰月

2012.08.01 京鹿子 8月号 巻頭句 豊田 都峰 選


虫干しや 家譜十余代 遡る      峰月  1票

天牛の髭 神主の祓う幣        峰月  2票

虫干しの 五厘の葉書 未使用に   峰月 佳作  4票

虫干しの 四五幅吊るす 鴨居かな  峰月佳作1票

虫干しの 身の裏表 また返す     峰月特選1票

2012.07.01 京鹿子 7月本部例会  豊田 都峰 選  互選


燃え散らす 椿の根方 円とせり       峰月

花の木を 背に茣蓙を占む 孝なりぬ    峰月

みちのくの 三いろの春の 早や過ぐる   峰月

花人として 延暦寺 奥の院          峰月

2012.07.01 京鹿子 7月号 巻頭句  豊田 都峰 選


錆ざかり 泰山木の ためらはず      峰月 1票

睡蓮の 空を映さず 咲き競ふ       峰月  2票  佳作

2012.06.24 京鹿子 6月 京都福祉会館 吟行 豊田都峰 選


父の日の オムレツに描く 似顔かな    峰月    2票

父の日の 普段通りの お惣菜       峰月    2票

剪る薔薇の 君へと思へば 迷ひけり   峰月    1票

2012.06.03 京鹿子 6月本部例会 豊田 都峰 選  互選


桜東風 団子の焼くる 香の螺旋       峰月

うぐいす餅 鍵屋の辻の 茶屋に生れ    峰月

鼻先に 寡黙な梅の 咲く高さ         峰月

しがらみを 解かれ芽吹きし 生木稲架   峰月

2012.06.01 京鹿子 6月号 巻頭句 豊田 都峰 選


麦秋を 来し孝の顔 目の笑みて    峰月  1票

老鶯の 見えぬ辺りを 振り返へる   峰月  1票

老鶯や 女人高野を 透きとほる     峰月 1票

気球見む 筑後平野の 麦の秋     峰月

麦秋の風 少年に 焦げ臭き       峰月  1票

2012.05.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選 

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

近景の 蝋梅にある 繭の色        峰月

玄海の 凧は余さず 糸を張る       峰月

短日の 木曽路の蕎麦屋 早や灯す   峰月

阿と吽の 向かひ合ひたる 宮寒き    峰月

2012.05.01 京鹿子 5月号 巻頭句 豊田 都峰 選


春の雨 そはかそはかの 大黒天     峰月 1票

山躑躅 法の字となる 松ヶ崎        峰月 1票

春の雨 真言称ふ カタカナで        峰月 1票

狸谷 太乙狸の 春の顔           峰月 1票

2012.04.22 京鹿子 松ヶ崎 吟行 豊田 都峰 互選


山吹を 括れば瀬音 現れり          峰月  2票 佳作

傾れ咲く やまぶきなりに 寂びめり     峰月  2票

張りぼての 巨象歩まず 花祭        峰月      佳作

2012.04.01 京鹿子 4月 本部例会 豊田 都峰 選


初春の 御土居の内は 晴れにけり     峰月

前籠に 突き出す大根 フランスパン     峰月

捨て落ち葉 籠のかたちに ありにけり   峰月

この頃の 右京船岡 時雨ぐせ        峰月

2012.04.01 京鹿子 4月号 巻頭句 豊田 都峰 選


春きざす 坂の途中に 猫二匹      峰月       佳作

春めきて 日矢やはらかく 地に届く   峰月

2012.03.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選


取る人の 無き鈴成りの 柿であり     峰月

越畑の 裏愛宕なる 冬構          峰月

預かりぬ 手を取りてゆく 磴紅葉     峰月

名月と 雲と影踏む 遊びかな        峰月

2012.03.01 京鹿子 3月号  巻頭句 豊田 都峰 選


芽水仙 思はぬ鉢の 胎動す        峰月  互選  1票

2012.02.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 後選


正信偈あぐ 孝の声 秋の風         峰月

みちのくや 血をはくほどに 百舌啼けり  峰月

よべの酔ひ 花くちやくちやに 酔芙蓉   峰月

琵琶湖畔 金色に染め 豊の秋       峰月

2012.02.02 京鹿子 2月号 巻頭句 豊田 都峰 選


大寒や 神山なれや 雑木山        峰月    1票

2012.01.京鹿子 上賀茂会館 吟行  豊田 都峰 選  互選


先師塚 供花に松ある 御慶かな     峰月       佳作
  くげ
遠富士と 遠筑波置く 初景色       峰月       佳作

鳴き龍の 鈴振る余韻 淑気満つ     峰月  1票

2012.01.08 京鹿子 1月 本部例会 豊田 都峰 選   互選


鎌立てて 翔ぶを忘れて いぼむしり    峰月

毛虫焚く うらみ情けの 交錯に       峰月

書き順と 違ふ点火や 大文字        峰月

抽斗の 手前に逃ぐる ごきかぶり     峰月

2011.12.28 京鹿子 1月号 巻頭句 豊田 都峰 選


極月の 虎屋の角や 清め塩        峰月  2票

吹き寄せに 散る満天星を 火種とす   峰月      佳作
           どうだん
        

2011.12.25 京鹿子 歳晩吟行句会 豊田 都峰 選


大皿の 見映えそのまま 河豚貼れり   峰月  2票     
                 ふぐ
冬茜 疎林肋の 影とせり           峰月  2票  佳作
  そりん あばら
むらさきに 移る構への 冬茜        峰月  2票  佳作

2011.12.04 京鹿子 12月 本部例会 豊田 都峰 選  互選


月光に 濡れたるままに 橋の人       峰月

慰問なる 落語一席 敬老会          峰月

艶やかに 野分の果ての 畑の色       峰月

新蕎麦や 蕎麦切り包丁の音す        峰月

2011.12.01 京鹿子 12月 巻頭句 豊田 都峰 選


こんな沢山 賞状 盾 トロフィーがありましたが、家の私の部
屋が狭いので辞退しました。

    

1391 夜に届く 栄螺焼かずば ならぬなり    峰月
  さざえ
1392 焼く栄螺 殊に座りの よかりけり       峰月
生田 隆彦 選 佳作 大井 貞一 選 佳作

