北村峰月の俳句会

ロマネコンティ俳句ソシエテ

2011.07.10  同人 入会

兵庫県 宍粟市 山崎町 山崎 317

同人代表 編集 発行人 播磨 穹鷹

顧問 同人会 会長  後藤 九尼克



大体 一週間で 1000句内外を 互選して 特
選三句 佳作十句 を選び秀作を 五句 を 
投句できる。この俳句レベルの方で 参加希望
者を募ります。 そして同人に紹介致します。














フクシマの いびつな空や 小鳥来る              峰月

    冬 特選 井 お 坂 ひ 沙 量 渉 美 佳作 10 票

番ひ鳰 互ひに潜り 相逢はず                 峰月

   佳作 4  4票

枯木立 遠き時間を 梳る                    峰月

                       特選 1 佳作 2  4票

冬帝の 妻は一途な 雪女郎                  峰月

鑑賞 井原 三都子  道理で ! 雪女郎は 冬帝の妻だったのか。何だか腑に
落ちる話だ。しかし 彼女の業績を思うと、 ん と考えてしまう。

                       特選 1 佳作 2  4票

咳すれば 妻の咳する 厨かな                峰月

                            佳作 3   3票

2016.01.01 ロマネコンティ 誌上句会 172 号 1 月号 互選



風邪童子 途切れ途切れの 子守歌              峰月

  佳作 4 票

秋灯 病室に数多の 頑張れ                  峰月

  佳作 4 票

冬の浪 見に行く為の 0番線                  峰月

                         特選 1票 佳作 4票

ぼろ市に パンドラの箱 半値買ひ               峰月

                                佳作 4票

罹癌以後 余生とするも 枯野中                峰月

                                佳作 5票

2016.12.01 ロマネコンティ 誌上句会 171 号 12 月号 互選



草笛  有坂 花野 1点 魚川 圭子 0点 鈴木 砂紅 0点
     鈴木 三山 1点 十河 宣洋 0点 高橋比呂子 1点
     棚橋 麗未 0点 永井  潮 1点 久光 良一 0点
   平岡 久美子 0点 平野 博之 5点 森  さかえ 2点
松原 君代 0点  合計 12 点 第六位

5 3 2 1  の 11 点持ち

ロマネコンティ 第五回 年度賞 第二次審査得点 11編



草笛  有坂 花野 3点 魚川 圭子 1点 鈴木 砂紅 3点
     鈴木 三山 3点 十河 宣洋 1点 高橋比呂子 3点
     棚橋 麗未 3点 永井  潮 1点 久光 良一 1点
   平岡 久美子 1点 平野 博之 5点 森  さかえ 3点
松原 君代 0点   合計 28 点 第三位

55 333 11111 の 24点 持ち

ロマネコンティ 第五回 年度賞 第一次審査得点 16編



59位 秋霖や 些細な事に 妻泣かす            峰月

                 特選 根 之 城 佳作 多  7点

評 秋に降る長雨は肌に寒く始末に負えない。些細な事で妻を泣かすことが
自分自身からの経験からもある。後で考えると寂しい恥ずかしい話です。

月今宵 尻尾隠さぬ 古希狸                 峰月

                               佳作 四票

泣き真似の 泣けて夕焼け かごめ鬼            峰月

                               佳作 四票

大原女の 頭上に運ぶ 残暑かな              峰月

                                佳作 四票

懺悔室 狭き格子や 月今宵                 峰月

                                佳作 三票

170回 十一月号 ロマネコンティ同人 誌上句会  



万燈籠 真下に作る 闇の濃き                峰月

                   佳作 一票 特選 二票   3 点

佳境とは 木偶に使はれ 阿波文楽             峰月

                             特選 一票 1 点

月光や 最果てに五指 観世音                峰月

         佳作 一票  1 点

2016.10.01 ロマネコンティ 第 3 回 茨城句会


御絞りの 頭より拭く 盆の僧                  峰月
                              4 票  佳作

万緑と 万緑重なり 億緑と                   峰月
  5 票  佳作

のうぜんの 記憶不動の 睨み付け              峰月
                              4 票  佳作

帰省子と どしてどしての 児の来たる            峰月
  4 票  佳作

すがれ蝉 その一声を 辞世とす                峰月

                              4 票  佳作

2016.10.01 ロマネコンティ 169 号 10 月号 互選



炎昼に 米櫃を置き 穀象虫                  峰月
                               5 票  佳作

遠比叡 裾は琵琶湖の 夏に侵く               峰月
  5 票  佳作

ほうたるの 草の深さは 罪の恋                峰月
                              4 票  佳作

瞑想の 眠りに誘ふ 遠蛙                   峰月
  3 票  佳作

観音の 衣として咲けり 烏瓜                  峰月

                    特選 1 票 佳作 2 票 4 点

2016.09.01 ロマネコンティ 168 号 9 月号 互選




空蝉の 歩りくや 風の立つ毎に                峰月
                               4 票  佳作

風薫る 私の羽化を 急かせけり                峰月
  5 票  佳作

子等の輪に 蛙呑む蛇 苛まる                 峰月

                              4 票  佳作

這ひ這ひの 一目散や 武者飾                峰月
  3 票  佳作

変換の 出来ぬ方言 囀れり                  峰月
評 携帯 スマホ パソコン と便利な世の中であるが、方言はそんな地方独特
の伝統文化なのである。季語が効果的。
             特選 5 票 佳作 1 2 票 22 点 第五位
評 鈴木 三山 現代は手書きが少なくなりつつあり、専らワープロの時代とな
った。欧米では古くからタイプライターで印字していたのでワープロ打ちには慣
れているのだろうが、今のワープロには変換機能があるので大変便利である。
しかし流石に方言までは変換できない。もっとも方言まで変換しょうとしたら倍
以上のデーターが必要とされるから暫くは無理だろうと思われる。しかしいつか
はそうなるかもしれない。そう言えば鶯などに方言と思われる節があるそうなの
で興味深いことである。
評 とくぐいち さん  林 冬美 さん 久居 智子 さんからも 寄せられてい
ます。
2016.08.01 ロマネコンティ 167 号 8 月号 互選



夏山を 向く象の尻 描かれり                 峰月

  井上 和子 佳作 中村 光影子 佳作 2 点

嬰の四肢に 日焼けクリーム 動物園            峰月

         嶋本 美千代 佳作  井上 和子  佳作 2 点

薫風の 上に鼻面 麒麟食む                 峰月

         嶋本 美千代 佳作  井上 和子  佳作 2 点

蟇蛙 隅に正しく 端座せり                  峰月

         中村 光影子 佳作 嶋本 美千代 佳作 2 点

2016.06.04 ロマネコンティ 第 3 回 京滋句会 京都市動物園


ほうたるの 草の深さは 罪の恋                峰月

手に受けて 緋牡丹にある うす湿り             峰月
評 久居 智子 実感的である。 大輪の牡丹に触れ、花びらをなぞると、しっと
りとした冷たさを感じる。厚みがあり湿り気があり頬を寄せたくなる魅惑を持って
いる。牡丹以外でこの実在感を得ることは難しいのではないか。まして緋牡丹
である。
評 十河 宣洋 うす湿りの繊細な感覚がいい。牡丹のしっとりとした感じが手
に伝わってくる。類句がありそうだがないと思う。

信貴生駒 葛城金剛 雲の峰                   峰月
評 今井 浩嗣 テンポが良く近畿地方の有名な山が並んでいます。地図を見
ながら、どんな順番であろうと考えてみました。見た位置からの距離感だとする
と、詠んだ場所は、大阪側なら藤井寺、奈良側からなら法隆寺になるでしょう。
しかし順番の答えは山の名前以外の部分に隠されています。最後に雲の峰が
出てきます。当然一番高いところにあります。という訳で大阪と奈良を隔てる有
名な山を低い方から順番に並べているのでしょうというのが政界の一つでしょ
う。考える過程で季節が夏だけに軍艦の名前が絡んでいるかもと思いました
が、幸いなことに信貴に該当する軍艦を見つけることができませんでした。とい
う訳できっと晴れ渡った天気の下での、美しい日本の景色だと信じたいです。

