渋 柿 句会  便り

                聖和の直さんへ戻れます。


渋 柿 句会 

   平成18年10月22日より入会

渋 柿 句会 最高顧問 五代目主宰 渡部 抱
朴子 平成23年5月5日 逝去

 平成22年4月より 六代目 主宰 を 松岡 
 潔 に交代 。
  平成 26 年 七代目 主宰 渡邉 孤鷲 就任。













1 冬砂丘 暮れ大いなる 白き闇               峰月

2 白墨の 線路の消ゆる 秋の暮               峰月

3 仏壇に 白桃喰へと 誘はるる                峰月

4 白秋や 被爆の河に 浮く芥                 峰月

5 着水の 白鳥風を 抱へをり                 峰月

6 門前に 白蓮盛りと 貼り紙す                峰月

7 白杖に 片陰譲る 寺の道                  峰月

8 花薺 広ごり白き 捨田かな                 峰月

9 白魚網 朝月ひとつ 透き残す                峰月

10 春風や 御神樹杉の 紙垂に見む             峰月

11 峡の田の 田打ち桜の 白さかな             峰月

12 冬鴎 帰港の船に 乱れ飛ぶ                峰月

13 高啼ける 田の群鶴の 息白し               峰月

14 書初や 墨まだ知らぬ 筆の先               峰月

15 初山河 白亜浄土の 仏ケ浦                峰月

主宰 渡邊 孤鷲 選 評 異色の題の下、読み手を納得させ
る句材を揃えたのはお見事である。 4位 7点。

前主宰 松岡 潔 選 評 15 13 9 7 を取り上げられた。  
 2位 9点

武田 健 選 評 白にこだわった展開。ユニークな取材に注
目。 5 位 6 点。
織田 美奈子 選 評 1 冬砂丘 暮れ大いなる 白き闇 
 3 位 8 点。
戒能 多喜 選 評 「白」 をテーマにした遊び心のある句で
す。上手に読み込まれています。白の文字がなくても白を感
じ、季語は季語としてテーマに挑戦することは素敵でした。  
 5 位 6 点。
武田 知子 選 評 佳作 3 点。

平成29年 1月 特別 作品  「白色 白光」 第九位 39点




初便り 絵柄目出度き 切手貼る          峰月 賀新春


ひつじ穂に 雀寄り来る 土佐路かな         峰月 佳作

 ひつじ田の 実入り確かむ 指の先           峰月 入選

                    課題句 安原 谿游 選

木道に 鳥啼く秋の 上高地                   峰月

うそ寒や 辻に目無しの 六地蔵                峰月

新走り 酌むや藍濃き 江戸切子                峰月

赤のまま 見つめ合ひゐる 道祖神              峰月

           四句選
2016.12.29 渋柿 1 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選


曼珠沙華 束に掴みて 古希童子          峰月 佳作

遠景は 正に盛りや 曼珠沙華              峰月 佳作

                    課題句 谷本 清流 選

御巣鷹の 尾根を蜻蛉の 群飛べり              峰月

落鮎の 姿武骨に 焼かれけり                 峰月

うそ寒や 仁王二像に 睨まれて                峰月

鳥渡る 吾も越路の 旅にあり                 峰月

           四句選
2016.11.28 渋柿 12 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



流木の 幾年の波 浜挽歌               峰月 佳作

                課題句 中須賀 玉翠女 選
ダム底に 電柱の見え 秋寂びぬ               峰月

吊橋を 渡りぬ夏帽 手に押さへ                峰月

鎮魂の 鐘の音涼し 隠岐の島                   峰月

           三句選
2016.10.27 渋柿 11 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選


揚花火 果て雑踏の 人となる             峰月 佳作

ゆくりなき 恋の生れし 遠花火              峰月 佳作

                    課題句 菊野 晄子 選


かはほりの 影濃く飛びぬ 鳥羽御陵             峰月

毛虫焼く きっと悪魔の 顔をして               峰月

十薬の 仄と匂ひぬ 雨上がり                   峰月

           三句選
2016.09.27 渋柿 10 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



柿の花に似て 雲の間の 昼の月           峰月 佳作

柿花の 色に漉きけり 黒谷和紙            峰月 佳作

                    課題句 武田 健 選

前線の 南下し梅を 干しにけり                峰月

若葉冷え 僧十人の 投地拝                   峰月

           二句選

2016.08.27 渋柿 9 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



今日もまた 孫甘やかす 子供の日          峰月 佳作

頭上には 麒麟の首や 子供の日           峰月 入選

                   課題句 栃木 光歩 選

若鮎の 光となりて 上りけり                  峰月

藻の花に 紛れ小魚 群れ泳ぎ                 峰月

           二句選
2016.07.27 渋柿 8 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



鶯や 愛宕嶺仰ぐ 保津の峡                  峰月

残雪の 富士引き寄せぬ 今朝の晴れ            峰月

白木蓮 羽搏く様に 日を受くる                峰月

畦焼の 匂ひを故郷の 記憶とす               峰月

慟哭の 果ての姿や 涅槃絵図                  峰月

           五句選
2016.06.27 渋柿 7 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



校門の 国旗校旗や 入学す                  峰月

谷間の 風に堅香子 帆を立てり               峰月

うつばりの 手斧の跡や 燕の巣                峰月

春水を 汲み零しけり 大水車                 峰月

流れ入る 雪解細流 千曲川                   峰月

           五句選
2016.05.27 渋柿 6 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



春近し 祇園の辻に 易者出づ             峰月 佳作

春近し マネキンの袖 たくしあぐ             峰月 入選

                  課題句 真田 政之助 選

日脚伸ぶ 手受けし夕刊 流し読む              峰月

魯山人の 皿に鮒寿司 いでにけり              峰月

火だすきの 備前焼買ふ 春の旅               峰月

雛流す 沖に都の ありぬべし                   峰月

その奔放 叩かれをりぬ 野焼の火               峰月

今月の秀句 渡邊 孤鷲 選 野焼きとは草生をよくし、害虫を駆除する
ため、春先晴天で風のない日に火を放って枯草を焼き払うことを言う。その灰が
牛や馬の飼料となる草の成長を促し、ワラビ ゼンマイなどの発育を助ける肥料
にもなる。全国的には阿蘇、秋吉台、御殿場、仙石原などの名の知られた大掛
かりな野焼きも沢山あるが、この句の場合の野焼きはそのような大規模なそれ
ではなく、身近に見られる 堤 岡焼き 程度の野焼きと見たい。自由奔放に燃
え広がろうとする野火を、火消し棒を手にした消防団員か誰かが火を叱りなが
ら叩き消しているというユーモラスな場面を詠った軽妙な句である。野火の燃広
がろうとする様を奔放と捉えたところがこの句の素晴らしいところ。この句 原句
中七が「叩かれ御さる」であったが措辞としては馴染みない表現なので「叩か
れをりぬ」とさらりと表現するように添削した。