1393 枝に 天昇るかたちや 蛇の衣          峰月

1394 茂る葦 魚籠の水持ち 父追ひぬ       峰月
  びく
1395 妻とゐて 軽き背信 晩夏光           峰月
岡本 一路 選 佳作 木戸 渥子 選 佳作 佐藤 香女 選  佳作 
柴田 朱美 選 佳作

1396 白日傘 廻せば 恋を洩らしさう        峰月
桑田 黎司 選 佳作 小堀 寛 選 佳作 池永 佳代 選 佳作
大塚 文枝 選 佳作

1397 蝉時雨 なかにひとりや 寂しめり      峰月

1398 生来が 焼かれる 形よき栄螺        峰月
松本 淳 選 佳作 武藤 ともお 選 佳作

2011.11.23   京鹿子祭 双滴賞  出席  シルクホールにて


荒縄の 男結びや 冬構         峰月       5票

掘り上げて 両手に蓮根 掲げ持つ  峰月       2票

蓮掘りの 最後片足 掘り上ぐる    峰月       3票

2011.11.06 京鹿子 11月 本部例会 豊田 都峰 選  互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

溽暑避くところ 水掛地蔵かな      峰月

万緑を ひといろにする 驟雨かな   峰月

青蘆に 見えざる釣座 父の竿      峰月

竹皮を 脱ぎ落すをり 艶めきて     峰月

2011.11.01  京鹿子 11月号 巻頭句 豊田 都峰 選


菊人形 手と首挿して しつらへり    峰月         1票

寄り道を 言ひ逃れできぬ 草虱    峰月         1票

2011.10.02 京鹿子 10月 本部例会 豊田 都峰 選  互選


梅雨寒や 翁の供煙の 池に這ひ    峰月

相撲部屋 自粛の五月 風強し      峰月

初風鈴 尾の短冊に 佳句ありぬ     峰月

石仏に 飢饉の謂れ 苔の花       峰月

2011.10.01 京鹿子 10月号 巻頭句 豊田 都峰 選


秋燕 海へ十里の 流れ橋       峰月          2票

爽やかや 風を着替へし 比叡山   峰月 最高点  7票

爽涼の 白雲いつも 生れたて    峰月   特選    3票

2011.09.04 京鹿子 9月例会 豊田 都峰 選       互選


信州の 山辺に蛍の 濃く激し     峰月

哲学の 道に交はる 白日傘      峰月

囮鮎 山がりの水 引き落とす     峰月

捩花の 年々歳々 捩れけり      峰月

2011.09.01 京鹿子 9月号 巻頭句 豊田 都峰 選


朝つゆを 頼るしるべに 愛宕道    峰月         2票

あさつゆの 愛宕羅漢寺 彫り深し   峰月 佳作    2票

秋の蝶 生みて野の花 息を継ぐ    峰月 特選    2票

末枯れ蝉 祈るかたちに 魂を置く   峰月         1票

火伏せなる 愛宕道燃ゆ 百日紅   峰月         1票

2011.08.28 京鹿子 早暁清涼寺句会 豊田 都峰 選  互選


空蝉の 身内のものを 風に替へ   峰月   特選    3票

墓参寺の 供花線香の 小商ひ    峰月   佳作

もう最後 これが最後と 墓まゐり   峰月          3票

2011.08.07 京鹿子 8月 本部例会 豊田 都峰 選   互選


囀りも 吉野の山の ただ中に      峰月

風立てる 吉野の山や 春炉焚く    峰月

花吉野 箸は柾目の 吉野杉      峰月

吉野山 四本桜の 花は葉に      峰月

2011.07.27 京鹿子 8月号 巻頭句 豊田 都峰 選


水鏡に めらめらと咲く 百日紅     峰月  1票
すいきょう
大声で 熊蜂黒く 過ぎにけり      峰月  1票

2011.07.24 京鹿子 7月本部例会吟行 豊田 都峰 選 互選


天道虫 首相の額に ゐたやうな       峰月  2票
間に合いました。 退陣されたらどうしょうと思っていました。
端居して 臑毛に風を 認知せり      峰月  1票     
        すねげ
端居して 田に棲むものの 声の中    峰月  4票  特選