評 森 さかえ 「信貴生駒葛城金剛」というのは奈良盆地の西、大阪との境に
そびえている山々である。それぞれ信貴山、生駒山、葛城山、金剛山で、

手の内に 槍と金銀 柏餅                    峰月

夏めきて 身の喫水を 深くせり                峰月

24位 11票  貞 チ 基 壽 特選 ま 翠 誠 佳作

2016.06.01 ロマネコンティ 167 号 7 月号 互選



万緑を 白塗り格子に 区切りけり              峰月

                       冬木 唯夫 佳作 1 点

風薫る 羽化を果たせし 白鷺城               峰月

                      村上 美津代 特選 2 点

薫風の 四隅に城の 武者隠し                峰月

   網代 勝 特選 豊津 一色 藤崎 洋子 選 佳作 4 点

桐の花 播州姫路は 天下晴れ                峰月
                    村上 美津代 選 佳作 1 点

2016.05.13 ロマネ神戸句会 姫路城 吟行 俳句大会  互選


うすうすと 昼月を掲げ 花うつぎ                峰月

                        氷室 茉胡 佳作 1 点

卯の花の 且つ散る早瀬 貴船川               峰月

 網代 勝 特選 橋田 草径 村上 美津代 選 佳作 4 点

照らされて 海月演ずる 水族館                峰月

冬木 唯夫 特選 氷室 茉胡 特選 選 志波 恵 佳作 5 点

2016.05.13  第十七回 ロマネコンティ 神戸 俳句大会  互選


追分に 燕 伊勢路を 目指しけり              峰月

嶋本 美千代 佳作 廣川 孝彦 佳作 中村 光影子 佳作 
                                 3点

夏厨 闇に火除け札の 見当たらぬ             峰月

豊津 一色 佳作 播磨 穹鷹 佳作 嶋本 美千代 佳作
  井上 和子  佳作 4 点

子燕や 駕籠に乗ろうか 草津宿               峰月

                          嶋本 美千代 佳作

その他の 出席者     冬木 唯夫 西川 由紀子

2016.05.07 ロマネコンティ 第 2 回 京滋句会 草津本陣



春の海 遠釣舟の 胡麻散らし                 峰月

  佳作 4 点

堅香子や 俯く恋の 衒ひなく                 峰月

                                佳作 3点

取り敢へず 足を裸に 花疲れ                 峰月

                       特選 一票 佳作 5 点

何が待つ 何急ぐかな 雪解川                 峰月

                                佳作 3点

鐘おぼろ まりあ像ある 古灯籠                峰月

                                佳作 3点

2016.05.01 ロマネコンティ 166 号 6 月号 互選


催花雨と 又の名ありぬ 夜雨であり            峰月

淋代や 波の斜めに 鳥帰る                 峰月

                                佳作 1 点

手重りに 嬰を抱きけり 初雛                 峰月

                                佳作 1 点

2016.04.14 第二回 ロマネコンティ 茨城 俳句会


ランドセル 昨日の園児 入学す               峰月

                森 かづこ 選 特選  2 点

晴々と 爺が名付けし 入学児                峰月

                 網代 勝 選 特選  佳作 3点 

入学し 直ぐに発病 遺影の子                 峰月

                                佳作 1 点

白木蓮 一羽羽搏く 花はじめ                 峰月

    森 かづこ 特選 村上 美津代 特選 選 佳作 5 点

評 村上 美津代 「一羽羽搏く」の表現が良いと思いました。今まで枯木と思
っていたのに急にひとつ大きな花が咲いているのに気付いた作者。蝶か白鳥
に見えたのを羽搏くと表現されたのには感心しました。

春眠の 嬰児の笑みて 皆笑みて               峰月

 氷室 茉胡 選 赤ちゃんの打算無き、穢れ無き笑顔。周りの人を幸せな気
分にします。

                 氷室 茉胡 特選 選 佳作 3 点

2016.04.23  第十六回 ロマネコンティ 神戸 俳句大会  互選


臍の緒を 納む桐箱 朧の夜                 峰月

                         森 かづこ 選 特選
評 赤ちゃんの誕生、無事にとれた臍の緒を桐箱に納める時の喜び。何とも感
無量のご家族の幸せを表現した句と思われます。            

臍の緒を 納む桐箱 朧の夜                 峰月

                         氷室 茉湖 選 特選
評 子の誕生を喜びながらもこれからの長い人生を慮る親心朧の季語が効い
ています。我が家にも母の死後、和箪笥から助産婦の名前入りの桐箱があっ
たなぁ。


俳諧と 徘徊の似て 朧かな                  峰月

                        互選句 特選以外の高得点句

恋猫や 出会ひは常に ひょんな事              峰月

                         志波 恵 選 特選
評 ひょんな事ってよく使う表現ですけど具体的にはどんなことでしょうね。そう
ですね。出会いというのはみんな思わぬ出会いなのでしょうね。面白い句だと
思い取ってしまいました。又、茉湖さんも猫のみならず人にも当てはまること。
人生は偶然の連続と句に共感しました。                      

2016.03.13 ロマネコンティ 第15回 神戸 句会  互選


逝きし子に 譲らるる筈の 古雛                峰月

                               佳作 3 票

眠る児の 離さじ紫雲英の 花冠               峰月

           岡田 初音 特選 合計 特選 2 票  点

評 岡田 初音 れんげ畑で遊びはな冠を作って呉れたのは誰でしょう。遊び疲
れて眠ってしまった子の手には、美しく作られた花かんむり。その様子が目に
見えて、わたしも幼い頃を思い出しました。こんな可愛い句が好きです。

プリズムの 中に咲かせる 桃の花               峰月

                               佳作 4 票

古着解き 作る雛は 母の顔                  峰月

                               佳作 5 票

諸子釣り 父性の情は 言葉無く                峰月

                    特選 一票 佳作 一票 3点

2016.04.01 ロマネコンティ 166 号 5 月号 互選




諍ひの 妻に突き出す 桜餅                  峰月

 津 房 胡 祭 並 頼 文 誠 淑 佳作 九点 37 位

鶴帰る 観音の指 涯とせり                  峰月

                               佳作 4 点

貧乏を 十八番に昭和 冴え返る                峰月

                               佳作 5 点

踏青や 大草鞋吊る 仁王門                 峰月

                               佳作 4 点

白杖の あはれ一歩は 春泥に                峰月

                               佳作 4 点

2016.03.01 ロマネコンティ 165 号 4 月号 互選


啓蟄や 日はひたすらに 地を抱く              峰月

           廣川 孝彦 特選 播磨 穹鷹 準特選 3点

春泥に 諭されている 老いの杖               峰月

          嶋本 美千代 本 井上 和子 選 佳作 2点

2016.03.05 ロマネコンティ 第一回 京滋句会 山科アスニー


白魚を 桝に量りて 販ぎけり                 峰月

                         森 かづこ 選 特選

白魚の 何を喰うて 透くるかな                峰月

                          村上 美津代 特選
評 遺伝子と知りながらもこんな美しい魚になるのかと思わずにいられませ
ん。その気持ちは上手に表現されています。           

白魚の 何を喰うて 透くるかな                峰月

                            岡野 吟子 特選
評 探求心旺盛な性格が滲み出ている。何事も清らで透けるような美に憧れ
ていることに、ふと白魚からはっきりと知った。            

汲み上げて こぼさじ春の 観覧車              峰月

                         橋田 草径 選 特選
評 汲み上げて観覧車のボックス席で春を汲み上げている情景は素晴らしい。

2016.03.21 ロマネコンティ 第11回 神戸 句会  互選


破墨もて 雪の嵐山 素描せり                 峰月

                                佳作 3 点

寒林の 涙の涸れし 形なりし                 峰月

  佳作 5 点

我富めり 新年に受く 七億円                  峰月

十河 宣洋 評 私のカバンにも 七億円が入っていたが、先日抽選発表
があり、三百円になった。三千円で七億円が買えるのだから楽しい。こういう夢
を持つことは心の豊かな人である。
                                佳作 3 点

溶かされて 自分に戻る 除夜の風呂            峰月

                特選 2票 佳作 2 点 合計 6点

見はるかす 阿倍野に四方の 初景色            峰月

                               佳作 3 点

2016.02.01 ロマネコンティ 164 号 3 月号 互選


口寄せの 娘の声高き 雪催ひ                峰月

鮟鱇の 腹の膨るる 末期水                  峰月

                             互選句 高点句

蓮掘りの 脱げば片足 なほ沈む               峰月

評 泥の中で育つ蓮根を折らないように丁寧に掘り進むのだが、片方の足に力
を抜けば、そのはずみでもう片方の足が沈む。蓮根の収穫の大変な様子が良く
わかると,句に沿った鑑賞をした。                       
         
                        富田 しほり 選 特選

2016.01.22 第 1 3 回 ロマネコンティ 神戸句会 


虎落笛 死なばすべてが 遺品なる              峰月

     勝 野 特選 昭 り 沙 並 桂 佳作 9 票 45 位

オリオンの 左傾ぎに 鮮しき                  峰月

  佳作 3   計 3 点

冬の海 船におけさや 越佐海峡                峰月

  佳作 3   計 3 点

省略を 素朴に並べて 枯木山                峰月

  佳作 5   計 5 点

何回も 問はれ厨に 風邪臥妻                峰月

  特選 1 佳作 2   計 4 点

2016.12.01 ロマネコンティ 163 号 2 月号 互選


寒風に 白砂食むや 磯馴れ松                峰月

                              互選 入選句

沖の灯の 無き海女の径 虎落笛               峰月

                              互選 入選句

虎落笛 其処此処にある 獣の目               峰月

                              互選 入選句

虎落笛 耳を塞がば 背を襲ふ                峰月
評 拍忠さんは泣き叫ぶ音から逃げられぬ。人の世もどうしょうもなく、災難が
ある。お初天神の難転石を回してきました。               
                            和田 柏忠 特選