川の瀬に 抗ひをりぬ 猫柳                     峰月

           六句選
2016.04.27 渋柿 5 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



初景色 比叡に貼り付く 雲ひとつ           峰月 佳作

初景色 盃伏せし近江富士                峰月 入選

                   課題句 平本 故淵 選

対岸の 二三戸枯野の 中にあり               峰月

雪の日の 羅漢に逢うを 楽しみぬ              峰月

口紅の やや濃き妻の 御慶かな                峰月

           三句選
2016.03.27 渋柿 4 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



湯豆腐や 竹騒耳に 届かざる            峰月 佳作

湯豆腐の 遺影の母を 曇らする            峰月 入選

                   課題句  選

籐籠の 猫の寝床や 木曽小春                峰月

幼呼び 洗ふ障子を 破らしむ                 峰月

一湾に 牡蠣筏並べ 冬に入る                  峰月

刈積みの 舟はみ出しぬ 芦の丈                峰月

 遠比叡 破れ蓮の湖 平らけし                   峰月

           五句選
2016.02.27 渋柿 3 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



山茶花や 燻し色なる 竹の筒            峰月 佳作

山茶花や 犬の定むる 散歩道             峰月 入選

                   課題句 近藤 憲史 選

畑焚火 煙一筋を 遠景色                     峰月

缶蹴りの 缶そのままに 秋の暮                峰月

そぞろ寒 玄室暗き 石舞台                     峰月
           三句選
2016.01.27 渋柿 2 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選
 


初日受く 曳き跡荒き 御柱             峰月 賀新春


鳥渡る 琵琶湖にエリの 北指せり          峰月 佳作

三山を 時空の標 鳥渡る                峰月 入選

                  課題句 喜多山 敏代 選

秋灯を 点して消して 独りなる                  峰月

銀杏散る 金色の鳥 降るように                峰月

野分空 蜘蛛の囲繕ふさまにあり                 峰月
           三句選
2015.12.27 渋柿 1 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



コスモスや 笑うて呉るる 妣の顔              峰月

                    課題句 原 豊 選

仏壇を 背に一族の 盆写真                  峰月

風なくば 雲も湧かざり 神の旅                峰月

曼珠沙華 雨に鎮もる 古戦場                  峰月
           三句選
2015.11.27 渋柿 12 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



朝顔の 朝なさな咲き 朝刊来             峰月 佳作

                    課題句 赤松 彌介 選

生絹束 分くる流れや 鮎遡上                 峰月

卯月野や 武蔵七党 統べし土地                 峰月
           二句選
2015.10.28 渋柿 11 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



能登外れ ランプの宿の 夜の秋           峰月 入選

城崎に 外湯めぐりや 夜の秋             峰月 佳作

                    課題句 原田 和子 選

田の隅は 媼の仕事 余り苗                峰月

甚平や 千鳥に絎ける 袖身頃              峰月

水郷や 水竿に揺るる 花菖蒲                峰月
           三句選
2015.09.29 渋柿 10 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



六月の 紀ノ國の海 平らかに            峰月 入選

                    課題句 大島 麥邨 選

燕とぶ 蛭が小島の 雨煙                峰月

青葦に 櫓の音消ゆる 浦曲かな            峰月

河幅に 広ごる水脈や 涼み舟             峰月

夜空いま 神の領域 大花火                峰月
           四句選
2015.08.27 渋柿 9 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



初夏の 小島巡りの 伊予の海             峰月  佳作

                    課題句 荻山 政躬 選

芽柳や 京のへそ石 六角堂              峰月

薬玉に 十念後生を 願ひけり              峰月
 
古物屋の 奥に寝転ぶ 竹婦人              峰月

初夏や 開け放ちある 千体堂             峰月

初夏や 玉砂利を掃く 竹箒                峰月
           五句選
2015.07.27 渋柿 8 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選  二年ぶり



永き日や 仏陀半眼を 常とせる           峰月 入選

                    課題句 黒田 清宏 選


木曽路なる 馬籠妻籠や 春ともし           峰月

張りぼての 白象引きぬ 花祭             峰月

八千代座に 深き奈落や 春灯              峰月
           三句選
2015.06.26 渋柿 7 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



鳥帰る 首まで浸かる 露天風呂           峰月 入選

大琵琶の エリを標べに 鳥帰る            峰月 佳作

                    課題句 戒能 多喜 選

花菜漬 販ぐ媼や 道の駅                峰月

春の水 本気で投ぐる 水切り石            峰月

当りある 人の置き竿 揚雲雀             峰月

尼寺の 閉め切る庫裏や 春障子            峰月
           四句選
2015.05.27 渋柿 6 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