2011.07.03 京鹿子 七月 本部例会  豊田 都峰 選  互選


花筏 川面遅れて 暮れにけり        峰月

水垂るる 吾が手の平に 春の水      峰月

耕せる 鍬しろがねに 振りかぶる      峰月

たらの芽の 今し棘のみ 鋭かり       峰月

2011.07.01 京鹿子 7月号 巻頭句 豊田 都峰 選


摘む蕗の 灰汁に指先 老いにけり    峰月      1票

緑陰の 参道 風のかよひ道        峰月      1票

十薬の 薬効すでに 匂ひけり       峰月      1票

2011.06.26 京鹿子 知恩院  和順会館  吟行     互選


時の日や 彼方にこちこち 此方にこち   峰月 1票

時の日や けふ日時計の 影淡し       峰月      1票

時の日や 背伸びして捲く 捻子時計   峰月      1票

2011.06.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選      互選


春寒し 来世も俳句 致すべし       峰月

春の虹 根は鬼をらぬ 大枝山       峰月

梅咲けり そこのみ白き 古社の闇    峰月

2011.06.01 京鹿子 巻頭句 豊田 都峰 選


神苑の 丹の反り橋や 目借り時      峰月       1票

母の日の 肩たたき券 買ひもの券    峰月       1票

母の日や 背中も掻ける 鯨尺       峰月  最高点 7票

母の日の 真夜も燈下に 影ひとつ    峰月     佳作

2011.05.01  京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選    互選


灘向きて 初日に供ふ 水仙花       峰月

雪達磨 言伝て 思い出し歩く       峰月

ポストまで 偏西風に 懐手         峰月

水仙を 剪れども壺に 立つ姿       峰月

2011.04.30 京鹿子 5月号 巻頭句 豊田 都峰 選


砂に書く 文字を濡らして 春の海     峰月       2票

春の海 ひらがなの波 たゆたひて     峰月 3票

胎内の やすらぎつづき 春の海      峰月  佳作  1票

2011.04.03 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選    互選



真新しき 獣の跡や 落葉踏む        峰月

朴落葉 幅一葉の 分水嶺          峰月

木の葉散る 鳥の子色なる 風にかな   峰月

2011.04.01 京鹿子 4月号 巻頭句 豊田 都峰 選


翁と聴く 添水に満たす 春の水      峰月   互選 1票

催花雨と なりて義仲寺 漫ろなる     峰月   互選 2票

2011.03.27 京鹿子 大津粟津 義仲寺 吟行 豊田 都峰 選


佐保姫を 誘ふ円卓 青く塗る         峰月  互選 3票

野遊びの 摘むものあらば 摘みもして    峰月   佳作

2011.03.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選


凍て鶴の 白の重さに 佇ちにけり    峰月

紙魚流れ 逃ぐる隠るも 本の内     峰月

吊りたての 風鈴に風神の息        峰月

      京鹿子祭募集大作     松田 都青 選

どつちみち 二人暮しや 木の葉髪   峰月

竈猫 尻尾焦がして 老いにけり     峰月

冬海の 打つ風しるべ 流人墓      峰月

冬の海 漁火沖に 固定せず       峰月

2011.03.01 京鹿子 3月号 巻頭句  豊田 都峰 選


春一番 背に受け妻を 庇ふのみ      峰月 1票

春一番 屋根には風の 一文字      峰月     1票

2011.02.06 京鹿子 例会 欠席  豊田 都峰 選  互選


由緒ある 宮の野良猫 萩の花      峰月

秋明菊 暮るるや他は 消ゆるなり    峰月

裄合はぬ 古手纏ひし 案山子かな    峰月

2011.02.01 京鹿子 2月号 巻頭句 豊田 都峰 選 

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

手を合はす 昇り過ぎたる 初日かな   峰月  菜摘子 1票

2011.01.09 京鹿子 本部例会 欠席  豊田 都峰 選  互選


小春日の 失語症なる 鳩時計        峰月
 柴田 朱美   選  佳作

冬の蜂 戦死と違ふ 死を選び         峰月
 井上 菜摘子 選   佳作

京鹿子 後日祭 受賞作品

背鰭出る 瀬を故里に 鮭遡上         峰月
 小谷 ますみ 選   佳作

田草取り 泥を泣かせて 歩を運ぶ      峰月
  桑田 黎司  選   佳作

京鹿子 双滴賞 受賞作品


穂稲立つ 身丈甲乙 無く揺れり     峰月

止まり木を 落ちるやう降り 秋の雨   峰月

雲過ぎて 十六夜の月 皓とあり     峰月

2010.12.26 京鹿子 1月号 巻頭句 豊田 都峰 選


渾身に 寒風裂きて 継ぐ襷      峰月        2票
                たすき
街師走 変換キーを 押してをり      峰月        1票

遊宴の 昔ありけり 冬ざるる       峰月   佳作  1票

2010.12.26 京鹿子 晩歳吟行 ラボール京都 豊田 都峰 選


愛宕胡坐 比叡正座に 山眠る     峰月    佳作  1票
これはおもしろい。 直感が大変宜しい。

2010.12.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選    互選


虫売りの 暗く灯して 鳴かせけり     峰月

貝殻の お皿によそふ 秋の砂      峰月

コスモスの 迷路に吾子の 声消えり    峰月

2010.12.01 京鹿子 12月号 巻頭句 豊田 都峰 選


冬の蜂 戦死と違ふ 死を選び     峰月       2票

2010.11.24 京鹿子 後日祭 吟行 京都国際ホテル 互選


今朝の冬 厨のカップに 残る紅     峰月         1票

白壁の 影薄墨に 冬立てり       峰月         4票

水底も 十色に染めて 紅葉散る    峰月         1票

2010.11.07 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選      互選


身を載せる ほどなく西瓜 赤き丸    峰月

原爆忌 六日の影は 濃くありぬ     峰月

片陰の 濃きゆゑ己が 影忘する    峰月

鳥羽御陵 近衛御陵も 蝉鳴けり    峰月

2010.10.30 京鹿子 11月号 巻頭句 豊田 都峰 選

野分果て 虚空に詰める 玻璃の玉   峰月   献句

暮早し 曲れば妻の灯 ともりけり    峰月  佳作   2票

2010.10.24 京鹿子 系露忌 大雲院 祇園閣 二句出句 互選


秋深し 謎にまみれし 私小説      峰月         1票

秋深し 一人遊びの カード切る    峰月         1票

秋深し いちど切りなる 咳の中     峰月         2票

秋深し 水切りの石 斜に沈む      峰月   佳作

秋深し 螺子巻くものの 刻告げぬ   峰月   佳作

2010.10.03 京鹿子 本部例会  豊田 都峰 選      互選


遠花火 見ゆる処へ 歩を早む     峰月

半夏生 三間間口の 京の宿      峰月

木の脚を 上に果てけり 茄子の馬  峰月

前線を 頭上に置きて 梅雨籠り    峰月

2010.10.01 京鹿子 10月号 巻頭句 豊田 都峰 選


秋の蝶 国道渡り切る まで見ゆ    峰月  佳作

幾片に 千切る写真が 秋の蝶     峰月         2票

2010.09.05 京鹿子 本部例会 欠席 豊田 都峰 選  互選


画架に立つ 視線は遠し 風光る    峰月

キャンプの火踊りて人の影踊る     峰月

竹の箸 青々と置く 夏料理       峰月
大西 優九里 評 青々とした竹の箸が大変ものを言っている。まず眼より涼し
さを味わい、次いで夏料理の涼しさを。具体性があり、省略も効いて、俳句を心
得ている。(11月号)
2010.09.01 京鹿子 9月号 巻頭句 豊田 都峰 選