妻留守の 小半酒や 虎落笛                 峰月
評 恵さんは奥様を想い愛すべき現代の優しき夫。二合半で楽しめる一人酒。
可愛いをのこですこと。                            

                   網代 勝 特選 志波 恵 特選

2015.12.11  ロマネコンテ 関西 合同 忘年 句会


鯛焼きや 光影子氏と 見る布袋               峰月

                            橋田 草径 佳作

立冬や 未だ腹出す 布袋尊                  峰月

                            藤崎 洋子 佳作

母の忌や ははそ落葉の 虫を守る             峰月

                            播磨 穹鷹 佳作

店先に 剥き立ての形 吊るし柿               峰月

  網代 勝 特選 橋田 草径 藤崎 洋子 佳作 4点 3位

2015.11.07 第14回 関西句会 宝塚清荒神清澄寺 吟行


影踏みに 妻のはしやぎて 良夜かな            峰月

  特選 1  佳作 2   計 4 点

手話習ひ コスモスの言ひ分を聞く              峰月

  佳作 5   計 5 点

揺れ足りぬ コスモスにある 幻影肢             峰月

  佳作 3   計 3 点

伊良湖崎 風乗り換へて 鷹渡る               峰月

特選 く 1  作佳 福 中 美 須 祭 5  計 7 点 72 位

評 鈴木三山 伊良湖岬には悲恋の伝説があり、訪れたときの懐かしさが一
気にこみ上げてきた。 
評 中村光影子 伊良湖崎は渥美半島の最突端にあり、日本の燈台五十選
に選ばれた燈台であり太平洋から伊勢湾三河湾までを一望できる。この岬では
十月初旬をピークにして壮大な鷹の渡りが見られる。一日に数千羽の鷹が大
空いっぱいに次々と対岸の志摩半島を目指して飛んでゆく。この句はこの渡り
を実際に見学しての情景句。「風乗り換えて」に観察眼と作者の詩情を感じる。

先駆けて 田を刈る事も 越後平野              峰月

  佳作 3   計 3 点

2015.11.01 ロマネコンティ 162 号 1 月号 互選


団栗の どっちに隠れ 右手弓手               峰月

                                   互選句

肥後守 何時しか不明 木の実独楽             峰月

                          森 かづこ 選 特選

白萩の 縁に目馴れて 躾取る                 峰月

 若い人には作れない句だと思います。着物の躾をとる作業私は嫌いじゃない
な。自分の着物だともっとワクワクしたりして。                  
                           志波 恵 選 特選

2015.10.21 ロマネコンティ 第11回 神戸 句会  互選


子規釈尊 導く句縁 曼珠沙華                 峰月
  佳作 3   計 3 点

獺祭忌 佛鬼羅坊と 糸瓜供ふ                峰月
特選 1  作佳 3   計 5 点

三伏拝 子規忌法要つつがなく                 峰月
  佳作 4   計 4 点

子規の忌や 句縁がやがや 子規語る            峰月
  佳作 3   計 3 点

法隆寺に 坪内捻典 柿買いぬ                峰月
特選 1  佳作 1   計 3 点

2015.10.01 ロマネコンティ 161 号 1 2 月号 互選


陽気なる 幽霊ならば 酌まんかな              峰月

                          佳作  1 点 7 9 位

冷奴 卓に置き去り 妻の留守                 峰月

                          佳作  2 点 7 8 位

油虫 you は 飛ぶから 大嫌い                峰月

                        特選 り 2 点 7 8 位

甚平や 湖国は風の 生れ処                 峰月

         特選 啓  佳作 砂 益 レ 須 6 点 1 9 位

草笛を 吹き遠きひと 振り向かす              峰月

             特選 潤  佳作 春 幼 4 点 3 7 位

第十回 ロマネコンティ 全国大会 千葉 犬吠埼 大会


己が墓 影の先行く 秋彼岸                  峰月

                  網代 勝 選 特選  2 点

蕎麦咲けり 山襞の形 そのままに              峰月

    藤崎 洋子 選 特選  村上 美津代 選 佳作 3点 

秋霖や 諏訪湖溢れて 天竜川                 峰月

                    村上 美津代 選 佳作 1 点

2015.09.23  第十回 ロマネコンティ 神戸 俳句大会   互選


花果てて つくぞつくぞと 盗人萩               峰月

  藤崎 洋子 選 佳作 森 かづこ 選 佳作  2 点

熟れ頃に 赤き鳥来よ 水木の実               峰月

          藤崎 洋子 選 特選  森 かづこ 選 佳作
          富田 しほり 選 佳作 4点 同点 第 三 位

四阿に 風交差させ 昼の虫                  峰月
 
          富田 しほり 選 特選 藤崎 洋子 選 特選
          村上 美津代 選 特選  6 点  第 一 位

2015.09.23 ロマネコンティ 神戸 相楽園 吟行 句会  互選


人ひとり 柱と数ふ 終戦日              峰月

          津 須 特選 大 英 梅 佳作 7 点 65 位

大き火は 小さき火を呑む 曼珠沙華        峰月

                                佳作 4 点

恐竜の 遺骨のあまた 盂蘭盆会           峰月

  佳作 5 点

秋霖や 畳下に湿る 札の束            峰月
   多田 英治 評 マイナンバー法がきつくなるとこんな光景が見られるよう
になろうが、私には関係がない。夢か。
  英 特選 3 佳作 5 点

繋ぐ手の 握り返して 蛍の夜             峰月

  鳥 特選 勝 英 空 都 佳作 6 点 86 位

2015.09.01 ロマネコンティ 160 号 1 1 月号 互選


干しっぱなし 脱ぎっぱなしの 蛇の衣         峰月

      佳作 菊 柴 く 正 風 梅 道 7 点 7 1 位

すててこで ポストまで行く 妻の留守            峰月
 
十河 宣洋 評 この二句に思わず笑ってしまった。妻の留守のステテコ姿は
楽しい。昔といっても50年ほど前は、列車に乗ってもステテコで寛いでいるおっ
さんを多く見かけた。今はあまり見かけない。外をステテコで歩いている人も見
かけなくなった。脱ぎっぱなしだって鬼の居ぬ間の何とやらである。最近では女
性用のステテコを売っているが穿いているところを見たことがない。下着である
ので当然であるが。                             

鈴木 三山 評 かって一世風靡した植木等のスーダラ節が懐かしい。貧しい
ながらも懸命に生きていた庶民の暮らし。三丁目の夕日の光景が瞼を過る。ポ
ストに俳句の投稿でも入れに行ったのだろう。妻が居れば決して許されないス
テテコ姿のままである。夏の盛りもやや過ぎたあたりの下町の風物詩がほのぼ
のと思い浮かぶ。                                     

深沢 ヒサ子 評  近所にあるポストまで、暑いし ま いいかとすててこで出
かける。知り合いに逢うが暗黙の了解である。妻の留守の下五が利いていてと
ても面白い句。妻が居たら当然止められこんな事ありえない事を充分わかって
の上でとった行動。悪戯っ子のようでもあり解放感に浸っているようでもあり、楽
しい句と思いました。                                   
  特選 白  佳作 丸 ヒ 桂 柴 並 禎 露 9 点 4 1 位

青蛙 三つ指つきて 申しけり                  峰月

井原三都子 選 評 ただ単純に「すぐにも雨が降り出します。」と丁寧にお辞
儀をして歌い出しました。おしまい                           
  佳作  5 点 

狛犬の 阿吽に耐ゆる 極暑かな              峰月
  佳作  4 点 

警報の 予告殺人 熱中症                   峰月
  佳作  3 点 

2015.08.01 ロマネコンティ 159 号 10 月号 互選


億年の 地球に汚点 原爆忌              峰月

  特選 6票 節 翠 孝 須 梅 紀 佳作 7票 裕 み 英
 黄 波 靖 す                   第三位 19 点
梅山 幸枝 選 特選 原爆忌の句を特選に選ぶのも、少し気が進まな
かったけれど、句の通りだと その通りだと思ったので 特選にいただきまし
た。億年の地球に世界中で日本の国だけ、しかも二つも原爆を落とされて、辛
く悲しい思いをした。まさに地球の汚点であると思いました。

折鶴に 水を乞はれし 原爆忌            峰月
   特選  6票 井 み 菜 明 量 た  佳作 6票 啓 石 原
                      梅 靖 紀 第四位 18 点

人逝くは 順不同なる 夏椿               峰月
   特選 2 票 渕 歌 佳作 り チ 正 3 票
   65 位 7 点

折鶴の 絶叫聞けり 原爆忌             峰月
特選 1票   佳作 英 貞 正 中 睦 5票
                             65 位 7 点