初午の 風の粗さや 結ひ神籤            峰月 入選

初午や 千本鳥居に 別れ路              峰月 佳作

                    課題句 谷本 清流 選

のらくろや 日光写真の 二等兵            峰月

語り部の 山場軒雪 しずりけり            峰月

片栗を 見て引き返す 山路かな           峰月

種袋 振れば命の 音すなり              峰月
           四句選
2015.04.27 渋柿 5 月号 巻頭句 選渡邊 弧鷲



陽炎や 天地を反す 砂時計              峰月 入選

                 課題句 菊野 晄子 選

雪積みぬ うだつを上げし 上田宿                峰月

石手寺や 笹の青もて 煤払                   峰月

中々に 巻き癖とれぬ 初暦                   峰月

          三句選
2015.03.26 渋柿 4 月号 巻頭句 選渡邊 弧鷲



枯菊を 焚く香についに 咽びけり                峰月

さざなみや 夕日に染まる 浮寝鳥               峰月

白足袋の 五枚小鉤を 求めけり                峰月

          三句選
2015.02.26 渋柿 3 月号 巻頭句 選渡邊 弧鷲



冬鴎 伊根の舟屋の 軒に飛ぶ            峰月 入選

日表に 浮寝となりぬ 冬鴎               峰月 佳作

                  課題句 織田 美奈子 選

峠道 明るき方へ 秋あかね            峰月

道をしへ 馬籠峠を 行き戻り          峰月

涼新た 通潤橋の 竜吐水            峰月

大西日 吾が影輪禍に あひにけり       峰月
           四句選
2014.01.27 渋柿 2 月号 巻頭句 選渡邊 弧鷲



水破り 水面に戻る 木の実かな    峰月 入選

居眠りの 羅漢を打ちぬ 木の実雨   峰月 佳作



                   課題句 武田 健 選

秋空の 色奥深く なりにけり           峰月

金木犀 途切れぬ道を 通ひけり        峰月

貴船への 峠越えけり 草紅葉         峰月
  三句選
2014.12.26 渋柿 1 月号 巻頭句 渡邊 弧鷲 選



境内に 熟るる石榴や 鬼子母神   峰月 入選

石榴割れ 右脳左脳の 覗かるる    峰月 佳作

                 課題句 栃木 光歩 選

峠道 明るき方へ 秋あかね            峰月

道をしへ 馬籠峠を 行き戻り          峰月

涼新た 通潤橋の 竜吐水            峰月

大西日 吾が影輪禍に あひにけり       峰月
  四句選
2014.11.27 渋柿 12 月号 巻頭句 選渡邊 弧鷲



朝顔に 米の研ぎ水 注ぐ妻       峰月 佳作

                 課題句 三原 美加 選

探す孫 迷子にされし 運動会          峰月

ひぐらしの 流るる峡や 不破の関       峰月

竹林の 高さ立秋の 風渡る           峰月

若僧の 剃り合ふつむり 夏の朝        峰月
  四句選
2014.10.28 渋柿 11 月号 巻頭句 松岡 潔 選



セピア色の 昭和の唄や 月見草    峰月 佳作

サーカスの 去りて淋しや 月見草  峰月 入選

               課題句 玉田 佐知子 選

小流れに 冷やす地酒や 大内宿        峰月

街道の 屋並嬉々とし 夏燕            峰月

二丁櫓に 漁場まで行く 鵜飼舟        峰月
                           三句選
2014.09.28 渋柿 10 月号 巻頭句 松岡 潔 選



桜桃忌 全集あつめし 図書の棚    峰月 佳作

桜桃忌 水子供養と 重なりぬ   峰月 入選

               課題句 真田 政之助 選

開くより 匂ふ白さや 花蜜柑           峰月

若葉風 隈無く渡る 会津領            峰月

山峡の 植田の澄みし 足の跡          峰月

2014.08.28 渋柿 9 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選



薫風や 湖に突き出す 膳所の城    峰月 佳作

 薫風や 熊野下りは 三反帆   峰月 入選

                課題句 平本 故渕 選

薫風の 朱の大鳥居 潜り抜け          峰月

残り苗 田の隅媼の 挿すところ         峰月

春光の 斑のうちの 羅漢どち          峰月

露座仏の 胎内くぐり 春の闇           峰月

2014.07.25 渋柿 8 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


ふらここに 翔び立つ予感 ありにけり 峰月 入選

ふらここや 話ばかりが すれ違う  峰月 佳作

               課題句 喜多山 敏代 選

あたたかや 若冲羅漢の 笑み多く       峰月

襟足の 白き刷毛跡 春の燭           峰月

満開の 花を見上ぐる 目眩かな         峰月

2014.06.28 渋柿 7 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


 加賀友禅 洗ふ春水 浅野川  峰月 佳作

                課題句 武田 知子 選

是よりは 上りばかりや 梅見山         峰月

古梅咲く 黒塀越しの 武家屋敷        峰月

崖椿 果ては黒潮 岬沿ひ             峰月

2014.05.30 渋柿 6 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


みんなみの 旅のいざなひ 春めけり 峰月 佳作

春めくや 天地始動を 怠らず  峰月 佳作

                課題句 赤松 彌介 選

水仙に 耳寄せて聞く 波の音          峰月

うたた寝の ひいな檜扇 手落しぬ       峰月

春ショール 胸の鼓動を 隠しゐる       峰月

菜の花の 中をのたりと 筑後川         峰月

2014.04.30 渋柿 5 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


拾ひ来し ジュラ紀の石や 寒の内  峰月 入選


        ジュラ紀の 露出鉱

照らさる々 寒九の月影 碧くして   峰月 佳作

                課題句 大島 麥村 選

秩父路の 利根荒川の 霧に住む        峰月

武蔵野の 行田の足袋を 買ひにけり     峰月

冬の灯の 六甲ホテル 瞬ける         峰月

病廊の 喫煙所に咳 満ちにけり         峰月

2014.04.01 渋柿 4 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


包丁に 半身預けて 冬至南瓜    峰月 佳作

常用薬 手の窪に満つ 冬至かな   峰月 佳作

                課題句 戒能 多喜 選

外苑の 並木落葉や つむじ風         峰月

青函を 繋ぐ海峡 冬景色            峰月

2014.02.28 渋柿 3 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          二句選


浜の物 拾ふて干して 小六月    峰月 佳作

醤油蔵の 呟きふつと 小六月     峰月 入選

              課題句 中須賀玉翠女 選

綿虫や 恭仁京の碑の 辺りなる        峰月

振り上げて 手より進みぬ 盆踊         峰月

石蕗咲けり 木洩れ日の中 花高く      峰月

2014.01.26 渋柿 2 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


御岩木の 青き空より 林檎もぐ   峰月 佳作

津軽富士 裾を幾重に 林檎園     峰月 入選

               課題句 織田 美奈子 選

秋の雨 渚にのこせし 足の跡          峰月

露寒や ぽっくり寺を 道すがら         峰月

秋の蝶 色無きものに 羽をとめ        峰月

2013.12.26 渋柿 1 月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


指つくる 双眼鏡に 小鳥来る     峰月  佳作

                課題句 武田 健 選

鎌倉の 夜はいづこも 虫浄土     峰月

お遍路の 宿路を急ぐ 秋の暮      峰月

比叡の月 都大路の 影孤独       峰月

2013.11.27 渋柿 12月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


健やかな 部位を言ひ合ひ 生身魂  峰月 佳作

語り部に 繰言ありぬ 生身魂     峰月 入選

                課題句 栃木 光歩 選

鰯雲 浜の板葺き 漁師小屋          峰月

佇めば 勢ひとなる 蝉時雨          峰月

清滝の 鮎ののれんを 分け入りぬ      峰月

2013.10.30 渋柿 11月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          三句選


夜蝉鳴く 叫びに似たる 宮居かな  峰月 佳作

朝蝉や 園児ばかりの 坊泊り     峰月 佳作

                課題句 三原 美加 選

雨燕 濡るるをいとはず 甲斐の国       峰月

沙羅落つる 時は一縷の 長さあり       峰月

紫陽花の はなだに定まる 雨の寺      峰月

青葉色 雨にずぶ濡れ 磨崖仏         峰月

2013.10.02 渋柿 10月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


鮮らけく 日々咲き継ぎぬ 百日紅  峰月  佳作

通り名を ぽつくり寺とや 百日紅   峰月 入選

                課題句 渡邊 孤鷲 選

木曽殿の 塚とて日傘 畳みけり       峰月

梅雨入や 松は墨絵に 姫街道       峰月

大いなる かなしみのあと 青梅落つ    峰月

半間の 畳廊下や 庵凉し           峰月

2013.08.28 渋柿 9月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          四句選