夕霧へ 燭のゆらぎや 律の風      峰月        2票

竹すべて 波に戦ぎて 処暑の嵯峨   峰月  特選      

鳴く虫や 生の六道の 戸の隙間     峰月        3票

探す秋 甍に風の 躓けり          峰月        2票

2010.08.22 京鹿子 嵯峨釈迦堂 吟行 豊田 都峰 選  互選


捨つ鉢に 水を欲しがる 姫女婉     峰月

頃良きと 貧乏蔓 茎伸ばす       峰月

木の間闇 八十八夜の 深さかな    峰月

麦秋の 弧を際立たせ 筑後川     峰月

2010.08.01 京鹿子 8月号 巻頭句 豊田 都峰 選


鳳仙花 嘘詰め過ぎて 爆ぜにけり   峰月        3票

校庭に 一人遊びや 鳳仙花        峰月        1票

まだ指の 中に反るなり 鳳仙花     峰月        1票

藍甕の 泡消えてより 天の川      峰月        1票

2010.08.01 京鹿子 本部例会  豊田 都峰 選      互選


片陰を 脱ぎ新たなる 陰に入る    峰月   佳作  1票

羅に 自分を着替へ 句会かな    峰月 1票

夾竹桃 毒ある処 見せぬ人        峰月   佳作  1票

片陰を 己が影連れ 出でにけり     峰月   佳作  2票

炎昼の 石のベンチに 缶ひとつ     峰月        3票

2010.07.25 京鹿子 ホテルルビノ京都 吟行 豊田 都峰 選


籠掴む 形に死ねり 兜虫      峰月           1票

菓子箱の 鉛筆の穴 兜虫     峰月 佳作  懐かしい思い出

2010.07.04  京鹿子 本部例会  豊田 都峰 選 欠席  互選


薬師寺の 塔の重なる 遅日かな   峰月

咲き満つを 寂しと思ふ 夕ごころ   峰月

此処だけの 話京都に 春の雪    峰月

落柿舎の 前は開けて 菜花風    峰月

2010.07.01 京鹿子 7月号 巻頭句 豊田 都峰 選

釣の座の 夏草扇に 折り拡ぐ     峰月  佳作

夏草と 夏草繋ぐ 流れ橋       峰月          1票

通し鴨 住めば都の 湖国かな    峰月          1票

ゆえなくて 遊び呆けり 通し鴨    峰月 さとし 特選  2票

2010.06.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰          互選


水温む 湖底にありぬ 城の跡     峰月

桜見て なほ青き空 見てをりぬ      峰月

駄菓子屋に 日の当りたる 梅日和    峰月

2010.06.01 京鹿子 6月号 巻頭句 豊田 都峰 選


木も草も 血潮も枯れて 三條河原    峰月

若水と 覚えず汲みし 嗽ひ水       峰月

釜石の 翡翠の川よ 鮭むくろ       峰月

冬満月 叡智のビルの 上に見る     峰月

2010.05.2 京鹿子 5月号 巻頭句 豊田 都峰 選

碧落の 会津の花に 桐ありぬ       峰月        1票

麦秋を ふたつに分かち 筑後川     峰月   佳作  5票

2010.05.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選       互選


緋床几に 余花ひとひらと 日の斑置く   峰月       3票

泉水は 遥かでありぬ 春の湖        峰月       1票

園丁の 猫車に載る 春の果て        峰月 佳作  2票

散るものの そのひとひらは 蝶になり   峰月       6票

2010.04.25 京鹿子 岡崎 みやこめっせ 吟行       互選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