峡の宿 脳に棲みつく 遠蛙              峰月
  佳作 5 点

2015.07.01 ロマネコンティ 158 号 9 月号 互選



観世音 救ひに痩せて 梅雨晴間              峰月

  岡本 晴美 選 佳作 井上和子 選 佳作  2 点

文字摺り草 恋書き綴る 源氏の間              峰月

 島本  選 佳作 橋田 草径 選 佳作
岡本 晴美  選 佳作 村上 美津代 選 佳作
                       4点 同点第三位

2015.06.13 ロマネコンティ 瀬田 石山寺 吟行 句会  互選


六月に 濡れて新聞 届きけり            峰月
                           佳作 3 点

蝸牛 雨に伸び切り 舌を出す            峰月
  佳作 3 点

間違へし 岐路過去にあり 道をしへ         峰月
               特選 1 票 佳作 2 票 4 点

余生みな 杖に頼りに 白牡丹           峰月
  佳作 3 点

半裂の 足踏ん張りて 水いなす           峰月
  佳作 5 点

2015.06.01 ロマネコンティ 157号 8 月号 互選


日透すしの 杜はみどりの 万華鏡          峰月

   村上 美津代 選 特選  富田 しほり 選 特選 4 点

万緑の 傾るるところ 風見鶏            峰月
なだ                        
西川由紀子 選 佳作 井上和子 選 佳作
 橋田 草径 選 佳作  3点

尖るもの 多き港の 薄暑かな             峰月

 播磨 穹鷹 選 特選 橋田 草径 選 特選
 中村 光影子 選 特選
                       6点 第二位

2015.05.10 ロマネコンティ 同人 神戸吟行 句会  互選


禿頭の 残る髪引く 蠅取紙           峰月
  佳作 3 点
鈴木三山 選 評 蠅取紙も死語になりつつあるのだろうか。いやまだ使
っているところはあるかも知れない。昔は食卓の上あたりによく吊り下げられて
いた。べたべたとする紙にうまく蠅が引っ付いたものであった。時折 蠅が気の
毒な気がしないでもなかったが、さほど汚いとは思わなかった。掲句ではうっか
り蠅取紙に頭が触れてしまったのだろう。それで無くとも残り少ない髪の毛を引
き抜きそうだという自虐めいた可笑しみは実に微笑ましくもある。このような俳
諧味のある作品がもっとあってもいいような気がするが如何だろうか。     


草笛を 長く鳴らして 振り向かす               峰月
                               佳作 5 点

薬玉や おばはん元気 道修町                 峰月
  佳作 3 点

 夏座敷 使わぬ隅の 和釘抜く       峰月
  佳作 4 点

夏帽子 掴み黙祷 闇にゐる           峰月
  佳作 5 点
2015.05.01 ロマネコンティ 156号 7 月号 互選


花幾重 縄張として 和歌山城           峰月

               森 かづこ 選 佳作 1点

散る花の 青石畳 縁取りて             峰月

               岡本 晴美 選 佳作 1点

紀国の 鳥に耳貸す 花便り            峰月

              橋田 草径 選 特選 2点

手鞠唄 鞠の行方は 花吹雪            峰月

西川由紀子 選 佳作 橋田 草径 選 佳作  2点

甲冑の 阿の口にある 春の闇            峰月

  藤原 正子 選 佳作  橋田 草径 選 佳作
  西川 由紀子 選 特選 森 かづこ 選 特選
                       6点 最高点 第一位

2015.04.04 ロマネコンティ 同人 和歌山吟行 句会  互選



吾もまた 水の器や 春淡海           峰月

禎 さ 特選 香 関 中 蜂 魚 保 佳作 10点 24位

森さかえ 評 先年亡くなった 河野 裕子の歌に「たっぷりと
真水を抱きてしづもれるくらき器を近江といえり」というのがあ
る。その暗き器である。近江のように「吾もまた水の器」である
ことに気付いたものである。



初恋の いまだ年上  春の宵         峰月
                            佳作 4 点

つんつんと ふくふくと芽や 春畷       峰月
  佳作 4 点

生欠伸 貰ひて猫や あたたかし     峰月
  佳作 3 点

隧道を 出て春光の 大琵琶湖         峰月
  佳作 5 点

2015.04.01 ロマネコンティ 155号 6 月号 互選


春灯の それぞれ誰かを 待ちゐたり     峰月
  佳作 4 票

桜咲く 狂気七分を 押さへけり        峰月
                       佳作 5 票

生きがひと 遣り甲斐拾ふ 磯遊び      峰月
  佳作 3 票
評 岡田 春人 磯遊びが生甲斐ではないだろう。磯遊から生甲斐と遣り甲斐
のヒントを得たのだろう。以下省略。

子規になき 晩年吾に 春の宵     峰月
                       佳作 5 票

手揉み和紙 ゆくりと春灯 またたけり    峰月
  佳作 3 票

2015.03.01 ロマネコンティ 154号 5 月号 互選


ももんじ屋 猪鹿ありて 蝶は無く           峰月
                   藤倉 頼江 選 特選

水鳥に 縮緬の波 銀の箔                峰月

玻璃越しの ひかりの黙や 福寿草          峰月
                   吉田 克子 選 特選

長崎は 除夜の鐘聞き 弥撤の鐘           峰月

針魚舟 出でし浦波 針魚釣る              峰月
                    森 かづこ 選 特選

2015.03.01 ロマネコンティ 同人紙上神戸句会 2 月号 互選


初御空 手を差し入れて 結ふみくじ      峰月
                     佳作 4 票 4 点

賽振りぬ 生きて双六 どのあたり       峰月
            特選 1  佳作 3 票 5 点

吾が祖なる 六孫王社に 初詣         峰月
                      佳作 3票 3点



枕辺に 下着真つ新 お正月           峰月
  佳作 3票 3点

うしろ手に 障子を閉めて 泣き真似す     峰月
                     佳作 4 票 4 点

2015.02.01 ロマネコンティ 153号 4 月号 互選


金なくて 父権は無けれ 小判草        峰月
                     佳作 3票 3点

乗る筈の バス角曲がる 十二月        峰月
  特選 2 佳作 1 5 点

鮭を打つ 命は音を 立てにけり         峰月
  酒 青 波 蔦 竹 特選 み た 法 佳作 13 点
  17 位
十河 宣洋 評 鮭漁の現場である。引き上げられた鮭を棒で打つのである。
私の知っているのは鮭の孵化場の光景である。以下省略。

時雨るるや 禿頭はなはだ 保水せず     峰月
                     佳作 3票 3点

円空の 省略真似る 冬木立           峰月
  佳作 4 票 4 点

2015.01.01 ロマネコンティ 152号 3 月号 互選


夜の咳や 妻より他に 誰もゐず         峰月
  佳作 4 票 4 点

干しすぎて 木乃伊となりし 日向ぼこ     峰月
             特選 1票 佳作 2票 4点

地酒なら 聞し召すらし 雪女郎        峰月
                     佳作 3票 3点

長針の 短針追ひ越す 去年今年        峰月
  境 蒼 特選 み 潤 嶋 瞬 佳作 8点 53位

居酒屋に 二人となりて 寒さ云ふ       峰月
                    佳作 4 票 4 点

2014.12.01 ロマネコンティ 151号 2 月号  互選


焦げ癖の 鍋捨てられず 大根煮る      峰月
      桂 特選 か 耕 ひ 明 渕 境 佳作
                        8 点 48位
吉田耕史 評 大分使い込んでしまったので、焦げ癖がついてしているのだ
ろうか。その鍋はこの作者の来し方のすまった鍋。それでもなお愛着があって
捨てかねべてを知っているのかもしれない。だから今日も家族のために大根を
煮ている。穏やかな日々が見えます。

紅葉の 鬼女と動悸の 同調す         峰月
              特選 1  佳作 2  計 3 点

無人駅 多き路線や 曼珠沙華         峰月
  佳作 3  計 3 点

じゃんけんを するも相手は 仏手柑      峰月
  佳作 3  計 3 点

萩繚乱 髪振り乱す 鬼女となり         峰月
  佳作 3  計 3 点

2014.11.01 ロマネコンティ 150号 1 月号 互選


冷蔵庫に ずっと居据はる 座薬かな      峰月
  佳作  2点

蚊柱や 裸電球 廻し消す            峰月
                        佳作 2点

地平線の ひるがほ見てる 水平線       峰月
          特選 う 佳作 益 3点 76位

金魚掬ひ 水に命を 持ち歩く          峰月
特選 洋 初 佳作 高 夏 蔦青 7点 30位

父の日の 父吊り革に ぶらさがる       峰月
    特選 並 蔦青 久  賞状と副賞 金一封
佳作 鈴 益 耕史 ひ 文 美 君代 光 14点 4位

2014.10.10 ロマネコンティ 全国大会白浜句会


義仲寺の 秋の真中に 端座せり        峰月

     岡本 和子 特選 富田 栄子 特選
     井上 和子 畑 麗子 佳作 6点 第二位

萩咲けり 今日約束に 晴るるなり        峰月

         岡本 和子 播磨 穹鷹 佳作 2点

秋澄や 魚板を呵呵と 鳴かせをり       峰月

     播磨 穹鷹 特選 橋田 草径 佳作 3点

むらさきの 花の終はりは 実のはじめ     峰月

         杉山 鮎水 井上 和子 佳作 2点

2014.09.13 ロマネコンティ 関西句会 義仲寺


新米を 三角 俵 丸むすび            峰月
                特選 1 佳作 1 3点

絮と云ふ 薊の子との 訣れ際        峰月
                特選 1 佳作 1 3点

良夜かな ひとのしつぽを 踏む遊び    峰月
菜 特選 井 鈴 し 由 禎 保 道 40位 9点

朝凉や 砂山となる 砂の城         峰月
                    佳作 三人 3点

かなかなや 手弱女たぐる 糸に似て    峰月
                特選 1 佳作 1 3点

2014.09.01 ロマネコンティ 149号 12 月号 互選


大西瓜 叩かれどおしに 売れ残り     峰月
     特選 一人 佳作 三人 5点 75位

嘘泣きの 涙の壺に 水中花         峰月
特選 嶋本 美千代 佳作 三人 5点 75位
評 どのような水中花が咲くのでしょうか。
見てみたくとも、又、見たくも無い花でしょうか。