花うつぎ 瀬音に沿ふる 峡の径   峰月 入選

               課題句 玉田 佐知子 選

石積に 畑の履歴や 夏蜜柑      峰月



神在す 熊野古道や 山朧        峰月

花舗の前 春水溢れ 流れけり     峰月

隅田川 二十六橋 桜散る        峰月

2013.07.26 渋柿 8月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          四句選


鉤路地に 洩るる機音 灯の朧    峰月 入選

                課題句 中川 久子 選

桜堤 行きつ戻りつ ひとりなる        峰月



亡き母の 声のひそやか 初桜        峰月

2013.06.28 渋柿 7月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          二句選


水取や 京都を経たる 水の道     峰月 入選

水取や 眠れぬ鹿の 影立ちぬ    峰月 佳作

              課題句  真田 政之助 選

春霖や 返さずにある 女傘      峰月

巻頭句鑑賞 奥村 今日子 選 今日も降り続く春の雨。傘立に置かれたまま
の女傘あの時に借りた傘。返そうと思いながらも、そのままにしている傘。あの
時の思い出が返したくない気持ちにさせる。女傘にロマンがあります。

芽山椒の 青き匂ひを 籠に込め       峰月

葦角や 水の硬さの 中に生ひ      峰月

水草生ふ 小波きらめく 印旛沼     峰月

恋猫の ゆづらぬ声の 地に這ひぬ   峰月

2013.05.28 渋柿 6月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          五句選


日おもての 土手に一群 諸葛菜  峰月 佳作

膝つきて 匂ふものかと 諸葛菜  峰月   佳作

                課題句  富田 昌宏 選

雪被る 藁苞懸けし 寒牡丹        峰月

かまくらを 覗けば仄と 灯のゆらぐ    峰月

低く開く 雪見障子や 無名庵       峰月

2013.04.30 渋柿 5月号 巻頭句  松岡 潔 選
     三句選


青燈に 出船入船 去年今年    峰月  佳作

手長猿 枝を渡りぬ 去年今年   峰月  入選

               課題句 喜多山 敏子 選

紙漉女 水を重ねて 揺りにけり       峰月

伏見なる 不二の井汲める 寒九かな   峰月



寒灯籠の 窓の日月 義仲塚         峰月

義仲寺や 寒木瓜の花 先駆けて     峰月

2013.03.29 渋柿 4月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          四句選


燧灘 能舞台にして 冬満月    峰月 佳作

               課題句  平本 故淵 選

鐘の鳴る 街は坂道 時雨道        峰月

雪の朝 いつも見てゐし もの見えず   峰月

雪催 取り込む魚の 一夜干し       峰月

振り返る 水尾は一筋 番ひ鴨       峰月

2013.02.28 渋柿 3月号 巻頭句 松岡 潔 選
     四句選


凩に 六方踏みし 鴉かな      峰月 入選

               課題句  武田 知子 選

焚火して 焚火火照りの 顔寄せり     峰月

穂芒の 花は実となり 日に透かす    峰月

遠嶺晴 隠して組める 稲架襖        峰月

稲架襖 日陰の方の 心暮れ         峰月

松手入 影を新たに 月に濃く        峰月

2013.01.28 渋柿 2月号 巻頭句 松岡 潔 選
    五句選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