亀鳴くや 奥州遠野に をりてこそ    峰月        1票

竹の秋 鍬の声する 奥処かな      峰月          
                     佳作

亀鳴くや 起承転結 どの辺り      峰月           
               特選   1票

2010.04.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選       互選


綺羅星を 揚げる児のゐる 聖夜劇    峰月

暦果つ 抜け易き画鋲 ありにけり    峰月

猟銃の 木霊ありけり 峡の冬       峰月

木曾殿の 塔婆古るるや 散る紅葉   峰月

2010.04.01 京鹿子 4月号 巻頭句 豊田 都峰 選


二丁艪に かはる辺りや 山桜      峰月   佳作  1票

奥嵯峨の 緋色の床几 草の餅     峰月        1票

これは二分 あれは七分と 花衣     峰月        4票

2010.03.28 京鹿子 嵯峨嵐山 コミュニティ嵐山にて吟行。


春雨や 昼寄席の軒 灯すなり      峰月       2票

啓蟄や 余白あまさず 農暦       峰月       2票

回廊の 軋み近づく 春の雨       峰月       1票

春雨や 昼行灯の 鳥居本        峰月   佳作 3票

啓蟄や 地下に恐竜 魚竜ゐて     峰月   佳作
2010.03.07 京鹿子 本部例会  豊田 都峰 選 互選


ゆりかもめ 寄る処なる 湖中句碑    峰月    互選 1票

春めくや 画架置くよふに 湖を見む   峰月    互選 4票

春の海 白帆の数は 数へねど      峰月    互選 1票

句碑見ゆる 御堂の裏の 余寒かな   峰月    互選 1票

鳥帰る しるべはえりの 影なるか    峰月 特選   互選 2票

2010.02.28 京鹿子 堅田 浮御堂 米プラザ 吟行 都峰 選


十六夜の 月を振り向く 呪縛かな     峰月

灼く石の 俗名に水伝ひ落つ        峰月

影連れて 闇に抜け出す 踊りの輪    峰月

2010.02.27 京鹿子賞 募集大作 参加作品 踊りの輪


苅られたる たかむらひとつ 冬ざるる  峰月

吹き溜まる 枯葉と同じ 猫のゐて     峰月

介護にも 終る日のあり 冬の朝      峰月

冬満月 通夜の爪先 照らしけり      峰月

2010.02.27 京鹿子 3月号 巻頭句 豊田 都峰 選


一灯の影 阿羅漢の 冴返る      峰月       2票

2010.02.07 京鹿子 2月本部例会 豊田 都峰 選  互選


秋の川 水車に揚げて 落としけり    峰月

蕎麦の花 村は出てゆく 坂ばかり    峰月

夕映えの 穂芒越しの 嫁が島      峰月

2010.01.30 京鹿子 2月号 巻頭句 豊田 都峰 選


御香宮の 冬構へなき 大蘇鉄    峰月 1票

青竹に 寒水棒と なりにけり     峰月 1票

春待つや 産湯でありし 御香水   峰月 1票

安産の 祈願戌の日 四温晴     峰月 佳作

2010.01.24 京鹿子 伏見御香宮 吟行 豊田 都峰 選 互選


初明り 地に立つ脚より 影引ける  峰月 1票

太箸に 香の高くあり 吉野杉     峰月  2票

玉砂利の 一つ一つに 初日影    峰月 1票

両の手を 翼に翔てり 初御空    峰月 佳作

2010.01.10 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


社家過ぐる 水に委ねる 柚子一顆  峰月 1票

立砂の 影淡くあり 冬日向       峰月 2票

2009.12.27 京鹿子 上賀茂神社 吟行 豊田 都峰 選


昼暗き 参道濡らす 霧雫        峰月

松手入 落とす針葉の 地に刺さる  峰月

菓子一つ 窓辺に置きて 月祀る   峰月

秋の暮れ 子の持つ竿の 影長し   峰月

2009.12.25 京鹿子 1月号 巻頭句 豊田 都峰 選


枯蔓の 日向名残りの 一葉かな    峰月 佳作 2票

風紋の 新たや夜半の 虎落笛     峰月     1票

虎落笛 流人の魂の 宿る峡      峰月     4票

2009.12.06 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


十六夜の 月挙げにけり 浮御堂    峰月

流人里 どの道ゆくも 曼珠沙華    峰月

殉教の 島のしるべに 露の玉     峰月

秋水に 水棹の突きし 泥けむり    峰月

2009.12.01 京鹿子 12月号 巻頭句 豊田 都峰 選


風鈴を 買ひたる風と 違ふ風   峰月
  禰寝 瓶史 選 佳作 西村 摩耶子 選 佳作

踊りの輪 出て寂漠に 魘はれり 峰月
  西岡 残照 選 佳作 武藤 ともお 選 佳作

きちかうの 蕾やうやう 秘色なる 峰月
 豊田 都峰 選 佳作  池永 加代 選 佳作
 松田 曼莉 選 佳作

鵜の喉に 女鵜匠の 白き指    峰月
  松本   潤 選 佳作  丹生 おだまき 選 佳作

2009.11.23  京鹿子祭 シルクホール 双滴作品


帰り花 何か咎ある 心地して     峰月 佳作 2票

2009.11.01 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


夏深し 比叡は蒼く  立ちにけり     峰月

青蘆に 見失しなひたる 父の竿    峰月

出てをると 思ふだけなる 梅雨茸   峰月

凌霄の 雨に打たれて 遊びけり    峰月

2009.10.30 京鹿子 11月号 巻頭句 豊田 都峰 選


落鮎の 成仏顔に 釣られけり     峰月     1票

備長の 火色に沿はす 下り鮎     峰月 佳作 2票

2009.10.04 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


毛虫焼く 享年当歳 名は無けり    峰月

紫陽花の 剪りし嵩だけ 窪みたる   峰月

蛍宿 暮れ待ち兼ねて 酒かさね    峰月

釣人の 去りて河鹿の 声高き     峰月

2009.10.01 京鹿子 十月号 巻頭句 豊田 都峰 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

群咲きて ばらばらなりし 吾亦紅   峰月       1票

束にして 何か足らざり 吾亦紅    峰月       1票

鰯売る 足す事無しに 目分量     峰月  佳作  1票

2009.09.06 京鹿子 本部句会 豊田 都峰 選 互選


万緑の 溢れ出したる 御所の塀     峰月

散骨葬 鈴鹿二岳に 青葉風      峰月

仏前に ありて報恩 七変化       峰月

舌代と 墨痕淋漓 夏料理        峰月

2009.09.01 京鹿子 九月号 巻頭句 豊田 都峰 選


算盤と 習字紙縒の 生身魂       峰月      1票

薬飲む 為に飯食ふ 生身魂       峰月 2票

唄ふなら 長崎の鐘 生身魂       峰月  佳作 3票

2009.08.02 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


青蛙 確か去年の 青蛙          峰月

草笛は 少年の日の 道しるべ      峰月

羅を 纏ひて妻は 風の中         峰月

青蘆と 青蘆繋ぐ 流れ橋         峰月

2009.08.01 京鹿子 八月号 巻頭句 豊田 都峰 選


風濃かり 梛の茂れる 元祇園      峰月

2009.07.26 京鹿子 壬生 元祇園 吟行 互選 4票


川床に 向こふ向きたる 京美人      峰月     1票

半夏生 卓に逆立つ マヨネーズ      峰月 佳作 1票

雪洞の 手暗目暗に 川床料理       峰月 佳作 1票

落つるより 行方なき水 半夏生      峰月 特選 3票

2009.07.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


梅林の 盛り過ぎをり 背景に        峰月

たんぽぽの たんはリズムの 取り始め  峰月

下祇園 屋根は続けり 恋の猫       峰月

ほころびて 春をぷくぷく ふくらます    峰月

2009.07.01 京鹿子 七月号 巻頭句 豊田 都峰 選


鐘戻る 郷里の寺に 柘榴咲く    峰月 佳作 1票

柘榴咲く 雨を溜めたる 古火鉢   峰月 佳作

石臼の うつ伏せにあり 石榴咲く  峰月 佳作 3票

2009.06.07 京鹿子 本部例会  豊田 都峰 選 互選


七種も 千草も育て 休耕田      峰月

陽炎や 孝の背中の 遠のきて    峰月

冴え返る 釣り竿数ふ 山の池    峰月

引き際と 言ふ花道に 春の泥    峰月

2009.06.01 京鹿子 6月号 巻頭句 豊田 都峰 選


妖精の 青く宿れる 蕗に雨      峰月     1票

蕗の葉に 蕗を包みて 売りにけり  峰月 佳作 1票

飛魚の 背なに防人 乗せてをり   峰月 佳作 2票

臼杵仏 彫り濃かりけり 蕗の雨    峰月 特選 

2009.05.03 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


踏みしめる 厚さ覚えぬ 冬の草   峰月

立ち上がる 力ありけり 冬の草   峰月

一束の 水仙を荷に 猫車       峰月

2009.05.01 京鹿子 5月号 巻頭句 豊田 都峰 選


錆易き 辛夷白磁の 割れ易き  峰月 5票

月暈を 後光一樹 辛夷咲く    峰月 2票 都峰 選 佳作

2009.04.05 京鹿子 本部例会      互選 豊田 都峰 選


大枯野 活動写真の 駒送り       峰月

かしは手の 神庭震はす 淑気かな   峰月

元旦や まづは去年の 髭を剃る    峰月
六月号三句選より奥田 筆子 評 元旦のいの一番の仕事は去年の
仕残した事、と言わんばかりのけじめのつけ方。言われて見れば確かに昨日
の去年生えた髭である。髭の生え方を分析するとこうなる。分析句は成功する
と教えられたが 成る程と思った。ユーモアもあり佳句となった。
六月号三句選より 森本虹泉 評 去年の髭が妙味のある言い方だ
と思います。去年の髭とは先端の1mm.か、それとも毛根までか、一時間に髭
はどれほど伸びるのか、思いはもっと深くまで詮索したくなる面白さがありま
す。剃り終えた後の元旦の顎の青さ、厳粛にお正月を迎えられたことでしょう。