胡坐して 胸板叩く 渋団扇        峰月
                  佳作 三人 3点

かなかなを 鳴かせて里曲 夕仕舞ふ   峰月
                  佳作 三人 3点

十夜婆 三途の川の 舟を漕ぐ       峰月
                  佳作 三人 3点

2014.08.01 ロマネコンティ 148号 11 月号 互選


ドーナツの 穴に宇宙と 銀河かな     峰月

貞 空 特選 小 酒 蔦 米 佳作 8点 51 位

夏休み 塾行く前に コンビニに        峰月
                        佳作 3点

日光写真 まぼろし探偵 濃かり       峰月

評 十河 宣洋  懐かしさがいっぺんにこみ上げてきた。 日光写真に興じた
子供の時代が懐かしい。貧乏な私にはなかなか日光写真の道具が買えなかっ
たが、友人と興じた。まぼろし探偵の漫画、ラヂオドラマなど想像をかき立てる
ものがあった。いまの子供たちにはプリキュアなどが懐かしい思い出になるの
かもしれない。まぼろし探偵のマフラーは何色だったっけ。   赤でしょう。 
                        佳作 3点

青芒 忘れられたる かくれ鬼         峰月
                        佳作 5点

梅雨湿る 納戸開けしが もの忘れ    峰月
                        佳作 3点

2014.07.01 ロマネコンティ 147号 10 月号 互選


郭公の 谺となりて 駒送り           峰月
   佳作 4 票 4 点

どしゃぶりの 蝉時雨なり 傘寿かな     峰月
                    佳作 3 票 3点

誉められて 伸びる私や 今年竹      峰月
           特選 1票 佳作 2票 4 点

ヒロシマや 夾竹桃を 弔花とす        峰月
鑑賞 橋田 草径 特選
 夾竹桃の花期は長くて、この花の逞しさと強さは、まさにヒロシマの破壊から
の復興にピッタリだと感服しました。
          特選 1票 佳作 3 票 5 点

残像に 蜥蜴の絖り 螺鈿色         峰月
           特選 1票 佳作 1 票 3点

2014.06.01 ロマネコンティ 146号 9 月号 互選


獺祭や 机上に文具 辞書と酒       峰月
                      佳作 3点

目ん玉は 残す家風や 蛍烏賊       峰月
                      佳作 3点
鈴木三山 評 蛍烏賊の主な産地は富山県と兵庫県である。出来れば生食は
避けたほうがいいといわれる。名前の通り発光するが、発光器の付いているの
は触手の先であり、目玉である。だが作者の家の家風では目玉を食べないよう
である。私などは好んで目玉を食べるのだが、食べない謂れがあるのだろう
か。   

栖村 舞 評 私は蚊の目玉のスープを探してきたが、まだ実物にお目にかか
ったことが無い。中国の宮廷料理にそのようなものがあったという伝説がある
だけで大層貴重なものらしい。そんなときにであったのが蛍烏賊である。蚊の
目に比べれば相当に大きいのだが、いつか必ず蚊の目を喰うと心に決めてか
ら、蛍烏賊の目玉は喰わずに残す。という仕来りが我が家にできた。乾燥する
と蚊の目みたいになるのだ。ああ早く食べたい。         

陽炎や 自分偽る 事多し          峰月
蜂 特選 み 胡 明 チ 須 佳作 7 点 65位

春障子 指で覗きし ひとは誰        峰月
                      佳作 3点

花をだまき 恋を終らす もの燃やす    峰月
                      佳作 3点

2014.05.01 ロマネコンティ 145号 8 月号 互選


座禅草 背中合せに かごめ鬼       峰月
                      佳作 3票

春の風邪 幼と話す 指きつね        峰月
   裕 胡 中 幼 壽 蔦 佳作 6票 66位

夜桜や 少しの狂気 持て余す        峰月
  佳作 4 票

寸劇の ついでに生くる 春心地       峰月
  佳作 3票

春の闇 尾てい骨早や 伸びざかり     峰月
                      佳作 3票

2014.04.01 ロマネコンティ 144号 7 月号 互選


揚ひばり 私が粒に なる遠さ          峰月
相 特選1票 雅 柴 甫 佳作 3票 5点 85位

 花ミモザ 微熱ある身の ティタイム       峰月
  佳作 4 票

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つくしんぼ 風好きながら 靡かざる      峰月
  佳作 3 票
堅香子や 妣の話に 耳寄する      峰月
  佳作 3 票
春寒や 致死量近き サプリメント        峰月
                         佳作 4 票
2014.03.01 ロマネコンティ 143号 6 月号 互選


世界地図 筒に戻して 春の闇          峰月
  特選 1票 佳作 2 票 4 点
中村 光影子 選評 世界地図を巻いて元の筒に戻して春の闇が拡がっ
たという情景の句だがこの行為の前の世界地図を拡げて話しに興じていた情
景が見えてくる。俳句表現の妙を感じる句だ。
鈴木三山 評 テレビやインターネットの無かった時代,行ったことも無い国
や地域のことは地図や地球儀で辿り、あとは想像を膨らませるしかなかった。
掲句の場合は筒に入った世界地図であるから、ある程度大きくて高級な地図な
のだろうと思われる。何か調べ物でもしていたのだろうか。春になりものみな動
き始める季節である。自分の心の中にも胎動するものを春の闇の中で感じ取っ
ている様子が窺える。

スイートピーと 軽い約束 指切りで       峰月
  佳作 3 点

若菜摘み 古墳の頂に至る            峰月
十河 宣洋  評 単刀直入。だからどうしたという思いのする人もいるかもし
れないが、私はこういう作品が忘れられているような気がする。作者の感動も何
もかかれてはいないが、作者はあっいつの間にこんなにと思いながら、その古
墳に祀られている人を思い出したりしている。歴史の想いに浸っているのかもし
れない。                      佳作 3 点

座禅草 背中合せに 襟正す           峰月
  佳作 3 点
靖国を 絵踏としたる 遺憾かな         峰月
  佳作 3 点
2014.02.01 ロマネコンティ 142号 5 月号 互選


火渡りの 婆足裏より 葬らる          峰月
                        佳作 3 点
正と負の 水平線に 浮寝鳥           峰月
 

                   佳作 5 点

寡黙な樹 おんころころと 冬の雨        峰月
  佳作 5 点

寒灯下 妻一桁の 乗算せり           峰月
  佳作 3 点

掛け違ふ 釦気付かぬ 年の暮         峰月
骨 靖 特選 つ 正 幸 須 佳作 8 点 48位 

2013.12.30 ロマネコンティ 141号 4 月号 互選


焼藷を パントマイムで 呼び止める       峰月
  特選 1票 佳作 1 票 3 点

全羽翔ち 白鳥枯田に 貼り替へる       峰月
                     佳作 3票 3点



鷹渡る 翔ぶは胸襟 開くこと           峰月
                     佳作 3票 3点

葦の穂の 自ら燃ゆる 火に焼かれ       峰月
                     佳作 3票 3点

日向ぼこ 肩書き下に 落ちてをり        峰月
            特選 お 勝 津 並 芳 5 票
佳作 井 耕 チ 正 潤 境 6 票 16 点 11 位

吉田耕史 評 「会社を辞めたらただの人」と言われるとおり会社のバッチや地
位なんて何の役に立たない。それこそ落ちていても誰も拾ってくれない。日向ぼ
っこをしながら普通の人になった人が若き日を懐かしがっているのだ。

2013.12.02 ロマネコンティ 140号 3 月号 互選


林檎もぐ 新たな余白 作りつつ         峰月
  特選 1票 佳作 2票 4 点

十河 宣洋 評 これも発想、手法ともに見たことがあるが、そんなことは言っ
ていては何もできない。新たな余白が新鮮な風景を作り出す。林檎狩りに行っ
たことがあるがまさしくこの気分である。新たな余白が真っ青な空に覆われてい
た。快晴の中での労働を思う。