煤暗き 町屋商ふ とろろ汁      峰月  佳作

旅ならば 丸子の宿の とろろ汁   峰月  入選

                課題句 赤松 彌介 選

迎へ火も 送り火も無く 正信偈        峰月

飛火野に さ牡鹿鳴くも 寂しけれ       峰月

雨戸繰る 音に起床す 野分晴れ       峰月

霜降るや 木椅子のぬくみ 譲らるる     峰月

鮭上る みちのくの川 滔滔と          峰月

2012.12.28 渋柿 1月号 巻頭句 松岡 潔 選
  五句選


落し水 段々の田を 段々と     峰月  佳作

                課題句 大島 麥邨 選

関八州 くまなく晴れし 秋の雲        峰月

良夜かな 沖ノ島まで 月の道        峰月



娘の好きな 手花火をもて 迎へ火と    峰月

野紺菊 添へて返しぬ 女傘         峰月

推敲に 端座の善けれ 露の庭        峰月

露の浜 貝濡れ色に 拾はるる         峰月

2012.11.28 渋柿 12月号 巻頭句 松岡 潔 選
  六句選


渋滞の 市バス繋がる 残暑かな  峰月  佳作

秋暑し 手摺り頼りの 古刹なる   峰月   佳作

             課題句 中須賀 玉翠女 選

新涼や 水底高き 高瀬舟         峰月

いそいそと 日暮れを急ぐ 花火かな  峰月

京三山 比叡愛宕に 雲の峰        峰月

夏落葉 手に掬いつつ 露天の湯     峰月

大花火果てて 星空 展げけり      峰月

2012.10.28 渋柿 11月号 巻頭句 松岡 潔 選
  五句選


砂浜の 波に映ゆるや 晩夏光   峰月  佳作

自転車の ライトの中の 晩夏かな  峰月 入選

             課題句  織田 美奈子 選

底紅に 雨きよらかや 正信偈       峰月

心太 あえかなるもの 煙色        峰月

神庭に 竹箒の筋 夏落葉         峰月

炎天や 影は五重の 屋根のうへ     峰月

2012.09.28 渋柿 10月号 巻頭句 松岡 潔 選
   四句選


五月雨に 籠もり鬼平 再放送   峰月   佳作

五月雨や 洞ヶ峠の うすら闇   峰月   佳作

                  課題句 武田 健 選

浮かせつつ ビニールプールに 嬰立たす  峰月

夏帽子 近寄る二つ 立ち話         峰月

紫陽花の 予期せぬ重さ 手に移す     峰月

渡りたる 琵琶湖大橋 梅雨最中      峰月

2012.08.29 渋柿 9月号 巻頭句 松岡 潔 選
     四句選


夏来る 人かは筋に 寄りたがる   峰月  佳作

水掬ふ 手の平白き 立夏かな    峰月  入選

               課題句  栃木 光歩 選

水馬 水に浮かべる 鋼色           峰月

かきつばた 江戸紫と 名の矜持       峰月

麦の秋 里の梵鐘 わたり来し         峰月

さらばえて 句碑読みがたき 花の闇     峰月

植田まだ 不馴れなそよぎ ありにけり   峰月

春深く 呵呵と玉吐く 魚板かな        峰月

2012.07.27 渋柿 8月号 巻頭句  松岡 潔 選
   六句選


春惜しむ 雨に烟りし 余呉の湖  峰月   佳作

夕景の 余呉は離れ湖 春惜しむ 峰月   入選

                課題句 三原 美加 選

尼の手に 並べありけり 落椿       峰月

春の雨 祇園小橋の 灯の潤む      峰月

花見舟 流れのままに 漕がれけり    峰月

気怠さを 楽しむものに 花の昼      峰月

2012.06.28 渋柿 7月号 巻頭句  松岡 潔 選
   四句選


三月の 雨は重たく 降りにけり   峰月  佳作

                課題句 渡邉 孤鷲 選

谷川の 水の捩れや 梅二月         峰月
         よじ
橋たもと 春灯ともす 孤独かな        峰月

つんつんと 満天星の芽に 触るるかな  峰月
        どうだん
真っ向ふに 鍬を打ち込む 春の土     峰月

眉上げし 木偶の怒りや 阿波おぼろ    峰月
    でぐ  
2012.05.27 渋柿 6月号 巻頭句 松岡 潔 選
    五句選


老いて知る 上りばかりの 梅見坂  峰月 佳作

水音の 硬きうちなる 梅見かな    峰月 入選

                課題句 戒能 多喜 選

さきがけの 枝垂れ紅梅 離宮なる    峰月

母と来し 此処にあるはず 蕗の薹    峰月

恭仁京の 礎石伝ひや 青き踏む     峰月

初蝶や 洗濯物の 白さより         峰月

観梅の 尚早なりし 悔いをまた      峰月

2012.04.27 渋柿 5月号 巻頭句 松岡 潔 選
    五句選


薦被せし 陶土の湿り 春近し   峰月   入選

               課題句  中川 久子 選

初景色 ここに越し来て 十二年      峰月

初手前 節々残す 竹の炭          峰月

その先は けももの跡や 雪の道      峰月

2012.03.27 渋柿 4月号 巻頭句 松岡 潔 選
    三句選


博文も 諭吉も好きで 漱石忌    峰月  佳作

かこち生き 猫でも飼ふか 漱石忌 峰月  入選

              課題句 真田 政之助 選

煤払ひ 長押より落つ 鯨尺          峰月

下京の 染屋格子の 時雨けり       峰月

常念の 冬日抱きて 聳えけり        峰月

2012.02.27 渋柿 3月号  松岡 潔 選 巻頭句
     三句選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

石蕗の花 荒磯の波の 倦むところ 峰月  佳作

石蕗の花 佐渡に流人の 塚多き  峰月  入選

               課題句  富田 昌宏 選

留守三日 吊られし妻の 秋袷        峰月

夕月や 影踏む遊び おもしろく       峰月

寒風や 風呂屋のゆの字 赤くあり     峰月

2012.01.26 渋柿 2月号 松岡 潔 選 巻頭句
   三句選


花道の 下の奈落や 十三夜    峰月  入選

              課題句 喜多山 敏代 選

コスモスの 百万本目の 咲き初むる   峰月

連れだちて 寄席果てし空 十三夜     峰月

葉鶏頭 途中下車する 無人駅       峰月

みちのくへ 遍路のこころ 秋の旅      峰月
    選後寸言

2011.12.26 渋柿 1月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


初紅葉 石段多き 竹生島       峰月  佳作

盆栽の 十四五本の 初紅葉     峰月  佳作

  課題句 平本 故渕 選

胡麻叩く 莚打ちつつ 集めけり       峰月

嵯峨野路を うかと深入り 月の夜      峰月

十三夜 木屋町暗し 易行灯         峰月

実むらさき 母を看取りし 末子なる     峰月

2011.11.29 渋柿 12月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


桐一葉 御所の静寂を 破りけり    峰月 佳作

  課題句 武田 知子 選

大西日 曝さるる老ひ あからさま      峰月

星飛んで 漁火ひとつ ふえにけり      峰月

蜉蝣の 草に止まれば 草となり       峰月

衣被 薄き色あぢ 京風に           峰月

2011.10.29 渋柿 11月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


看取るとは 子の見つるもの 夜の秋 峰月 佳作

               課題句 赤松 彌介 選

はじめての 浴衣に袂の 長さかな    峰月

風の道 繭のかたちに 妻昼寝       峰月

青楓 一枝を添へ 焼き魚         峰月

躊躇せず 飛び石をゆく 白日傘     峰月

2011.09.29 渋柿 10月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          四句選


夏至の日の 夕刊読みて 水遣りて  峰月 佳作

       渋柿 9月号 課題句 大島 麥邨 選

河骨の ひとりぽっちの 花灯す       峰月

蓮見舟 浄土の端を のぞきけり       峰月

可惜夜の 蓮の花再び 満を持す      峰月

時の日や 背伸びして捲く 捻子時計    峰月

郭公を 四方に聞きけり 熊野道       峰月

2011.08.27 渋柿 9月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          五句選


菜殻束 振りて蛍の 火を這はす  峰月  佳作

    渋柿 8月号 課題句 中須賀 玉翠女 選

茶摘女の 愚痴を聞き合ふ 山の畑     峰月

曳き売りの 今朝は青梅 盛り来たる    峰月

燕の子 親の頭を 呑むほどに      峰月
   選後寸言
評 この様は私も詠みたくて詠みえなかったので、あえて加えた。玉田佐知子
母の日の 真夜の厨の 水の音        峰月

2011.07.28 渋柿 8月号 巻頭句 松田 潔 選
                          四句選


春陰や 明智ヶ藪の 径細き      峰月 佳作

春陰や 影なき岩の 磨崖仏      峰月 佳作

    渋柿 7月号 課題句  織田 美奈子 選

春日傘 廻して嘘を 隠しけり        峰月

薬師寺の 塔の重なる 遅日かな     峰月

可惜夜の 桜もべかり 懺悔なく      峰月

春霖や 艶めくものに 長恨歌       峰月

簪の きららかに 都をどりかな       峰月
     選後寸言

2011.06.25 渋柿 7月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          五句選


入彼岸 色のやさしき 京和菓子    峰月 佳作

彼岸会や 吉野行なる 終電車     峰月 佳作

                課題句 中川 久子 選

水芸のごと 芽柳の 抹茶色          峰月

たんぽぽや 近江に多き 城の跡       峰月

干し竿に 羽ばたくシャツや 東風強し    峰月

2011.05.25 渋柿 6月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          三句選


鎌倉に 古地図ありけり 実朝忌   峰月 入選

               課題句 真田 政之助 選

見納めと つど言ふ母や 花吹雪     峰月

手垢無き 聖書や 旅の冬の宿       峰月

実朝忌 宮前浜の 波高く          峰月

寒の夜の 千日前や 鎌の月       峰月

2011.04.26 渋柿 5月号 巻頭句  松岡 潔 選
                          四句選


右手比叡 左手愛宕や 淑気満つ    峰月
     佳作
 めて      ゆんで
鬼太鼓の 浜の習ひや 淑気満つ    峰月
     入選
おんでこ
                 課題句 武田 健 選