2009.04.02 京鹿子 四月号 巻頭句 豊田 都峰 選


白鳩の 百羽羽ばたく 白木蓮     峰月   1票

天王山 取り巻く陣や 竹の秋     峰月   1票

2009.03.22 京鹿子 大山崎 離宮八幡 吟行 互選


早蕨の 息する袋 買ひにけり    峰月 互選 6票  最高点

青竹に 銭の音させ 初蕨      峰月 互選 1票  佳作

2009.03.01  京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選


露の玉 連ね太陽 一つづつ        峰月

朝の日に 触るるも揺れず 枯芒     峰月

捨て畑や 柄杓の水の 凍りたる     峰月

綿虫の 国道渡り 来たりけり       峰月

2009.02.28 京鹿子 三月号 巻頭句 豊田 都峰 選


冴返る 御息所の いと近し        峰月 都峰 選 佳作

仮屋根の 下の春寒 昼灯す       峰月 互選 1票

2009.02.22 京鹿子 吟行句会 大谷婦人会館 


妻恋ひの 文字はみ出して 十三夜    峰月

打ち寄する 山鹿太鼓や 月冴ゆる    峰月

八千代座の 跳ねて見上ぐる 月天心  峰月

2009.02.02 京鹿子 二月号 巻頭句 豊田 都峰 選


蕗の薹 去年ありたる 処訪ふ     峰月 互選 1票

朝凍や 箒のぬくみ 渡さるる     峰月 互選 2票 特選
温みを渡される心が美しい。人から人への暖かさが大変良い。
2009.02.01. 京鹿子 二月 本部例会 豊田 都峰 選

俳号で 俳号に書く 初便り       峰月

亡き人の 代筆であり 賀状かな    峰月

吉兆に 茶柱の立つ 初句会      峰月

2009.01.11 京鹿子 本部例会 互選 各 1票



訪ふ人に 鳴き止みにけり 昼の虫   峰月

新橋の 辰巳明神 秋ともし        峰月

白川に 流す秋灯 目に掬う       峰月

2008.12.29 京鹿子 一月号 巻頭句 豊田 都峰 選


箒目の 及ばぬところ 実万両      峰月

2008.12.14 京鹿子 本部例会 互選 2票

浮寝鳥 夕日の中に 居て知らず    峰月 特選  互選 1票
深く目を瞑っている感じ。夕日にシルェツトになる図は美しい。
2008.12.14 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選


故里に 墓なく新米 途絶えけり      峰月

蜩の 日暮れを嫌ふ 木の高さ       峰月

先斗町 撒き水ほどの 秋時雨       峰月

定年の 日となりし夜や 秋刀魚喰ぶ   峰月

2008.11.29 京鹿子 巻頭句 豊田 都峰 選


呉服屋の 庭の繭色 花八手       峰月  互選 2票
                       豊田 都峰 選 佳作

花八手 花盛りとて 囃されず       峰月  互選 3票

日陰より 日向に咲けり 花八手     峰月  互選 1票

2008.11.02 京鹿子 本部例会 総数 205句 互選 5句


おはぐろの 水匂ふより 離れざり     峰月

ひぐらしの 川瀬の石組み 魚匂ふ    峰月

草いきれ 刈りて鎌より 匂い立つ     峰月

少年の 日の魚の香や 西瓜切る     峰月

2008.11.01 京鹿子 巻頭句 豊田 都峰 選  四句欄


蟋蟀の さほど慌てづ 鉢の下      峰月 互選 1票

2008.10.26 系露忌 祇園 大雲院   192句 出句


千枚の 能登の刈田は 海に向く     峰月     2票

縄文の 裔なるゆへに 栗拾ふ      峰月     2票

落栗の 山のなぞえに 従へり      峰月 佳作 1票

峠茶屋 頭上の栗も 売りにけり     峰月 佳作 1票

2008.10.05 京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


手に囲う 蛍火に照る 妻の顔      峰月

稲苗の 間々を水輪の 占めにけり   峰月

波のごと 絵馬騒ぎたる 青嵐       峰月

2008.10.06 京鹿子 十月号 巻頭句 豊田 都峰 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