月光を スクランブルに 掻き回す        峰月
  佳作 3票 3点

何もかも 承知の離別 吾亦紅          峰月
  特選 1票 佳作 2票 4 点

冬さくら 食卓の妻と 遠くゐる          峰月
  佳作 3票 3点

溜息の 綿虫として 生き直す          峰月
これが 情けないことに 行き直す と 誤植 されました。
句の命に字が万事 ですね。全然違った句に 成り果てました。
  佳作 5 票 5 点
2013.11.02 ロマネコンティ 139号 2 月号 互選


当たりなば 庭に萩叢 鞍馬石          峰月

                     佳作 3票 3点

捨てるもの 捨てて余白の 秋に生く      峰月

特選 坂 浩 獏 蒼  佳作 勝 歌 野 風 草        
       須 靖 7票 15点 14位

鑑賞 井坂あさ 思い切ったことをなさいますね。年を重ねていきますと段々と
この句の様にしたいと思いながら出来ないで居ます。見習いたいと思います。
潔いところに感動いたしました。

鑑賞 藤岡 蒼樹 自然の移りゆく営みの中に生き、順応しての悟りの境地に
なっている姿が良く描き出されていて、高齢になるほどこの心境に一日一日の
時間を充実させている姿が見えてくる一句である。余白を埋める箇所にいろい
ろな想像力をかきたててくれる。
二十三夜 頬ずりほどの 淋しさに        峰月

                     佳作 3票 3点

こはくてう 風を抱えて 着水す          峰月

  特選 チ 靖  佳作 菜 壽 4票 6点 88位


誰か聞く 無絃の琴や 夜の秋意        峰月

鈴木 三山 評 鑑賞 無絃の琴」の意味が分からないと鑑賞が出来な
い気がする。無絃であるから当然音は鳴らない。それでも抱えているのは何故
かというところに眼目があり、作者はそこに秋意を感じ取っているようである。言
ってみれば「無用の用」のようなことを言っているのかも知れないが、いずれ「老
荘思想」の一つのことわざに端を発しての感慨なのではなかろうか。
                     佳作 3票 3点

2013.10.02 ロマネコンティ 138号 1 月号 互選


ぼうたんや こはれ易きは をのこなり     峰月

「花疲れ」 北村峰月

第二次審査結果
 森須 蘭 2点  高橋 比呂子 1点
 鈴木 砂紅 2点 武馬 久仁裕 2点
 

 青木 澄江 2点  三位
花疲れしてなほ花を 振り返り          峰月
ぼうたんや こはれ易きは をのこなり     峰月
ひらがなに ほどけてしまふ 秋の蝶      峰月

平易な表現で展開される独自の世界、無垢への郷愁。事実は一つでも詠み手
の数だけ真実がある。そんなことを再認識させてくれた作品。

 平野 博之 1点
ぼうたんや こはれ易きは をのこなり     峰月
新豆腐 切りてあらたに 生まれし角      峰月
詠出に独自性があり、嫌味のない句意

 森 さかえ 3点
新豆腐 切りてあらたに 生まれし角      峰月
踏青や 行きて戻れる 遠さまで         峰月
コスモスを 黙って妻に 突き出せり       峰月
焚火して 寂しき人を 集めけり         峰月

 合計 13点 第7位

第二回ロマネコンティ年度賞 参加 45編


荒草の 晩夏に放つ 犬と子と         峰月
  佳作 2票 2点
沖を見て 沖へ向かはぬ 水着かな      峰月

特選 端 1票 佳作 砂 並 波 3票 5点 50 位

年金を 梅酒に替えて 蓄へる         峰月

特選 砂 1票 佳作 端 す 2 票 4点 68 位

空深き 処より神 那智の瀧           峰月

  佳作 2票 2点

梅雨晴間 引かな引かなの 草殖ゆる    峰月

  佳作 2票 2点

2013.10.20 第8回 ロマネコンティ全国大会
 川越大会 互選


秋風鈴 訪ふ風の色 確かめる         峰月
             特選 1票 佳作 2票 4 点

夜の紅葉 耳まで紅を引きにけり        峰月
                    佳作 2票 2 点

七人の 敵も定年 吾亦紅            峰月
特選 平 塚 草  佳作 お 九 大 柳 麗 夏 沙 時 映 
境 北 睦  18点 9 位
鑑賞 橋田 草径  かってのフレンドリーライバルも定年になってしまった。吾
もまた、の感慨。

鵙啼けり 寛解七年 凪の海           峰月
             特選 1票 佳作 2票 3点
鑑賞 須山 靖  実りの秋が来た。鵙がキーッキーッと鋭い声で鳴き始めた。
大病を患ったが奇跡的に命を取り留めた。小康を保ちながらの療養生活も七度
目の秋を迎えた。ありがたい事に波風も立たず平穏無事の生活を鵙が甲高い
声で力付けて励ましているようだ。

鬼灯の 網透けてゐて 誰もゐず        峰月
                     佳作 3票 3点

2013.09.02 ロマネコンティ 137号 12月号 互選


パンドラの 箱底にある 星月夜         峰月

             特選 1票 佳作 3票 4点

寝ねかてに 蛙の声の 波に浮く        峰月
い                                       
                     佳作 3票 3点

蝉しぐれ あの日あの時 無音界        峰月

 鑑賞 鈴木邦女(東京) あの時とは、終戦の日のラヂヲの玉音放送を聞いて
いる時ではないだろうか。ラヂヲには雑音ばかり入り、少女だった私には天皇
のお声とは解るが、内容は全く解らなかった。隣組の集まって古いラヂヲを囲ん
だ。よくわからなかったが、大人たちの深刻な顔色と雰囲気が只ならぬことが
起こったのだと悟った。皆無言でうつむいて聞く。あの時日本中の日本人が無
言だったのだ。蝉時雨だけが盛んだったのだ。そしてその蝉時雨さえも聞こえ
なかった。 
             特選 1票 佳作 3票 4点

水馬の 鋼の色に 水窪む            峰月

                     佳作 3票 3点

帰省子の まぶしき花を 連れ帰る       峰月

野 す 特選 2票  頼 天 岡 名 槙 佳作 5票 9 点 
4位

2013.08.02 ロマネコンティ 136号 11 月号 互選


隣り合ふ 浴衣は 初恋の人似         峰月
  佳作 3票 3点

暇さうな をとこちらりと 見る金魚        峰月
                     佳作 5票 5点
動物でも魚でも目が合うということはあんまり気持ちの良いものではない。しか
も、暇つぶしに見ていたときに金魚と目が合ってしまったのだ。金魚は「あんた
も暇なんだね」という眼差しである。ちらりと流し目で見られるとどきり。今流で
いえば「微妙」ということになるのだろう。吉田耕史 評

菖蒲雨 好きと言ふ人 好きになる       峰月
                     佳作 2票 2点

少女らの 裸足につづく 大腿部        峰月
                     佳作 2票 2点

遠蛙 耳の奥より 順に詰め           峰月
中村光影子 音の聞こえる句。 佳作 2票 2点

2013.08.02 ロマネコンティ 135号 10 月号 互選


草笛の 鳴らねば草に 戻しけり          峰月
          特選 1票 佳作 3票 5点 98位

猫じゃらし 悪戯ごころ 誘ひけり         峰月
                     佳作 2票 2点

折鶴に 吐息吹き込む 原爆忌         峰月

  特選 須 す 2票  佳作 山 鈴 猪 梅 4票 8 点

氷塊に 瓶型つけて ラムネ売る         峰月
  佳作 2票 2点

初夏や 少女の唇 素裸に                   峰月
                     佳作 2票 2点

2013.07.02 ロマネコンティ 134号 9 月号 互選



脱がずんば 大人になれず 今年竹             峰月
               互選 佳作 3票 3点

老鶯の 山内にゐて 法法華経                峰月
            特選 1票 佳作 1票 3点

しゃぼん玉 象に吹かせて 風のまま             峰月
            特選 1票 佳作 1票 3点

花吹雪 印を結べば 花隠れ                  峰月
                互選 佳作 3票 3点

揺れ初めて 光織り込む 瀧桜          峰月
                  互選 佳作 4票 4点

2013.06.03 ロマネコンティ 133号 8 月号 互選


みづうみと 空のあわひに 咲く桜       峰月
  佳作 2票  2点
梅見山 黙って妻に 突き出す手        峰月
     特選  1票  佳作 1票  3点
花の宵 天女と夜叉は 裏おもて        峰月
  佳作 4票  4点
桜咲く 今宵の妻は をみななり         峰月
  佳作 3票  3点
可惜夜や ほとけ出歩く 花吹雪        峰月
               佳作 5票  5点

2013.04.03 ロマネコンティ 132号 7 月号  互選


紫雲英田に 心の螺子を 弛めけり      峰月
                    佳作 3票  3点

花疲れ 帯解くままに 横座り          峰月
          特選  1票  佳作 3票  5点

囀りや 手は饒舌に 手話の人         峰月
          特選  2票  佳作 1票  5点

落椿 不貞寝のままに 流れけり        峰月
                    佳作 5票  5点
一歩づつ 影一歩づつ 試歩の春     峰月
                    佳作 3票  3点