島ごとに 鷹柱あり 三羽ほど      峰月

庭稲荷 繁昌の注連 新たなる      峰月

初場所の 番付貼れる 晦日蕎麦    峰月

雪兎 赤き実の目を 残し逃ぐ      峰月

艶の出ぬ 文具四宝や 淑気満つ    峰月

2011.03.30 渋柿 4月号 巻頭句 松岡 潔 選
                          五句選


数へ日の 笛吹きケトル 鳴り続く     峰月
  佳作

数へ日の 段々消ゆる 予定表      峰月
     佳作

2011.02.28 渋柿 3月号 課題句 戎能 多喜 選



新暦 掛くる柱の 新しき            峰月

近づけば 中にをりけり 霧深く       峰月

敷紅葉 踏みゆく道や 直指庵       峰月

2011.02.28 渋柿 3月号 巻頭句  松岡 潔 選
   三句選

ペンギンの 散歩待ちゐる 冬の園     峰月
      やなぎ庵

小春日の 尼寺を訪ふ 竹の道     峰月
  佳作

雑魚干して 茣蓙に纒むや 小春凪    峰月
    入選

2011.01.25 渋柿 2月号課題句 大林 とみこ 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします


ひとりだに 遭はぬまひるの 木の葉道   峰月
晩秋はその冬へ向かって万物が凋落の歩みを早める時季と。

紅葉散るや 水の面と 水の底         峰月

無地染の 見本と言はれ 実むらさき     峰月

近江平野の 一条の痕 稲を刈る       峰月

行過ぎて 視野を戻せる 紫苑かな     峰月

鰯雲 海より来たり 潮匂ふ          峰月

秋蚊打ち 悔いつつ読経 誦しけり      峰月

2011.01.25 渋柿 2月号 巻頭句  松岡 潔 選
    七句選


カルストの 羊の岩や 草紅葉  峰月 佳作

草紅葉する 木曽路来て 五平餅  峰月 入選

     渋柿 1月号 課題句 喜多山 敏代 選

栗のみの 菓子の老舗や 木曽路なる   峰月

呟きの やうに鳴き継ぐ 残る虫       峰月

天領も 素知らぬ顔に 秋の風        峰月

2010.12.25 渋柿 巻頭句 1月号 松岡 潔 選
   三句選


白山の 湧水いただく 稲の花   峰月 佳作

      渋柿 12月号 課題句 富田 昌宏 選

秋されや 竹の葉ずれに 行く小径      峰月

切りし角 薪のごとくに 供へけり       峰月

信濃路や 夜目にも白き 蕎麦の花     峰月

秋の蝶 風にはぐれて をりにけり      峰月

2010.11.26 渋柿 12月号 巻頭句 松岡 潔 選
   四句選


初秋や 水琴窟の 音澄みて      峰月 入選

      渋柿 11月号 課題句 大島 麥邨 選

夕霧へ 蝋涙の燭 律の風           峰月

竹透くや 嵯峨は隈なく 秋光裡        峰月

紙魚飼うて 売るつもりなき 天金の書    峰月

牧の牛 巌の如し 青嵐             峰月

2010.10.27 渋柿 11月号 巻頭句 松岡 潔 選
    四句選


もてなしは 青き風なる 夏座敷    峰月 佳作

      渋柿 10月号 課題句 平本 故渕 選

何度かの 蛍宿への 電話かな        峰月

加賀路行く 列車の外や 梅雨の闇     峰月

梅雨空の 闇の深さや 比叡の灯       峰月

手掛かりへ 胡瓜の蔓の 漲れり       峰月

2010.09.29 渋柿 10月号 巻頭句 松岡 潔 選
   四句選


螺子を 巻く町屋の軒の 釣忍     峰月 佳作

     渋柿 9月号 課題句 栃木 光歩 選

繋がれし 灯となりし 夜店かな        峰月

木洩れ日を 啄む雀 夕立果て        峰月

藍浴衣 風吹きくれば 脛白し         峰月

人類は 水より生れぬ 泳ぎけり       峰月

2010.08.27 渋柿 9月号 巻頭句 松岡 潔 選
   四句選


青芝に 仰臥碧落 目に遥か      峰月 佳作

白球の 転びしよりの 芝青し     峰月 佳作

       渋柿 8月号 課題句 武田 知子 選

輪積みして 会津下駄材 桐の花       峰月

店頭に 水売りてをり 原爆忌          峰月

緋床几に 余花ひとひらと 日の斑かな    峰月

壬生狂言 黙より生るる 笑ひあり       峰月

気紛れに 国旗を掲ぐる 昭和の日       峰月

2010.07.27 渋柿 8月号 巻頭句 松岡 潔 選
   五句選


春暁や 影を顕に畝傍山        峰月 佳作

春暁の 出船を追ひて 鴎翔つ    峰月 入選

2010.05.28 渋柿 6月号 課題句 三原 美加 選

淡海には 霞むものとて 近江富士    峰月

啓蟄の 奈落にたむろす 演者かな   峰月

春雨の 京友禅の 家並みかな       峰月

綾取りを 川に戻して 麗らけし       峰月

2010.05.28  渋柿 6月号 巻頭句 松岡 潔 選
   四句選

冴返る 鍵の壊れし 船箪笥      峰月 佳作

冴返る 佳き香佳き色 墨を磨る   峰月 入選

     2010.04.29 渋柿 課題句 赤松 彌介 選

料峭の 絵馬堂剥落 おびただし     峰月

天地無き 金の屏風や お正月       峰月

竹伐りて 蒼天新たに 生れけり      峰月

鮭骸 二つ寄り添ひ 動かざる       峰月

巌頭を 雪化粧せり 浄土ヶ浜       峰月

2010.04.29 渋柿 5月号 巻頭句 松岡 潔 選
    祝五句選


初旅の 鞄は大き 商旅なり      峰月 佳作

   2010.03.28 渋柿 課題句 中須賀玉翠女 選

鹿威しに 頷いてをり 石蕗の花      峰月

書き掛けの 賀状鞄に 小旅行       峰月

2010.03.28 渋柿 4月号巻頭句 渡邊 朴抱子 選
  二句選


綺羅星を 掲ぐる児をり ポインセチア 峰月入選

   2010.02.26 3月号 課題句 織田美奈子 選

払暁の 出船を追ふや 冬かもめ     峰月

火縄銃 長押に雪の 湯治宿         峰月

神鼓鳴る 庭広々と 初詣          峰月

禅林の 奥処に菊の 焚かれをり      峰月

2010.02.26 渋柿 3月号 巻頭句 渡邊 朴抱子 選 再四句選


傘畳む 嵯峨野路またも 時雨来し  峰月 佳作

白兎跳ぶ 砂丘の沖の 時雨かな   峰月 佳作

2010.01.30 渋柿 2月号 課題句 中川 久子 選

うつ伏せの 水甕ひとつ 小鳥来る    峰月

初時雨 女将好みの 利久下駄       峰月

吾亦紅 野火止と言ふ 堤かな       峰月

2010.01.30 渋柿 2月号 巻頭句 渡邉 抱朴子 選  三句選


パッチワークの 端布並べし 夜長かな 峰月佳作

2009.12.26 渋柿1月号 課題句 真田 政之助 選

秋寂びの うだつに溜まる 日影かな   峰月

五六顆の 柿実りけり 一草庵       峰月

2009.12.26 渋柿 1月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


身に入むや 殉教の島 崖高く     峰月 入選

2009.12.01 渋柿 12月号 課題句 武田 健 選

十一面 どの御顔にも 秋の風       峰月

阿蘇のまだ 見えぬ峠や 秋の風      峰月

身に入むや 墓地に紛れし 三角点    峰月

2009.12.01 渋柿 12月号 巻頭句 渡邊抱朴子 選


銀漢や 富士のなぞへに 仰ぎ見て  峰月 佳作

2009.10.28 渋柿 11月号 課題句 戎能 多喜 選

踊る人の 涙を見たり 風の盆        峰月

銀漢の 地球の愚か 見透しぬ       峰月

漕ぐたびに 比良に傾く 蓮見舟       峰月

2009.10.28 渋柿 11月号 巻頭句 渡邉 抱朴子 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