通草の実 啄む鳥の 来る跡      峰月  1票

通草の実 手によき重さ 残しけり    峰月   2票

乾びたる 魚籠に通草の 五つ六つ   峰月      3票

通草熟れ 手伸ばしてより 見失ひ   峰月  佳作 2票

通草熟れ 採れざる高さ 谿の音    峰月  特選

2008.09.07  京鹿子 本部例会 豊田 都峰 選 互選


釈迦堂の 風を着替へて 秋めけり  峰月  互選 4票

秋の蝉 放生池に 落いたり       峰月  互選 1票

夏負けの六腑や 釈迦は絹作り     峰月  互選 2票

2008.08.24 清涼寺 嵯峨釈迦堂 早暁吟行 


不掲載  聖和の直さんへワープできます。

2008.09.09 京鹿子 巻頭句 豊田 都峰 選


P音みな 光となれる 晩夏かな    峰月 佳作 互選 3票

2008.08.03 本部例会 豊田 都峰 選 

花頭窓に 切り取る庭や 晩夏光    峰月 佳作 互選 1票

戒壇の 闇抜け出でて 晩夏光     峰月 佳作 互選 1票

2008.08.03 本部例会 豊田 都峰 選 


壬生狂言 縞の袴の 座り皺       峰月

壬生念仏 土蜘蛛の糸 屋根にある  峰月

炮烙の 音の乾きて 壬生狂言     峰月

       八月号 京鹿子 巻頭句 豊田 都峰 選


水切りの 水輪小さに 晩夏光     峰月

七月 本部吟行例会 豊田 都峰 選 佳作


水切りの 石の届けり 月見草     峰月

      七月 元木戸孝允邸 本部吟行例会 互選 1票


団扇もて 裾の辺りを 又打てり    峰月

          七月 本部例会 互選 1票

古団扇 丈夫でありし 古女房     峰月

          七月 本部例会 互選 3票

末黒野の なほ立ち残る ものありぬ 峰月

言足りぬ もどかしさある 初音かな  峰月

霾りて 昏るるや木津の 流れ橋    峰月

       京鹿子 七月号 豊田 都峰 選


父知らぬ 子の還暦の 春日かな   峰月

暖かや 万葉仮名の のびのびと   峰月

老眼を 花眼と言いて 花を見む   峰月

        京鹿子 六月号 豊田 都峰 選


アングルの 中に菖蒲と水輪かな   峰月

               京鹿子 互選 2票

万緑を ひといろにする 雨催ひ    峰月

          京鹿子 互選 最高点 7票

腹ひとつ 叩きて馴染む 単帯     峰月

          豊田 都峰 選 入選  互選 1票

売り物の 竹風鈴の 青き音       峰月

          豊田 都峰 選 特選

2008.06.22 京鹿子六月吟行 ゆめりあ宇治


草笛の 遠く見据える様に吹く       峰月

六月本部例会 豊田 都峰 選 入選

草笛の 口の震へも 忘れめや       峰月

六月本部例会 互選 1票 豊田 都峰 選 入選


父知らぬ 子の還暦の 春日かな     峰月

暖かや 万葉仮名の のびのびと      峰月

老眼を 花眼と言ひて 花を見む      峰月

京鹿子 六月号 豊田 都峰 選


新茶汲む 滴二つに入れ分ける       峰月

  五月本部例会 互選 4票 豊田 都峰 選     入選

走り茶の 試飲に夫婦 並びをり       峰月   入選

新茶買ふ 筒は尻から 立てて打つ     峰月

2008.05.04 京鹿子 五月本部例会 互選 1票


雪起こし 天守閣より 鳥瞰図         峰月

一鉢を 世界としての 敗荷かな        峰月

単線の 駅の外れは 枯野かな        峰月

          京鹿子 五月号 豊田 都峰 選


舞ふものの 地に落ちざれば 蝶になり    峰月

京鹿子 四月 御室仁和寺 吟行 互選 2票 主宰 入選

轉經輪 廻す信女や 風光る      峰月

京鹿子 四月 御室仁和寺 吟行 互選 1票 主宰 入選

蕊降りぬ 花には花の 九相図     峰月

京鹿子 四月 御室仁和寺 吟行 互選 1票


雨の辻 都をどりの 貼りちらし      峰月

      京鹿子 四月本部例会 互選 1票


幼な子の 破魔矢こちらを 向きにけり  峰月

霜の田の 屋根の容に 溶けにけり    峰月

癌叩く 投薬終へて 薺打つ        峰月

       京鹿子 四月号 豊田 都峰 選


大原女や 冬菜買ふ客 京言葉      峰月

見られ居て 姿勢正しき 寒行僧      峰月

冬ざれて 野仏に積む 裸銭        峰月

京鹿子 募集大作 参加作品 選考委員会選


売り出しの 果てて高知の 夜半の冬   峰月

猫の子の 構えてをりし 毛糸玉      峰月

冬富士と 対話したくて 箱根越え     峰月

         京鹿子 三月号 豊田 都峰 選


追儺寺 厠に鬼と 逢ひにけり      峰月 主宰 入選

寒明けて 空の四隅の 円きかな    峰月 6票

寒明けて 天地人の 仕切り無く     峰月  2票

      2008.02.03 京鹿子 二月本部例会 互選


明けてより 三度時雨るる 出雲駅   峰月

見られ居て 姿勢正しき 寒行僧     峰月

机上に 燠置く如き 紅葉かな       峰月

          京鹿子 二月号 豊田 都峰 選


コーヒーに 白き渦巻く 四日かな    峰月

      京鹿子 初句会 豊田 都峰 選 入選

抱擁の ごとき時あり お正月      峰月

              京鹿子 初句会 互選 1票

初日差す 千本鳥居 斜に朱し     峰月

  京鹿子 平成二十年 一月 初句会 互選 2票


風無くも 日差しに銀杏 降りにけり   峰月

釣り上げし 数に加へり 囮鮎      峰月

萩叢に 風の百態 閧なせり       峰月

京鹿子 平成 二十年 一月号 豊田 都峰 選


秋簾 一行一箋 妻の留守        峰月

秋遍路 一人に重き 雲の色       峰月

地獄絵に 赤燈当てて お盆寺     峰月

         京鹿子 十二月号 豊田 都峰 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

寺寄席と 腰に覚悟の 紙懐炉      峰月

  京鹿子 十二月本部例会 豊田 都峰 選 特選

朝戸出の 妻の言葉を 懐炉とす     峰月

         京鹿子 十二月本部例会 互選 1票


大根干す 世間狭間に 見ゆるほど    峰月

大根引く 異星人の 足細き         峰月

       京鹿子 十一月本部例会 互選 各 1票


蓑虫の 薀蓄溜めて ぶらさがる      峰月

いざ さ吹け 風のしるべに 野紺菊    峰月

たはみたる 風の継ぎ目の 野菊かな   峰月

       京鹿子 十月本部例会 互選 各 2票

しろがねの 風の真中に 野菊摘む    峰月

京鹿子 十月本部例会 豊田 都峰 選 佳作 互選 1票


蛍宿 提灯弄ぶ 川の風           峰月

茄子漬の 床の新らし 妻の留守     峰月

更衣 肩先にある 黒子かな        峰月

         京鹿子 十月号 豊田 都峰 選


箒目に 楽譜を奏で こぼれ萩      峰月

梨木神社萩まつり協賛 府 市民 俳句大会
桐山 秀峰 選  京都市市長賞次席   特選  第二席
                    2句選 互選 1票