2013.03.03 ロマネコンティ 131号 6 月号  互選


わだなかの 都に遊べ 独楽廻し        峰月
            特選 1票  佳作 1票  3点

落武者の 窺ひて入る 枯野かな        峰月
                    佳作 3票  3点

遺言は 妻の余生や 大根煮る         峰月
                    佳作 4票  4点

子も子の影も踏む 霜柱             峰月
                    佳作 2票  2点

逢ふてゐて 背中淋しき 冬ざくら        峰月
                    佳作 3票  3点

2013.02.03 ロマネコンティ 130号 5 月号 互選


日向ぼこの つづきに逝きたしと思ふ     峰月

評 鈴木 三山 年を取る毎に日向ぼこの温みを有りがたく思うようになって行
く。老後への不安がないわけではないのだが、気持ちの良い日向ぼこをしてい
ると、ついこのままあの世に行けたらさぞかし幸せなことだろうななどと思ってし
まうのであろう。日向ぼこ恐るべしである。
             特選 1票 佳作 2票 4点

釣り落す 魚纏ひけり 色落葉         峰月
                     佳作 2票 2点

霜降れる 呪縛の中に 朝の椅子       峰月
                     佳作 2票 2点

湯豆腐の 小躍り虚し 妻の留守        峰月
                     佳作 3票 3点

歳晩や 妻のブーツの 疲れざま        峰月
                     佳作 2票 2点

2013.01.05 ロマネコンティ 129号 4 月号  互選


木洩れ日に 打たれるやうに 冬の蝶    峰月
         特選  1票    佳作 3票 5点

その嘘は 寒紅引きし すぐ後に       峰月
                    佳作 6票  6点

鳩時計 突き出たままに 枯木山       峰月
                    佳作 2票  2点

手袋に それぞれ嘘の 種入れる       峰月
      佳作 3票  3点

十河 宣洋 評 手品師のような手つきで手袋を嵌めている。嘘の種、それが
楽しい話題を引き出す。真実より嘘が真実味を帯びて歩き出す。この手袋の持
ち主は澄ました中年レディ。そして話は御馴染の噂話である。いろいろなドラマ
の始まりである。その意味で種が芽を出す。春である。

凍て蝶に 聴診器押し当てて見む       峰月
                    佳作 2票  2点

2012.12.05 ロマネコンティ 128号 3 月号  互選


紙を漉く 水の濁りの 群れたがる       峰月

蒼 特選  1票  齋 大 明 て 坂 佳作 5票  7点 75位

鑑賞 藤岡 蒼樹 楮の樹皮を蒸し、濁りの中に繊維質が絡まって和紙を構成
するまでの工程の中を下五の群れたがるととらえられている視点感覚に感動さ
せられる。労働の句にこそ深化への導きで 素晴らしい。

鑑賞 齋藤 満子 木枠に紐のついた道具で、和紙を漉く様子を見ていると、確
かにとろりとした水があたかも群れたがっているように見えました。実感のある
作品だと思いました。

枯葦の 釣座を訪ふは 風ばかり        峰月

                     佳作 1票 1点

花八手 グーチョキパーを すべて出す    峰月

                     特選 2票 4点

大根引く 白さは闇を 生みにけり       峰月

       特選 2票  佳作 1票  5点  98位

鑑賞 藤井 増丸 面白いそして理屈に合った俳句ですね。大根の白いのは赤
大根を除けばズバリです。また闇の暗さはあたりが明るく白い場合は、反比例
して暗くなりますので、大根の白さが闇を生む結果となりますね。
本当は抜いた大根の白さが、抜いた穴により深い闇を作ると思い作りました。

児を脱がし 洗濯をする 小六月        峰月
                     佳作 3票 3点

2012.11.05 ロマネコンティ 127号 1 月号 互選


綿虫の 空の扉に 消え入れり         峰月
                     佳作 3票 3点

紙漉の 等しく水を 重ねけり          峰月

剛 特選 1票 菜 野 時 北 芳 佳作 5票  7点 69 位

指眼鏡  花野の向かふ 母の国        峰月
                     佳作 2票 2点

死にに足る 剃刀一葉 曼珠沙華       峰月
                     佳作 3票 3点

鮎焼けり 百尾百客 居並べて         峰月

         ます美  特選 1票 佳作 1票  3点

長良川辺りの落鮎であろうか。百尾百客居並べてとは壮観な。その場に吸い
寄せられてしまいそう。さぞ美味であろうとゴクリとしました。鑑賞 大高 ます美

2012.11.04 ロマネコンティ 126号 12月号 互選


冬瓜よ 足が欲しひか 手が良きか     峰月

                 佳作 5票   5点

草虱 祀る二人の 水子あり           峰月

                   佳作 2票   2点

鳴き切りて 地を這いずれり すがれ蝉    峰月

                   佳作 2票   2点

秋の蚊の 罹癌の吾の 血を吸へり      峰月

                  佳作 2票   2点

瀧壺の 棒なる水の やはらかく        峰月

          特選 1票  佳作 1票   3点

2012.10.04 ロマネコンティ 125号 11 月号 互選


月影の 近江三井寺 一里塚          峰月
                  佳作 2 票   2点

妻とする 影踏む遊び 良夜かな      峰月
                  佳作 3 票   3点

こすもすの 隠して母の 車椅子         峰月
            特選  2 票     庭 睦
             佳作  3 票   菜 風 波
               890 句中  61位  7 点

蜩の 足して繋ぎし 別の声           峰月
                 佳作 1 票    1点

赤まんま 動悸あるまま 妻の役        峰月
                 佳作 3 票    3点

2012.09.05 ロマネコンティ 124 号 10 月号 互選


尺取の 柱の傷を 寸測り            峰月
                 特選  1 票      
                佳作  1 票    3点

夏帽子 回転木馬に 上下して         峰月
                佳作  2 票    2点

窯変に 活けし紫陽花 なほ変化        峰月
                佳作  3 票    3点

恙なく 守宮来てをり 名は無くも        峰月
                佳作  2 票    2点

葉やなぎの さうは釣れぬが 好きな所    峰月
                 特選  2 票  頼 し
                 佳作  1 票    砂
                 255句中   69位  5点

2012.09.05 ロマネコンティ 山口全国俳句大会


妻の留守 わたし昼顔 蔓のばす       峰月

十河 宣洋 評 昼顔と言う小説があった。映画もあったように思う。鬼の居な
い間の洗濯と言う言葉があるが、別段 優しい奥さんだって亭主は日頃気を使
っている。蔓を伸ばし、花を咲かせよう。
                 特選 3票 猪 津 並
                905 句中  100位  6 点

ぼうたんや こはれ易きは 漢なる      峰月
                         特選 3票 泉 北 奈
             佳作 8票 関 胡 大 り 紀 耕 高 禎
                 905句中  11位 14 点

豊かなぼたんと壊れ易い男との対比が絶妙。力が強いだけの男。男は女の生
れそこないと思いたくなる面もある。ただこわれやすさはロマンチックと同意語
だった。 鑑賞 北村 純一

竹生島 遊ばすものに 雲の峰     峰月
    佳作  5票
                            5点

心太 ゆたに揺るるや 繭ごもる      峰月
    佳作  3票
                           3点

白桔梗 ポンとこはせば 妣の声      峰月
                          佳作  5票
                           5点

2012.08.05 ロマネコンティ 123号 9 月号 905句  互選


夏薊 その絮の身の 遠流かな      峰月
    佳作  3票
        わた      おんる                     
  3点
白日傘 あげて美貌の 科ふやす    峰月
    佳作  2票
                            2点
指籠に 蛍の命 讃えけり         峰月
    特選  3票
                            6点
空蝉の 哭くを聞くなり 法の山      峰月
    佳作  2票
                            2点
蛞蝓の 足跡消せぬ 呪縛かな      峰月
    佳作   3票
                            3点
評 駆除の対象になっている。 勿論蛞蝓自身に 罪のあることではないのだ
ろうが、人間社会での嫌われ者であることは確かである。ところで蛞蝓の歩い
た跡には、分泌された粘液がくっきりと残るためすぐに追跡されてしまう。まさに
呪縛である。鈴木 三山 

2012.07.03 ロマネコンティ 122号  8 月号  925 互選


滝壺の 神の青さに 白落とす       峰月
    佳作  3票
                            3点
泣き言も 不満も交え 落し文        峰月
    佳作  3票
                            3点
無罪判決に 届く灰色 胡蝶蘭       峰月
     佳作  3票
                            3点
芽柳の 獅子毛振るさま 有頂天      峰月
    佳作  2票
                            2点
蜘蛛の囲や 他人名義の 糸電話     峰月
    佳作  3票
                            3点
2012.06.07 ロマネコンティ 121号  7 月号  935句  互選