京の奥 無残に曝す 大西日      峰月 入選

2009.09.30 渋柿 10月号 課題句 喜多山 敏代 選

花ざくら ころりころりと 散りにけり     峰月

鉾町の 大屋根並ぶ 鉾の屋根      峰月

2009.09.30 渋柿 10 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選 ショツク


地に這える 蛍青さを 引きてをり    峰月 佳作

ほうたると 胸の鼓動の ひとつなる  峰月 入選

2009.08.31 渋柿 9月号 課題句 大林 とみこ 選


花芽立つ 水の豊に 燕子花       峰月

明易し にはとりいたく 長鳴ける     峰月

噴水の 天辺花の 咲く様に        峰月

2009.08.31 渋柿 9 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


虹の橋 琵琶湖跨ぎて 濃かりけり  峰月 佳作

   2009.07.30 渋柿 8 月号 課題句 原 豊 選


小走りの 人妻路地に 夏きざす     峰月

万緑を 一瀑以て 袈裟懸けに      峰月

万緑に 時止りけり 音も無く        峰月

来る来なひ 桜の下に 占いぬ      峰月

2009.07.30  渋柿 8 月巻頭句 渡邊 抱朴子 選 四句欄


種を蒔く 女の背ら 屈むま々      峰月 入選

     2009.06.27 渋柿 課題句 富田 昌宏 選


膝抱けば 昼三日月や 辛夷咲く      峰月

花ミモザ 亡き娘の年を 数へたる     峰月

殉教の 墓は沖向き 風光る         峰月

2009.06.27 渋柿 7 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


東山 寝たる姿に 山笑ふ       峰月 佳作

乗鞍と 御岳見合ひ 山笑ふ      峰月 入選

     2009.05.27 渋柿 課題句 平本 故渕 選


通されて 暫く雛の 間に座せり      峰月

鳥雲に まだ手庇の 内にあり       峰月

佐保姫の 立てしさざなみ 竹生島    峰月

2009.05.27 渋柿 6 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


下萠や 野路のしるべの 石仏     峰月 佳作

2009.04.31 渋柿 5 月号 課題句 栃木 光歩 選


曲水の 杯を追い越す 花筏        峰月

木の芽摘む 指の痛さの 残りをり    峰月

菜の花の 向こふに酒蔵 なまこ壁    峰月

日の没する 国より黄砂 攻め来る    峰月

2009.04.31 渋柿五月号巻頭句 渡邊 抱朴子 選 四句欄


亡き人の 代筆になる 賀状かな    峰月 入選

2009.03.30 渋柿 4 月号 課題句 中須賀玉翠女 選

金閣の 光りを燻す 時雨かな       峰月

時雨るるや 北山近き 橋灯る       峰月

八つ手咲く 路地の青空 細長く      峰月

2009.03.30 渋柿 4 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


立冬や 地下道抜けて 街の灯に   峰月 佳作

2009.02.02 渋柿 2 月号 課題句 大島 爽邨 選

蔦紅葉 香煙なびきし 翁の墓        峰月

坪庭に 写真の如き 小鳥来る       峰月

青墨に 杉の香渡る 時雨かな       峰月

2009.02.02 渋柿 2 月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


かなかなと 繋ぎし声や 糸電話       峰月

鳴く虫や 生の六道の 戸の隙間      峰月

竹で引く 土俵楕円や 秋あかね      峰月

その涯は 雲となりけり 穂芒野       峰月

もてなしは 夕焼けばかりで ありし宿    峰月

待ち合はす 木に来て鳴けり 法師蝉   峰月

どの道の 闇をゆきても 虫時雨       峰月

抱きしめて 判る匂ひや 萩括る      峰月

杖の影 長く先ゆく 秋遍路         峰月

零余子採る 手のよぼくれて 皆こぼす  峰月

しほからの 翔つ体勢に 止まりけり    峰月

松手入 鼻歌交りの 合いの手に      峰月

箒草 括りて今宵の 空を飛ぶ        峰月

桔梗の 終の小花の 青磁色         峰月

妻の留守 供花の菊の 匂ひけり       峰月

平成 21 年 1 月 特別作品
  入選作品 妻の留守 6点


鮎落つる 淵を臨みて 道祖神   峰月 佳作

落鮎の 流れに背鰭 見え隠れ    峰月 佳作

      渋柿 一月 課題句 三原 美加 選

秋潮の 浜の流木 波に朽つ       峰月

興行の 跳ねて八千代座 後の月    峰月

節つけて 曲となりけり 十三夜     峰月

2008.12.29 渋柿 1月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


秋水や 水棹の突きし 泥煙       峰月 入選

白鷺の 脚をあらはに 秋の水     峰月 佳作

      渋柿 十二月 課題句 渡邉 径草 選

コスモスの 戦ぎに泳ぐ 野の仏     峰月

壇ノ浦 平家の色に 曼珠沙華      峰月

2008.11.29 渋柿 12 月 巻頭句 渡邉 抱朴子 選


流燈の 案内を風に 頼みけり      峰月 入選

  渋柿 十一月号 課題句 真田 政之助 選

梵鐘の 余韻打ち消す 蝉時雨       峰月

咲きしとて 実る事なし 水中花       峰月

   渋柿 十一月号 巻頭句 渡邉 抱朴子 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

川風の 匂ひ至たりし 夜の秋     峰月 佳作

       渋柿 十月号 課題句 武田 健 選

梅雨空に まさかの星を 見つけをり     峰月

夜振火の 炎川面を砕きけり          峰月

昼顔の ものに縋りて 揺れており      峰月

    渋柿 十月号 巻頭句 渡邉 抱朴子 選


夏痩せを 願いてをりし 露天湯に   峰月 佳作

     渋柿 九月号 課題句 荻山 政躬 選

捕へたる 蛍火妻の 指籠に       峰月

手に受けて 清水声ごと 飲みにけり  峰月

蛍火の 点と線とを 継ぎにけり     峰月

    渋柿 九月号 巻頭句 渡邉 抱朴子 選


万緑や 通天橋に 渡る風       峰月 佳作

    渋柿 八月号 課題句 平本 故渕 選