とろろ汁 箸水平に 割りにけり      峰月 互選 3票

居酒屋の 暗さに慣れて とろろ汁    峰月 佳作

京鹿子 九月 本部例会 豊田 都峰 選


走り梅雨 古墓に隠れ切支丹        峰月

緑陰の 淵深ふして 広瀬川        峰月

老鶯の 前も後ろも 晴れにけり      峰月

  京鹿子 九月号 豊田 都峰 選 京鹿子集


手花火に 火の玉妻に 盗られけり    峰月 特選  互選1票

ぽとんと落ちる火の玉を妻が火の種に盗られた美学。  大変よろしい。

フィナーレは 残せし線香花火かな   峰月 互選 2票

星のある 夜空でありし 花火果て   峰月 佳作 互選 3票

花火が終わった安堵感でゆっくり星を見ている佳句と。


川霞 水鳥の湯に をりしごと         峰月

春小川 手の網となり 器とす         峰月

花吹雪 込み上ぐるもの 声でなく      峰月

          京鹿子 八月号 豊田 都峰 選


鉾建ての 荒縄木槌に 音で締め      峰月 互選 3票

人に秘す 無言詣に 人と逢ふ        峰月 互選 1票

        京鹿子 七月 本部例会 豊田 都峰 選


地の裂ける 今の杞憂や 山朧        峰月

松新芽 忘れ鋏に 錆浮きて         峰月

義仲寺 文武の墓に 春の雨         峰月

          京鹿子 七月号 豊田 都峰 選


  ここでもう、飽きたら聖和の直さんへ戻れます。


胡弓泣く 音を手にのせ 踊るなり    峰月 特選 互選4票
京鹿子 平成十八年 九月例会 豊田 都峰 選 

紫蘇打ちて 筵に黒き 筋流る      峰月     互選1票


天高し 帽子ころころ 逃げにけり      峰月
    京鹿子 十月例会 豊田 都峰 選 入選
    京鹿子 十月例会 互選 2票


観世音 変化数多や 菊枕          峰月
    京鹿子 系露忌 互選 2票


病廊の 右折左折や 石蕗の花       峰月
   京鹿子 十一月例会 豊田 都峰 選 入選
   京鹿子 十一月例会 互選 1票

日溜りの 真中にある 石蕗の花      峰月
   京鹿子 十一月例会 豊田 都峰 選 入選
   京鹿子 十一月例会 互選 1票

蹲踞の 水ふくらみぬ 石蕗の花      峰月
         京鹿子 十一月例会 互選 1票

水琴の 間遠き音や 石蕗の花       峰月
         京鹿子 十一月例会 互選 1票


田を巡り 田の字になりし 曼珠沙華    峰月

対岸の 祇園甲部の 秋灯          峰月

        京鹿子 十一月号 豊田 都峰 選


粕汁に 酔ひて夫婦の 与太話       峰月

  京鹿子 十二月例会 豊田 都峰 選 入選

枯山吹 縄引き合ひて 括りけり       峰月

         京鹿子 十二月例会 互選 1票


さながらに 千燈献ず 峡の柿        峰月

                     系露忌 悼句


巡礼を 追ひ越す車 菊積めり        峰月

赤煉瓦 倉庫の並ぶ 秋雨かな        峰月

  京鹿子 平成十八年十二月号 豊田 都峰 選


    京鹿子 十二月 吟行 平安会館

木洩れ日を 足に絡ませ 木の葉道     峰月

                 豊田 都峰 選 特選
                 京鹿子 互選 2票

衿合はす その手で木の実 拾ひをり    峰月

                 豊田 都峰 選 佳作

色葉散り なべて地上の 色となり      峰月

                 京鹿子 互選 1票


      京鹿子平成十九年 一月初句会 例会

福白髪 福皺ふへし 初鏡           峰月

                 豊田 都峰 選 特選

福相の 巫女に享けをり 初御籤       峰月

                豊田 都峰 選 入選

人日や 賀状三枚 括り来る         峰月

                 京鹿子 互選 1票

福笹の 小判拾ひぬ 下祇園         峰月

                 京鹿子 互選 2票

懸かり凧 糸の丈だけ 揚がりけり     峰月

                 京鹿子 互選 1票


        京鹿子 一月号 豊田 都峰 選

義仲寺や 二人の墓に 降るもみぢ    峰月

百羅漢 散りし紅葉の 燭供ふ       峰月


         京鹿子 二月号 豊田 都峰 選

野仏に 千燈献ず 柿明り          峰月

たたなはる 百萬本の 枯尾花       峰月

残菊を 括りて杖を 与へけり        峰月


           京鹿子 二月句会例会 互選

畏くも 天皇陵に いぬふぐり         峰月


         京鹿子 三月号 豊田 都峰 選

切り貰ふ 薔薇の姿を 迷いけり      峰月

破れ蓮の 写りし影も 枯れにけり     峰月

炬燵舟 人声満たし 流れゆく        峰月


              京鹿子 三月句会 例会

擂粉木に 指が味見の 木の芽和     峰月

                 京鹿子 互選 1票

銘々の 皿の余白に 木の芽和       峰月

                 京鹿子 互選 1票

一刷毛の 日矢に崩るる 薄氷       峰月

                  京鹿子 互選 5票

春のない 淡海二日の 雨上る       峰月

              京鹿子 吟行 互選 2票

木の芽雨 池の深みに 亀動く       峰月

              京鹿子 吟行 互選 1票


民話みな はては朧の 夜に消ゆる    峰月
民話みな はては朧の 夜のもの      峰月

 京鹿子 四月句会 例会 豊田 都峰 選 佳作
                   京鹿子 互選 5票

光陰の 砕けし汀 さくら貝          峰月

                  京鹿子 互選 3票


風花や 長考の一手 定まりぬ       峰月

冬灯の 弧に繋がりて 浜通り        峰月

水仙の 背景となる 灘の音         峰月

          京鹿子 五月号 豊田 都峰 選


庭立ちに 風の継ぎ目の 薄暑光     峰月

京鹿子 五月句会 例会 豊田 都峰 選 入選
                  京鹿子 互選 2票


正座して 序破急のなき 薄暑かな    峰月

京鹿子 五月句会 例会 豊田 都峰 選 入選

松の芯 伸びる香車を 歩で止めり    峰月

                 京鹿子 互選 2票


走り梅雨 陶土を包む 莚濡れ       峰月

京鹿子 六月句会 例会 豊田 都峰 選 入選

目高にも 声掛けている 妻の留守    峰月

                  京鹿子 互選 3票

梅雨の雷 果てて揺らぎし 路面かな   峰月

                  京鹿子 互選 1票


冬の川 鯉を深みに 集めけり       峰月

鳥帰る 静寂と言ふ 置き土産       峰月

グーで勝ち 三段上りて 京の春      峰月

  京鹿子 平成十九年 六月号 豊田 都峰 選


       聖和の直さんへ戻れます。



inserted by FC2 system