猫やなぎ 猫になる前 呪文懸く        峰月
   佳作 2票
                            2点
涅槃図に 猫と私の 漏れしこと        峰月
   特選  3票
                            6点
恋猫の 懸想文など 届けしか 峰月
          佳作  2票
                            2点
初蝶の 謎々遊び 野にありて         峰月
                         佳作  2票
                            2点
気怠さを 快楽としたり 昼花見      峰月
                          佳作 2票
                            2点
2012.05.07 ロマネコンティ 120号   6 月号 925句  互選


踏青や 行きて戻れる 遠さまで        峰月
                特選 3票 鹿 り 渕
940句中  45位 9点   佳作 3票 野 柴 星

評 鹿岡 真知子 特選をいただいた句。長く厳しい冬を抜けて、春を迎えた喜
びが伝わって来る。青々と萌え出た草を踏むことで、足裏から身体中に伝わっ
て来る草の感触。これは正に春の感覚なのだ。喜び勇んで、春の野山をどこま
でも踏んで行きたいところ。だが「行きて戻れる遠さまで」と言う。何と慎ましい
事をおっしゃる。ご自分の身の程をしっていらっしやる。いや、一日一日進んで
ゆく春を、毎日毎日少しずつ楽しんで行こうとする作者の心根。ゆっくりゆっくり
大事に生きている作者の命がある。

機嫌佳く 日溜りにゐる 座禅草      峰月
                       佳作  1 票
                            1点
ふたりとは ひとりになるまへ 冴え返る    峰月
   940句中 59位  8票  佳作 8票 ま 釣 山 ひ 並 境 須
 蔦
                            8点
もののけの 集ふ処や 春の月    峰月
                        佳作  3 票
                      3点
桜鯛 遅き初潮を 祝ひけり    峰月
               特選 1票  佳作 4 票
                            6点
桜鯛の季語で、初潮と言う少女期から思春期に向かって成長していく過程を、
詠める作者の若々しい創造力に、新しい作句の可能性を見出せた。近親者に
とって娘への成長を願ってのことを、この題材を提示されたこと、脱帽のほかは
無い。結句が明るい未来を暗示している。  鑑賞 藤岡 蒼樹

2012.04.06 ロマネコンティ 119号  5 月号 940句  互選


狐火や らしき話に 酒を酌み         峰月 佳作 1票

短日や 目標として 父の歳           峰月 佳作 3票

農暦 辛夷の白さ 極まりて          峰月 佳作 3票

尼寺や 寂しさ膨れの 白障子          峰月 佳作 2票

長考の かたちに生くる 枯蟷螂               峰月
                        特選 1票
                         佳作 2票

鑑賞 みちのく独りごと 鈴木 三山  枯蟷螂のかたちはまさに沈思黙考その
ものである。蟷螂のオスは交尾を終えるとメスに食われてしまうというから、枯
蟷螂になるのは殆どがメス蟷螂ということになる。ともあれ死んでからも考え続
ける姿が生きることなのだとという哲学さえ感じられる。

鑑賞 東 國人  将棋や囲碁の世界では、たった一手さすのに何時間も長考
するという。その盤に向かいじっとしつつも、小刻みに前後に動く姿に、獲物を
待つ姿と結びつけたところが、この句のポイントであろう。
2012.03.06 ロマネコイティ 118号  4 月号 955句  互選


凍蝶に 聴診器押し当てて見む        峰月 佳作 2票

冬帽子 呪文となえに 行くところ        峰月 佳作 2票

極月や 三行半は 妻が出す         峰月 特選 1票

蓮根掘る 交互に足を 取り返し        峰月 特選 1票
                        佳作 4票

偽物の 悪女と睦み 年の市           峰月 佳作 3票

2012.02.06 ロマネコンティ 117号  3 月号 955句  互選


罹癌治癒 離婚再婚 帰り花          峰月 特選 1票
                       佳作 4票

冬の蠅 黒田杏子と 麗子像       峰月 佳作 1票

かじけ鳥 日に二度は合ふ 鳩時計    峰月 佳作 2票

雪女 なれさふなひとに ある誘ひ     峰月 佳作 5票

初弘法 棒ばかり売る 植木市        峰月 佳作 2票

2012.0106 ロマネコンティ 116号  2 月号 965句  互選


綿虫を 問ひ詰め今日の 予定聞く     峰月  佳作 3票

コスモスを 黙つて妻に 突き出せり     峰月  特選 4票
                               蔦 く 賢 道
  995句中 24位  13点   佳作 5票  齋 桂 原 楠 樹
評 不器用で無口な中年男性が浮かぶ。「愛しているよ」なんて絶対にいえな
い。山里だったら野に咲くコスモスを摘んで来たのか、都会だったら花屋でコス
モスの束を見つけて買ってきたのか、きっと妻がコスモスを好きだったのだろ
う。それをぶっきら棒に突き出すところが又良い。充分愛が伝わる。
                                     鑑賞 鈴木 邦女

評 「黙って妻に突き出せり」の表白に少しの照れとはにかみを含んだ愛情表
現が、何とも素敵。妻に捧げた花もお花屋であしらった薔薇や百合でなく、そこ
ら辺りに咲いた「コスモス」といった素朴さがほのぼのとした雰囲気を醸し出し、
季語の働き充分である。思わず「いい男」と発したくなる句。 鑑賞 田中 賢治

立冬の 月の丸さに 不足あり        峰月  佳作 3票
                                    3点
うかうかと 妻見失ふ 花野かな        峰月  特選 1票
   995句中 78位  7点   佳作 5票 鈴 か 由 増 道

綿虫の わたしの指の 思ふまま       峰月  特選 1票
                           2点
2011.12.06 ロマネコンティ 115号 1 月号 995句  互選 


生き死に 弥次郎兵衛振る 秋風に     峰月  佳作 5票
                            5点

雁渡る 照準の無き 指鉄砲         峰月  特選 1票
 佳作 4票
                            6点
偶数で 数えて余る 鶏頭花         峰月  佳作 3票
                           3点
ひらかなに ほどけてしまふ 秋の蝶    峰月 齋 関 特選
       山 平 宮 羽 明 酒 あ 田 秀  佳作
                  960票中 13位 13点
鑑賞 齋藤 満子  春や夏の蝶は 元気に飛んでいます。が 段々と気温が
低くなってくるとそれでなくとも心許ない蝶の飛び方が心象も含めて、いっそう頼
りなく見えてきます。秋の蝶はまるで中空にかな文字を描いているようで、いつ
しかその姿さえ消えてしまいそう。というあまやかな感性に詩情があり、好きで
した。

枯葦の すぐ風離す いくぢなし      峰月 落 北  特選
         960票中  86位 7点 坂 鷲 玉  佳作
「すぐ風離す」が面白い表現である。「そうか」だから葦原は風に押し寄せるの
かという思いになる。「いくじなし」は楽しい表現。葦原に行っている自分もそう
だという気分である。                      十河 宣洋 評 鑑賞
冬枯れした葦にもそそぐ作者の、生き物に対する愛情の深さを感じます。   
「すぐ風離す」の巧智に脱帽。                    鑑賞 北村純一
2011.11.06 ロマネコンティ 114号  12 月号 960句 互選


整列に 濃き影踏まるる 原爆忌     峰月

   2票二名 佳作

船消して 船顕せる 秋の島        峰月

   1票一名 佳作

母がりの 手熨斗で畳む 秋袷      峰月

                   8票  特選  六名  佳作

親展と 肩書きのある 落し文        峰月

                      8票  特選  六名  佳作

ユウモアもここまで書けば、季題の落とし文が喜ぶに違いない。他人の封書を
こじ開けたら法に触れるが、まして親展と断ってあればラブレターぐらいではす
まない。重要機密文書であるのかもしれない。昆虫を介して、庶民の暮しを皮
肉ったものかも。                       鑑賞 居原田 連星

大花野 人魚座りの 少女置く                 峰月

                       4票 特選  二名  佳作

2011.10.06  ロマネコンティ 113号 9 月号 955句  互選


夏の磯 舳倉の岩に 海女を干す      峰月佳作二名2票

生きをりと 生くる希望に 松の芯       峰月佳作五名5票

晩夏光 妻とゐて受く メール音        峰月佳作一名1票

並木道 一樹一樹に 蝉時雨         峰月佳作三名3票

加茂茄子の 曳き売りの犬 老いにけり   峰月佳作二名2票

  2011.09.07 ロマネコンティ 112号 8 月号 1010句 互選


引力に 逆らふ胡瓜 訳ありと         峰月佳作三名3票

紫陽花の 鞠ぽんと衝き 女坂         峰月佳作一名1票

鉾立てり 長刀の先 弧を描ける       峰月佳作一名1票

鉢巻を 棟梁に 鉾立ちて行く         峰月佳作二名2票

蓮観舟 座る高さに 花の寄り        峰月佳作一名1票


  2011.08.07   ロマネコンティ 111号   07 月号   互選


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