春の日の 長押に昏き 遺影かな    峰月

雪舟寺 石立つ庭の 亀鳴けり      峰月

    渋柿 八月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


遍路道 さくら咲く道 急がずに     峰月 佳作

     渋柿 七月号 課題句 武田 知子 選

安徳帝の 旅路の末や 春の潮      峰月

かたたごの 蕾堅かり 風の道       峰月

ジョギングの 人屈みをり 土筆摘む   峰月

    渋柿 七月号 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


色紙に 解けて漂ふ 流し雛        峰月

    渋柿 六月 課題句 戎能 多喜 選 佳作

指尺に 凡そ一寸 雪間草          峰月

天と地の 仕切り極まる お山焼き      峰月

野仏と 言へど千年 草萌ゆる       峰月

    渋柿 六月 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


丸きもの 過ぐる影あり 春障子      峰月

寺寄席の 果てて背中の 余寒かな    峰月

薄れゆく 朝月掛かる 冬の富士      峰月

    渋柿 五月 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


吉兆に 茶柱もあり 初句会         峰月

    渋柿 四月 課題句 赤松 彌介 選 佳作

夕焚火 嘘投げ入れて 美しき        峰月

前掛けの 銭を数へて 酉の市       峰月

大根抜く 穴より亡母の 声かすか     峰月

     渋柿 四月 巻頭句 渡邊 抱朴子 選


大欅 星鏤めし 聖夜かな          峰月
     ちりば
      渋柿 三月 課題句 松岡 潔 選 佳作

曳く影の 大きく揺れぬ 夕焚火       峰月

大楠の 千年の根に 冬日かな       峰月

寒月を 池に拾ひて たもとほり       峰月

   渋柿 三月 巻頭句 渡邊 抱朴子 選

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします

花茶垣 太陽親し 日曜日        峰月 佳作

     渋柿 二月 課題句 大島 麥邨 選


秋風の 遺跡の上に 住みにけり       峰月

       渋柿 一月 課題句 原 豊 選 佳作

色付きし 林檎の上の 岩木山         峰月

七人の 敵も停年 秋薊           峰月

露持てる 野の草なべて 垂れにけり   峰月

渋柿 平成 二十年 一月 渡邉 抱朴子 選


釣り好きの 亡父思いをり 鰯雲      峰月

 渋柿 12 月 課題句 中須賀 玉翠女 選 佳作

大文字 闇に浮かびて 闇に消え     峰月

砂塚に 落蝉の果て ありにけり      峰月

唐突に 爪弾く三線 秋暑し         峰月

       渋柿 十二月号 渡邊 抱朴子 選


突き出せる 瑞枝に白き 木槿かな      峰月

 渋柿 11月号 課題句 真田 政之助 選 佳作

箒木の 枯果てしまま 風を掃く        峰月

手花火に 見えざるものを 照らしけり    峰月

片陰の 長き御所塀 乳母車          峰月

         渋柿 十一月号 渡邊抱朴子 選


七条を 境に上る 夕立かな          峰月

       渋柿 十月号 渡邊 孤鷲 選 佳作

田水引く 三連水車 千日手          峰月

川中州 青葦伸びし 高さかな         峰月

露天湯の 肩より浴びる 蝉時雨       峰月

          渋柿 十月号 渡部抱朴子 選


梅雨の空 破れ木洩れ日 作りけり       峰月

大花火 拾い切れざる 光かな         峰月

           渋柿 九月号 渡部抱朴子 選

クレヨンの 匂ふ似顔絵 父の日に      峰月

  渋柿 九月号 課題句 三原 美加 選 入選


下京の 低き屋並みの 薄暑かな        峰月

朽ち毬の 懸かりしままや 栗若葉       峰月

老鶯の 小さくこだます 玄武洞        峰月

          渋柿 八月号 渡部 抱朴子 選

緑さす 曲水 杯を  運びけり          峰月

      八月号 課題句 富田 昌宏 選 佳作


散る花の 甍染めけり 天満宮         峰月

          渋柿 七月号 渡部 抱朴子 選

業平の 釜に木洩れ日 竹の秋        峰月

       七月号 課題句 渡邉 径草 選 入選

落柿舎の 蓑も濡るるや 竹の秋       峰月

       七月号 課題句 渡邉 径草 選 佳作


   ここからでも聖和の直さんへもどれます。



日の当る 水琴窟や 小鳥来る         峰月

撫で牛の 顔磨かれし 小春かな       峰月

折鶴に 鋭角多し 冬の雷            峰月

  渋柿 平成十九年二月号  渡部 抱朴子 選

万事 恵比須一人に 神の旅          峰月

       二月号 課題句 玉井 翠陽 選 佳作


茣蓙売の 一夜干し屋に 時雨かな      峰月

木曾殿の 墓とは知らず 冬の鳥        峰月

釣籠の 銭の重さや 十二月          峰月

       渋柿 三月 巻頭句 渡部抱朴子 選

       三月号 課題句 中川 久子 選 佳作

遺言と まがふ分厚き 日記買う        峰月

いとしみつ 書き溜む履歴 日記買う      峰月



     渋柿 四月号 巻頭句 渡部抱朴子 選

持ち駒の 香車一枚 悴みて          峰月

正月を 廻してをりぬ 万華鏡          峰月

通勤の 和服まばらに 四日かな        峰月

大寒や 停留所の灯 一つだけ         峰月

       四月号 課題句 武田 知子 選 佳作

初午の 辰巳稲荷を 濡らす雨         峰月

山茶花の 咲き且つ散りぬ 石畳       峰月



      渋柿 五月号 巻頭句 渡部抱朴子 選

野仏の 在す辺りや 残る雪          峰月

      五月号 課題句 中川 草楽 選 佳作



一刷毛の 日矢に崩るる 薄氷         峰月

嘆きてふ 姿置きけり 涅槃絵図        峰月

      渋柿 六月号 巻頭句 渡部抱朴子 選

迂路を来て 悔いの重さや 春の泥      峰月

      六月号 課題句 平本 故渕 選 佳作

  北村峰月 聖和の直さんへジャンプします


inserted by FC2 system