北村峰月の俳句会

京都作家協会













平成27年度 京都俳句年鑑

「年迎ふ」

舟屋みな 舟を満たして 年迎ふ            峰月

紙風船 終のひとつは 強く衝く              峰月

世界地図 筒に戻して 春の闇             峰月

ふらここや 風の先頭まで 漕げり           峰月

甲冑の 阿の口にある 春の闇             峰月

万緑の ひとつを摘みて 笛と成す           峰月

水槽は 水の断面 水中花                峰月

草笛の 鳴らねば草に 戻しけり             峰月

父の日の 父吊り革に ぶらさがる           峰月

新米を 手溢すために 掬ひけり             峰月

鮭を打つ 命は音を 立てにけり             峰月
 
琵琶といふ 器に満たす 秋の水             峰月

冬砂丘 暮れて大きな 白き闇              峰月

臥する児に 指の狐の 白障子             峰月

氷瀑の 崩れ谺の 駈け昇る                峰月



平成26年度 京都俳句年鑑

「水平線」

ドロップの 音のひつつく 残暑かな      峰月

本籍は この木この杜 蝉時雨          峰月

歪みたる 月もろともに 田水落つ       峰月

雲脱ぎて 月は信濃の ものとなり       峰月

帰省子と 語らぬままに 碁を打てり     峰月

白亜紀の 石を拾ひぬ 磯は秋        峰月

空蝉に 幹をささへる 力あり          峰月

手をつきて 四角に侍る 雨蛙         峰月

田水張り 棚田の数の 水平線        峰月

堂々の 富士を泳がす 水田かな       峰月

はいはいの 兜飾りに 向きを変へ      峰月

桜咲く まん中通り 逝くつもり         峰月

春の夜や 妻に繋がる 糸電話        峰月

測量の 棒突き立てて いぬふぐり      峰月

葦の芽の 波に伸びたり 縮んだり       峰月



平成25年度 京都俳句年鑑

「いくぢなし」

青鞜や 行きて戻れる 遠さまで        峰月

九十九里 斜めに寄せて 春の波       峰月

涅槃図に 猫と私の 漏れしこと         峰月

てのひらに 畳目つきぬ 花疲れ        峰月

妻の留守 わたし昼顔 蔓のばす       峰月

帰省子と 対話の為の 碁を打てり      峰月

曳き売りの 声の動かぬ 秋暑かな      峰月

新豆腐 切りてあらたに 生れし角       峰月

ひらがなに ほどけてしまふ 秋の蝶     峰月

うかうかと 妻見失う 花野かな         峰月

渡り鳥 連なりてゐて 一羽づつ        峰月

大根引く 白さは闇を 生みにけり       峰月

長考の かたちに生くる 枯蟷螂        峰月

枯葦の すぐ風離す いくぢなし        峰月

焚火して 寂しき人を 集めけり         峰月













井戸ありて 父母ゐて西瓜 冷やしけり           峰月

                    京都府市民俳句大会賞 受賞

2016.06.26 京都俳句作家協会 第54回京都府市民俳句大会



水替へて 色の喜ぶ 水中花         峰月
          当日句会 互選  岩城 久治 選 佳作 3 票

船頭の 胼胝の手を借り 鵜飼舟       峰月
                     当日句会 互選 佳作 2 票

草刈りて 野仏に風 返しけり         峰月
             事前投句 424句 豊田 都峰 選 佳作

蜘蛛の囲と 混線したる 糸電話             峰月

百日紅 嘘赦さるる 看取りかな             峰月

老鶯や 五百羅漢と 問答す                峰月

2015.06.27 第53回 京都府市民俳句大会 京都アスニー


神籤結ふ 地摺り柳や 京の臍            峰月
    互選 特選 1票 佳作 2 票 4 点 19位

薄暑かな 六角さんなら そこ曲る          峰月
     互選 特選 1 票 佳作 2 票 4 点 19位

晩春の 洛中迷子の やうにかな           峰月


2015.04.29 第46回コープ ホテル 三条 四条 吟行 255 票


桃熟れて 稚の如くに 脱がしけり       峰月

白紫陽花 骨のヒリヒリ 冷ゆけり        峰月

脱ぎしもの 順に干しゆく 老いし海女     峰月
                名村 早智子 選 佳作

麦藁帽 かんかん照りを 載せ来たり      峰月
                 那須 淳男 選 佳作

帰省子に 校歌の山の 親しかり        峰月
                  豊田 都峰 選 佳作

生絹雨 燕杼となり 織り成せる        峰月
                 金久 美智子 選 佳作

花南天 余生は妻の 意のままに        峰月
               当日句 互選 佳作 3 票

2014.06.28 第52回     京都府市民俳句大会
                       京都アスニー


桜蕊 落ちて雀を 発たせけり           峰月
    互選 特選 1票 佳作 3 票 5点 24位

微風に 堪へ性なき 八重桜            峰月
                   互選 佳作 1 票

花果つや 騒めきごころ 胸に置く          峰月
                   互選 佳作 1 票

2014.04.29 第45回 こどもみらい舘 吟行 219票


立秋や 今朝と昨日に ある破線          峰月

有岡 巧生 選 佳作 7点
82人出席 二句出句 七点 十六位 でした。

2013.08.31 平成25年第55期総会記念句会 互選






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